【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.71)維持管理、外ケーブル工法

コンクリート診断士 問題と解説Vol.71

【問351_維持管理】

 道路橋の鉄筋コンクリート床版の疲労による劣化評価に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)床版下面において主筋に沿った一方向のひび割れが数本確認されたが、床版の耐荷力の低下はほとんどないものと判断した。
(2)主鉄筋方向に加えて配力鉄筋方向にもひび割れが進展したので、床版の耐荷力は低下したと判断した。
(3)ひび割れの網細化が進み、ひび割れ幅の開閉やひび割れ面のこすり合わせが認められたので、床版の補強を行う必要があると判断した。
(4)床版断面内にひび割れが貫通しており、ひび割れを通じて雨水が浸透しているので、劣化が急速に進行すると判断した。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。床版下面において主筋に沿った一方向のひび割れが数本確認されても、床版の耐荷力の低下はほとんどありません。
(2)誤りです。主鉄筋方向および配力筋方向の二方向にひび割れが発生しても、耐力の低下は生じません。
(3)問題のとおりです。ひび割れの網細化が進み、ひび割れ幅の開閉やひび割れ面のこすり合わせが認められる場合、床版の補強を行う必要があります。
(4)問題のとおりです。水の影響を受けると、疲労強度は低下します。コンクリート中に浸透する水がない場合よりある場合のほうが、疲労による劣化が生じやすいです。

【問352_維持管理】

 鉄筋コンクリート道路橋の床版部分の疲労による劣化の判定として、次のうち、不適当なものはどれか
(1)床版に作用する変動荷重(応力振幅)のレベルとその繰返し回数から、疲労寿命を判定した。
(2)床版下面に主鉄筋に沿って数本のひび割れが発生していたので、床版の押抜きせん断に対する耐力が低下していると判断した。
(3)ひび割れの網細化が進み、ひび割れの開閉やひび割れ面のこすり合わせが認められたので、補強を行う必要があると判定した。
(4)床版断面内に発生している貫通ひび割れから雨水の浸透が確認されたので、劣化が急速に進行すると判定した。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。床版に作用する変動荷重(応力振幅)のレベルとその繰返し回数から、疲労寿命を判定します。これを、累積損傷度と言います。
(2)誤りです。主鉄筋方向の一方向にひび割れが発生しても、耐力の低下は生じません。
(3)問題のとおりです。ひび割れの網細化が進み、ひび割れ幅の開閉やひび割れ面のこすり合わせが認められる場合、床版の補強を行う必要があります。
(4)問題のとおりです。水の影響を受けると、疲労強度は低下します。コンクリート中に浸透する水がない場合よりある場合のほうが、疲労による劣化が生じやすいです。

【問353_外ケーブル工法】

 橋梁の桁の補強に適用される外ケーブル工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)プレストレストコンクリート桁の場合には、断面内に配置されているPC鋼材の引張応力が増加する。
(2)平面保持の仮定を適用し、曲げ耐力を算定する。
(3)外ケーブルの偏向部では、外ケーブルの疲労破壊に対する検討が必要である。
(4)箱桁の中空部に配置する外ケーブル用PC鋼材は、防せい処理を行わない。
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正解(3)

(1)誤りです。プレストレストコンクリート桁に、外ケーブル工法を適用した場合、外ケーブルが引張応力を分担するため、断面内に配置されているPC鋼材の引張応力は減少します。
(2)誤りです。平面保持の仮定はRC断面のひずみが断面全体で均一になるという過程です。外ケーブル工法を適用した場合の曲げ耐力の算定とは関係ありません。
(3)問題のとおりです。外ケーブルの偏向部では、応力の増減が大きいため、外ケーブルの疲労破壊に対する検討が必要です。
(4)誤りです。外ケーブル用PC鋼材の耐久性を保持するために、防せい処理を行います。

【問354_外ケーブル工法】

 PC桁の補強で使用される外ケーブル工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)偏向部を設置することで、外ケーブルの鉛直分力が考慮できるので、せん断耐力を軽減できる。
(2)PC鋼材の定着では、ねじ式のほうがくさび式より定着の際のもどり量(セット量)が少ない。
(3)プレストレストを導入することで、桁の剛性の向上効果が高い。
(4)コンクリートの強度の回復や劣化抑制に対しては効果がない。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。偏向部を設置することで、外ケーブルの鉛直分力が考慮できるので、せん断耐力を軽減できます。
(2)問題のとおりです。くさび式はPC鋼材が定着具に引き込まれて定着されるため、ねじ式に比べてセット量が多くなります。
(3)誤りです。外ケーブル工法でプレストレスを導入しても、桁の断面が同一であれば、剛性は向上しません。
(4)問題のとおりです。外ケーブル工法はコンクリートの強度の回復や劣化抑制に対しては効果がありません。

【問355_外ケーブル工法】

 劣化したプレストレストコンクリート(PC)桁の補強に適用する外ケーブル工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)PC桁の耐荷力向上よりも剛性向上を目的として用いるのがよい。
(2)外ケーブルの定着体には、弾性係数が高く、収縮の小さいコンクリートを使用するのがよい。
(3)プレストレスの導入は、断面欠損部分を修復して行うのがよい。
(4)外ケーブルの定着体は、PC単純T型桁の場合も支点近傍に設けるのがよい。
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正解(1)

(1)誤りです。外ケーブル工法を適用しても、桁の断面が同一であれば、剛性は向上しません。
(2)問題のとおりです。外ケーブルの定着体には、高い応力が発生する可能性があるため、弾性係数が高く、収縮の小さいコンクリートを使用するのがよいです。
(3)問題のとおりです。プレストレスの導入は、元の断面に圧縮応力が作用することを考慮し、断面欠損部分を修復して行うのがよいです。
(4)問題のとおりです。外ケーブルの定着体は、PC単純T型桁の場合も支点近傍に設けるのがよいです。支点近傍は、桁断面に発生する応力が小さいためです。
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