ブレッドボード(breadboard)とは?
ブレッドボードは、電子回路の試作と実験を行うのに便利な基盤です。
回路を組むための多数の穴が開いており、このような見た目をしています。
bread(パン)-board(板)という構成の語で、パンをこねるときの木の板を意味する言葉です。英語では他に、plug(栓)-boardやproto(最初の)-boardとも呼ばれます。
ブレッドボードは、現在はプラスチック製です。昔は木の板の上で回路の試作を行っていたために、ブレッドボードと呼ばれているそうです。
ブレッドボードの仕組み
ブレッドボードの内部は、電流が流れるように穴同士の線がつながっている部分と、つながっていない部分とに分かれています。
図の赤線が内部でつながっている線を表しています。
ブレッドボードに使う部品例
ブレッドボードは、配線を基盤にはんだ付けしないでも、回路の試作と実験が行える便利なツールです。
配線には「ジャンパーワイヤー」というブレッドボードに適したものを使うと便利です。
モーターなどの配線はそのままでは、ブレッドボードの穴に差し込むには不便です。そんな時は、「ジャンパーピン」を配線に取付けると、試作がしやすくなります。
試作したい回路によって、さまざまな抵抗も必要です。抵抗の種類は様々です。
ジャンパーワイヤー、抵抗、それにLEDがセットになっている商品もあります。筆者が購入した試作キットには30種類の抵抗が入っていました。
(10Ω、22Ω、47Ω、100Ω、150Ω、200Ω、220Ω、270Ω、330Ω、470Ω、510Ω、680Ω、1KΩ、2KΩ、2.2KΩ、3.3KΩ、4.7KΩ、5.1KΩ、 6.8KΩ、10KΩ、20KΩ、 47KΩ、51KΩ、68KΩ、100KΩ、220KΩ、300KΩ、470KΩ、680KΩ、1MΩ)
ブレッドボードの配線例
例えば、ブレッドボードに下図のような電球と抵抗を組合わせた回路を作成した場合
電流の流れは、下の図のようになります。電流は、陽極(+)から陰極(-)へ流れます。
ブレッドボードの回路について
先ほど示した配線例を、回路図で表すと次のような感じになります。
電源(電池)の+側から-側へ、回路が一筆書きになっています。これで回路に電流が流れて、電球(LED)が光るという仕組みです。
抵抗の選び方
青色のLEDを光らせたい!といった場合、どのような回路を組めばよいのでしょうか。
これには、中学校の理科で習った、電圧(V)と電流(I)と抵抗(R)の関係式を使うと使うべき部品が分かります。
オームの法則
\({V}={I}{R}\)という式(オームの法則)から、回路の設計ができます。特に、抵抗は何Ωにすればよいかが計算できます。
LEDを光らせるためには?
単三電池でLEDを光らせたい場合、適切な電圧をLEDにかける必要があります。
電圧が高すぎる場合、LEDは故障してしまいます。電圧を調整するためには【抵抗】を回路の中に組み込む必要があります。
抵抗器を選ぶための計算式
LEDには【電圧:2.2V、 電流:20mA】のように定格が記載されています。
単三電池の電圧は5.0Vです。
電池とLEDの定格から、抵抗を計算します。
抵抗:?Ω
電流:20mA(LEDの定格)
電圧:2.8V(電池5.0V-LED2.2V)
\({V}={I}{R}\)から、\({R}=\frac{V}{I}\)となります。
\({抵抗R}=\frac{2.8(V)}{20(mA)}={140(Ω)}\)
※\({20(mA)}=20×\frac{1}{1000}{(A)}\)
140Ωの抵抗器を回路に組み込めば良さそうです。
ここで、抵抗が140Ωちょうどのものがありません。そのような場合は、少し大きい抵抗のものを選びます。筆者が購入したキットでは150Ωが該当します。
少し大きい抵抗を選ぶ理由は、LEDの定格が2.2Vとして、2.2Vより小さい電圧をかけたる分には故障にはつながらないためです。
※抵抗を直列に繋いだり、並列に繋いだりすることで、理想的な抵抗値とすることは可能です。
参考として、150Ωの抵抗に20mAの電流を流すと、3.0Vとなり、LEDには5.0-3.0=2.0Vの電圧がかかることになります。
プログラミングロボットの回路
筆者が挑戦しているプログラミングロボットの配線は、モーターの制御をおこなうためのパーツがつけられています。モータードライバという名称ですが、回路図は複雑なのでよくわかりません。モーターの回転方向を変えることができるようになるパーツです。
もう一歩で完成というところまで来ました。
おまけ-失敗からの学習-
この記事を書こうと思ったきっかけを、最後にご紹介します。
筆者は、スマホで操作できるプログラミングロボットの作成にチャレンジしています。もう少しで完成と思われたその矢先、電池ボックスが溶けるというハプニングに見舞われ、回路について勉強することにしました。
このようなハプニングが起きた原因は、単三電池を4つ並列につないで使用するうえで、電池の残量が均一でなかったためと思われます。
さて、筆者はプログラミングロボット作成のために、ブレッドボードを使用しています。これは、参考にしている本のとおりに作っているにすぎません。
参考本の通りに作っただけでは、どこかで見落としが発生し、またハプニングが発生するのではないかと感じましたので、今回は、ブレッドボードについて調べてみました。
どなたかの参考になればうれしいです。