音声学習用動画のご紹介
このページの内容を、復習用としてご活用いただけるように動画にしました。ぜひご視聴ください。
フライアッシュの内割、外割とは?
フライアッシュを混和剤として使用するコンクリートは、内割り、外割りという表現が使われます。
内割り:セメントの一部をフライアッシュで置換すること
外割り:細骨材の一部をフライアッシュで置換すること
フライアッシュとは?
石炭火力発電でボイラーの出口付近で集塵される、球状の微細粒子です。主成分はSiO2とAl2O3です。
Fly(フライ)=飛ぶ、Ash(アッシュ)=灰
フライアッシュを用いたコンクリートの特徴は、大きく2つ挙げられます。
- コンクリート中のアルカリ成分(水酸化カルシウム)と水和反応し、水和物がコンクリート内部の空隙を充てんし組織がち密化することで、コンクリートの長期強度が増す。
- フライアッシュは球形の超微粒子のため、ベアリング効果により空気連行性が向上する(コンクリートのワーカビリティが向上する。)
なぜ【内割り、外割り】と呼ぶか
前述の通り、フライアッシュをセメントの一部と置換することを”内割り”、細骨材の一部と置換することを”外割り”といいます。呼び方は、『セメントに対して内か外か』で呼び方を変えています。
内割りと外割りの大きな違い
まずは内割りについて
フライアッシュを”内割り”として調合する場合は、結合材(セメント)の一部としてその効果を見込みます。コンクリートの”長期強度を向上させる”という特徴を期待する場合に内割りが使われます。
セメントが水和して硬化する際に、水和熱が発生します。同じようにフライアッシュも水和して硬化する性質があります。
セメントの水和反応とフライアッシュの水和反応はタイミングが異なる(フライアッシュの方が遅い)ため、フライアッシュを用いたコンクリートは、水和熱で温度が一気に上がることを防ぎます。
水和熱を低く抑えることで、コンクリートの温度ひび割れを抑制する効果があります。
次に外割りについて
一方外割りでは、フライアッシュを結合材の一部とみなさないため、強度に関しては、フライアッシュの効果を見込まないため、安全側に評価されます。外割りの場合は、フライアッシュのワーカビリティ向上を目的とした調合の場合に使われます。
細骨材率は、ワーカビリティに大きく関係するため、細骨材との置換率が問題となります。
以上、内割りと外割りについてイメージできましたでしょうか。これで「どっちだったかな?」と迷うことは無くなりそうですね!