筆者の去年まで業務経歴書
筆者は、過去2回の技術士2次試験の専門科目を「施工計画」として受験していました。
特別な試験対策は行っておりませんでしたので、市販書に書かれている注意事項をナナメ読みし、業務経歴書を作成して、受験を迎えていました。
受験申し込みのための業務経歴書作成でしたので、当然のごとく過去2回とも同じ内容でした。
新ためて業務経歴書を見直してみましたが、まとめると次のような内容です。
業務内容
〇〇(用途)工事の施工計画・管理及び積算
立場と役割
工事全般の施工計画及び施工管理業務の実施責任者
業務上の課題
・仮設通路の第三者への安全性確保
・鉄骨工事の施工計画と精度管理
技術的な提案
・第三者が通行する仮設通路の計画図作成、施工・解体計画作成、作業時間調整
・大スパン鉄骨のジャッキダウンにおける変位量の管理方法の提案
技術的成果
・無事故、無災害達成
・監理者、設計者からの品質面での評価を得た
業務経歴書の意味
これまでの捉え方
過去の受験(不合格)では、業務経歴書の位置づけを、受験資格を得るための単なる書類と捉えていました。
・ほとんどの受験者が落とされる筆記試験では、業務経歴書の内容が問われるわけではないということ
・口頭試験での合格率は90%ということ
この2つの点から「それなりに埋めておけば大丈夫であろう」くらいの意識でした。
捉え方を改めた
ネット上、どの情報を見ても業務経歴書の作成から受験が始まっているということが分かりました。
筆記試験の合否判定には関係しませんが、筆記試験を突破した場合の口頭試験での合否を大きく分けることから、その重要性が分かります。
口頭試験の面接官は、業務経歴書の小論文の内容+業務経歴書を見たうえでの質問に対する受答えで合否を判断します。
セコカンの選択科目は?
筆者と同じように、「施工管理」業務の経験で受験を考えている方は、選択科目を「施工計画、施工設備及び積算」とするか「鋼構造及びコンクリート」とするか迷うと思います。
業務経歴票の「業務内容」や「業務内容の詳細」は技術士法を満たすことが求められています。
技術士法第二条(定義)
「この法律において「技術士」とは、第三十二条一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。」
特に重要なのは「専門とする事項」
口頭試験の面接官は、通常2名で、「専門とする事項」に記載された分野を専門とする面接官が選ばれるそうです。
「専門とする事項」は、基本的には「選択科目の内容」から選びます。(参考URL:https://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2255_1.pdf)
具体的には、「施工計画、施工設備及び積算」を選択科目とした場合、次の中から選択することになります。
・施工計画
・施工管理
・維持管理・更新
・施工設備・機械・建設ICTその他の施工に関する事項
・積算及び建設マネジメントに関する事項
筆者の場合、専門とする事項は「施工計画」と記載していました。
参考までに、「鋼構造及びコンクリート」が選択科目な場合は次の中から選択します。
・鋼構造、コンクリート構造及び複合構造の計画
・設計、施工及び維持管理並びに鋼、コンクリートその他の建設材料に関する事項
セコカンであれば、施工計画・鋼コンどちらでも受験可能
筆者は、過去2回の受験では、「施工計画、施工設備及び積算」を選択していましたが今回からは「鋼構造及びコンクリート」に変更し、受験をします。
理由は、最近、現場から内勤の技術職へ異動になったためです。
業務内容の詳細について
ネット上の情報を受けて、業務経歴書を自分なりに改善しようと思います。
ポイントは
①具体的な実務内容・規模
②課題③課題分析
④解決策
⑤解決手段の制限
⑥成果
の順序で記載することを意識する必要があるということです。
立場と役割
1.具体的な物件名で、面接官に業務経歴に偽りないことをアピールする
・実物件名(〇〇工事計画)
・物件規模(地上〇階、地下〇階、延べ床面積〇㎡、工期〇年〇か月)
2.選択科目と専門とする事項で選んだテーマを記載する
・〇〇工事における工事全般の施工計画業務
3.自らが主体として業務を遂行したことをアピール
上記工事の実施責任者として従事した
自分なりに改善した業務上の課題
今回からは「鋼コン」で受験予定のため、鋼構造の施工計画に絞った内容とします。
1.課題+課題の分析を記載する
・鉄骨工事の施工計画と精度管理+大スパンの屋根鉄骨を仮受支柱で受け、応力集中を起こさないようにジャッキダウンすることが求められた
2.課題の分析を受けて、解決の方向性を記載する
・仮受支柱の箇所、数を検討し、適切なジャッキダウン順序と屋根鉄骨の垂直変位量を、構造計算により確認する
3.解決方法を実施するに当たっての制限(課題)を記載する
・自動制御のジャッキダウンではコストが合わないため、手動でジャッキダウンの順序と垂直変位量の管理を行った
技術的成果
・構造計算で予測した変位量の3%以内で管理を行うことができた
このような感じでしょうか、引き続き、業務経歴書の内容を考えていきたいと思います。以上