【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.72)外ケーブル工法、トンネル

コンクリート診断士 問題と解説Vol.72

【問356_外ケーブル工法】

 ポストテンション方式のプレストレストコンクリート(PC)単純T桁の補強のために実施する外ケーブル工法の施工に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)定着装置を設置するために、鋼材位置を現場で確認しウォータージェットで削孔した。
(2)場所打ちコンクリートにより定着部を構築するにあたり、既設のPC桁の表面をショットブラストで処理した。
(3)PC鋼材の定着方式として、ねじ式よりセットロスの少ないくさび式を選定した。
(4)ケーブルの緊張力の管理に加えて、主桁にコンクリート用ひずみゲージを貼り付け、導入プレストレスを確認した。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。外ケーブル工法の定着装置の付着を確実にするため、ウォータージェットで削孔します。
(2)問題のとおりです。外ケーブル工法の定着装置の付着を確実にするため、既設のPC桁の表面をショットブラストで処理します。
(3)誤りです。くさび式はPC鋼材が定着具に引き込まれて定着されるため、ねじ式に比べてセット量(もどり量)が少ないです。
(4)問題のとおりです。主桁にコンクリート用ひずみゲージを貼り付け、直接導入プレストレスを確認します。

【問357_道路橋】

 単純支持された道路橋において、鉄筋コンクリート床版と鉄筋コンクリート桁の補強工法の選定に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)床版の曲げ耐荷力(耐力)を向上させる目的で、防水シートを設置した後に上面増厚工法を採用した。
(2)床版の押抜きせん断耐荷力(耐力)を向上させる目的で、連続繊維シート接着工法を採用した。
(3)桁の断面力(曲げモーメント)を低減させる目的で、外ケーブル工法を採用した。
(4)桁のせん断耐荷力(耐力)を向上させる目的で、桁下面への鋼板接着工法を採用した。
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正解(3)

(1)誤りです。防水層は、上面増厚した新しいコンクリートの上面に設置し、その上に舗装を施工します。
(2)誤りです。連続繊維シート接着工法は、曲げ耐力を向上させますが、押抜きせん断耐力の向上とはなりません。
(3)問題のとおりです。外ケーブル工法は、桁の曲げモーメントを低減させる目的で用います。
(4)誤りです。桁下面への鋼板接着工法は、せん断耐力を向上させる目的ではなく、曲げ耐力を向上させる目的で用います。

【問358_道路橋】

 鉄筋コンクリート単純桁の主桁に適用する補強対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)桁下面に連続繊維シートを接着し、曲げ補強を行った。
(2)桁側面に連続繊維シートを接着し、せん断補強を行った。
(3)桁下面に外ケーブルでプレストレスを導入し、疲労対策を行った。
(4)桁側面に外ケーブルでプレストレスを導入し、振動対策を行った。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。桁下面への連続繊維シート接着は、曲げ耐力の向上に有効です。
(2)問題のとおりです。桁側面への連続繊維シート接着は、せん断耐力の向上に有効です。
(3)問題のとおりです。桁下面への外ケーブルによるプレストレスの導入は、疲労対策として有効です。
(4)誤りです。桁側面への外ケーブルによるプレストレスの導入は、振動対策として有効ではありません。振動対策には、部材の剛性を向上させる、増厚工法等の対策が有効です。

【問359_道路橋】

 鉄筋コンクリート単純桁橋の変状に対して実施した次の対策のうち、不適当なものはどれか
(1)振動障害が生じていたので、桁および床版の上面に鉄筋を配置してコンクリートを増し打ちした。
(2)振動障害が生じていたので、桁および床版のひび割れにエポキシ樹脂を注入した。
(3)過大なたわみが生じていたので、主桁と平行に桁を増設した。
(4)過大なたわみが生じていたので、桁のスパン中央に橋脚を増設した。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。振動障害の対策では、部材の剛性を向上させる必要があるため、桁および床版の上面に鉄筋を配置してコンクリートを増し打ちする対策は有効です。
(2)誤りです。振動障害の対策では、部材の剛性を向上させる必要があるため、桁および床版のひび割れにエポキシ樹脂を注入する対策は有効ではありません。
(3)問題のとおりです。過大なたわみが生じている場合、主桁と平行に桁を増設し、部材断面を大きくすることで耐力および剛性を向上させます。
(4)問題のとおりです。過大なたわみが生じている場合、桁のスパン中央に橋脚を増設し、支間長を短くすることで、部材に作用する応力を低減させます。

【問360_トンネル】

 道路トンネルにおける覆工コンクリートの定期点検を、「道路トンネル定期点検要領(国土交通省道路局)」に従って実施した。実施した内容に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート表面の近接目視を行うほか、打音検査を併用した。
(2)覆工コンクリートの一部に、モルタルを用いた断面修復による補修が実施されていたので、その断面修復された範囲を除外して打音検査を行った。
(3)覆工コンクリートに、第三者被害を与えるような浮きが発見されたので、直ちにハンマにより浮き部分を撤去した。
(4)変状の発生個所や種類・程度を記録するとともに、前回点検時の状態との差異についても記録した。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。トンネル覆工コンクリートの定期点検では、コンクリート表面の近接目視を行うほか、打音検査を併用します。
(2)誤りです。モルタルを用いた断面修復された範囲も打音検査を行います。
(3)問題のとおりです。覆工コンクリートに、第三者被害を与えるような浮きが発見された場合、直ちにハンマにより浮き部分を撤去して、第三者に被害を与えないように対策を行います。
(4)問題のとおりです。トンネル覆工コンクリートの定期点検では、変状の発生個所や種類・程度を記録するとともに、前回点検時の状態との差異についても記録します。
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