【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.14)ASR

コンクリート診断士 問題と解説Vol.14

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問66_アルカリシリカ反応】

 アルカリシリカ反応に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)アルカリシリカ反応は、骨材中の反応性を有するシリカ鉱物がコンクリート中のアルカリ性水溶液と接触することによって生じる。
(2)アルカリシリカ反応は環境条件の影響を受けるが、なかでも水分の供給は劣化を促進させる大きな要因である。
(3)凍結防止(融雪剤)の塩化ナトリウムは、コンクリートの強度を高くする働きがあるため、アルカリシリカ反応を抑制する効果がある。
(4)アルカリシリカ反応により発生するひび割れは、鉄筋量が少なく部材の拘束を受けにくいコンクリート部材表面では亀甲状となる。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応は、コンクリート中のアルカリ成分とアルカリ反応性骨材が化学反応することで、骨材の周りにアルカリシリカゲルが生成されることで生じます。
(2)問題のとおりです。アルカリシリカゲルは、吸水すると膨張する性質を有しているため、その膨張作用により低鉄筋比の部材では、コンクリート表面に亀甲状のひび割れが発生したり、高鉄筋比の部材では主筋方向のひび割れや鉄筋の破断が発生します。
(3)誤りです。塩化ナトリウムはコンクリート中のアルカリ濃度を高めるため、アルカリシリカ反応を促進させます。
(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応が生じると、膨張作用により低鉄筋比の部材では、コンクリート表面に亀甲状のひび割れが発生したり、高鉄筋比の部材では主筋方向のひび割れや鉄筋の破断が発生します。

【問67_アルカリシリカ反応】

 アルカリ骨材反応に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)軸方向鉄筋量の多いコンクリート部材でアルカリ骨材反応が生じると、部材軸と直角方向のひび割れが生じやすい。
(2)常に水に接している部分は、アルカリ骨材反応は生じない。
(3)反応性のある骨材を反応性のない骨材と1:1で混合して用いると、反応性のある骨材を単独で用いた場合の半分の膨張率を示す。
(4)反応性骨材は火山岩だけではなく、堆積岩にも存在する。
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正解(4)

(1)誤りです。低鉄筋比の部材では、コンクリート表面に亀甲状のひび割れが発生したり、高鉄筋比の部材では主筋方向のひび割れや鉄筋の破断が発生します。
(2)誤りです。アルカリシリカ反応は、常に水に接している部分でも生じます。鉄筋の腐食は、水と酸素の両方が必要であるため、常に水に接している部分では進行しにくいことと混同に注意してください。
(3)誤りです。アルカリシリカ反応は、反応性骨材の量と反応性は比例せず、反応性骨材と非反応性骨材を混合したほうが大きな膨張量になることがあります。この反応性骨材の割合のことをペシマム量といいます。
(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応の原因となるシリカを多く含む骨材は、火山岩だけでなく、堆積岩(チャート)があります。

【問68_アルカリシリカ反応】

 フライアッシュによるアルカリシリカ反応の抑制効果に関する次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか
 フライアッシュを混和したコンクリートでは、Ca/Si比の低い(A)が生成される。Ca/Si比が低い(A)ほど、アルカリ金属を(B)しやすく、細孔溶液中のOH濃度は(C)なる。このことがアルカリシリカ反応を抑制する一要因となる。
(A) (B) (C)
(1) C-S-H 固定 低く
(2) C-S-H 解離 高く
(3) エトリンガイト 解離 高く
(4) エトリンガイト 固定 低く
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正解(1)

 フライアッシュは二酸化けい素(SiO2)が主成分です。そのため、Ca/Si比の低いカルシウムシリケート(ケイ酸カルシウム)水和物(C-S-H)が生成されます。これは、アルカリ金属を固定しやすく、アルカリ濃度を低くし、アルカリシリカ反応を抑制します。

【問69_アルカリシリカ反応】

 アルカリ骨材反応に関する次の記述のうち、適当なものの個数はいくつか
①結晶格子の歪んだ石英を含む骨材は、アルカリ骨材反応を起こす可能性がある。
②アルカリ骨材反応により鉄筋コンクリート部材に発生するひび割れは、網目状または亀甲状で方向性は認められない。
③フライアッシュの混合率が高いほど、アルカリ骨材反応によるコンクリートの膨張量は大きくなる。
④反応性骨材の含有量が多いほど、アルカリ骨材反応によるコンクリートの膨張量は大きくなる。
(1)1個 (2)2個 (3)3個 (4)4個
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正解(1)

①問題のとおりです。結晶格子の歪んだ石英を含む骨材は、アルカリ骨材反応を起こす可能性があります。
②誤りです。アルカリ骨材反応により鉄筋コンクリート部材に発生するひび割れは、軸方向鉄筋に沿って発生します。鉄筋がない(低鉄筋比)部材では、亀甲状のひび割れが発生します。
③誤りです。混合セメントを用いることで、水和反応時にアルカリが消費され、アルカリシリカ反応の進行が抑制されます。
④誤りです。アルカリシリカ反応は、反応性骨材の量と反応性は比例せず、反応性骨材と非反応性骨材を混合したほうが大きな膨張量になることがあります。この反応性骨材の割合のことをペシマム量といいます。

【問70_アルカリシリカ反応】

 アルカリ骨材反応に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化は、アルカリシリカゲルが生成する過程とそのゲルが吸水により膨張する過程からなる。
(2)アルカリシリカ反応による膨張の進行は冬季よりも夏季のほうが速い。
(3)鉄筋コンクリートの柱にひび割れが発生する場合、材軸方向のひび割れが顕著となる。
(4)微晶質石英を反応性鉱物とする骨材は、クリストバライトを反応性鉱物とする骨材よりも反応が速い。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化は、アルカリシリカゲルが生成する過程とそのゲルが吸水により膨張する過程からなります。
(2)問題のとおりです。一般に化学反応は温度が高いほど、反応が速くなります。アルカリシリカ反応は、20~80℃の環境においては、温度が高くなるほど膨張が速くなります。
(3)問題のとおりです。アルカリ骨材合反応によるひび割れは、高鉄筋比の部材では、材軸方向のひび割れが顕著となります。一方、低鉄筋比の部材では亀甲上のひび割れとなります。
(4)誤りです。微細な結晶粒や、歪んだ結晶格子をもつ石英が反応性鉱物として含まれるチャートなどの骨材では、膨張が非常にゆっくり進行します。
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