【一級建築士過去問H30_Ⅳ_構造】一日5問!詳しく解説No.1

【一級建築士過去問_Ⅳ_構造】一日5問!詳しく解説

構造_H30_No.7

建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.地震地域係数Zが1.0、振動特性係数Rtが0.9、標準せん断力係数C0が0.2のとき、建築物の地上部分の最下層における地震層せん断力係数Ciは0.18とすることができる。
2.鉄骨造又は木造の建築物の地震力を算定する場合に用いる設計用一次固有周期T(単位 秒)は、建築物の高さ(単位 メートル)に0.03を乗じて算出することができる。
3.地震層せん断力係数Ciの建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiは、建築物の上階になるほど大きくなる。
4.建築物の地上部分におけるある層に作用する地震層せん断力は、その層の固定荷重と積載荷重との和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて算出する。
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【正解(4)】

1.○です。Ci=Z×Rt×Ai×C0=1.0×0.9×1.0×0.2=0.18(※Aiは最下層では1.0)
2.○です。鉄骨造又は木造の建築物の地震力を算定する場合に用いる設計用一次固有周期T(単位 秒)は、建築物の高さ(単位 メートル)に0.03を乗じて算出することができます。鉄筋コンクリート造は0.02を乗じます。
3.○です。地震層せん断力係数Ciの建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiは、建築物の最下層では1.0で、上階になるほど大きくなります。これを、Ai分布といいます。
4.×です。建築物の地上部分におけるある層に作用する地震層せん断力は、その層と、その層より上の固定荷重と積載荷重との総和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて算出します。

構造_H30_No.8

建築物の構造計算に用いる荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.多雪区域において、地震時に考慮すべき積雪荷重は、短期積雪荷重を低減したものを用いる。
2.百貨店の屋上の単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、百貨店の売り場の単位面積当たりの積載荷重と同じとすることができる。
3.単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「床の構造計算をする場合」、「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」のうち、「地震力を計算する場合」が最も大きくなる。
4.一般的な鉄筋コンクリートの単位体積重量は、コンクリートの単位体積重量に、鉄筋による重量増分として1kN/m3を加えた値を用いることができる。
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【正解(3)】

1.○です。多雪区域において、地震時に考慮すべき積雪荷重は、短期積雪荷重に0.35を乗じ、低減したものを用います。これは、地震が発生するタイミングで、積雪量が最大になる確率は低いためです。
2.○です。百貨店の屋上の単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、百貨店の売り場の単位面積当たりの積載荷重と同じとすることができます。
3.×です。単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「床の構造計算をする場合」、「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」のうち、「地震力を計算する場合」は床全体の荷重を平均して考えるため、最も小さくなります。なお、最も大きいのは「床の構造計算をする場合」です。これは、床にかかる局所的な積載荷重を考慮しているためです。
4.○です。鉄筋コンクリートの単位体積重量は、実況により、とくに調査しない場合は、コンクリートの単位体積重量に、鉄筋による重量増分として1kN/m3を加えた値を用いることができます。

構造_H30_No.9

木造軸組み工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.風による水平力に対して必要な各階の耐力壁の量を、建築物の各階の床面積に所定の数値を乗じて得られた量以上とした。
2.地盤が著しく軟弱な区域として指定されている区域内の建築物ではなかったので、標準せん断力係数C0を0.2として、地震力を算定した。
3.軸組の両面に同じ構造用合板を1枚ずつ釘打ちした耐力壁の倍率を、軸組の片面に同じ構造用合板を1枚釘打ちした耐力壁の倍率の2倍とした。
4.引張力のみを負担する筋かいとして、厚さ1.5cmで幅9cmの木材を使用した。
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【正解(1)】

1.×です。風による水平力に対して必要な各階の耐力壁の量は、風を受ける外壁面の見付面積に、その地域に規定された数値を乗じて求めます。
2.○です。一次設計では、標準せん断力係数C0を0.2として、地震力を算定します。必要保有水平耐力を計算する、二次設計では、C0を1.0として、地震力を算定します。なお、地盤が著しく軟弱な地域で、木造建築物の場合では、一次設計では、標準せん断力係数C0を0.3以上としなければなりません。
3.〇です。軸組の両面に同じ構造用合板を1枚ずつ釘打ちした耐力壁の倍率を、軸組の片面に同じ構造用合板を1枚釘打ちした耐力壁の倍率の2倍とできます。ただし、片面に同じ構造用合板を2枚重ねた場合は耐力壁の倍率を2倍とすることはできません。なお、壁倍率の上限は5倍です。
4.○です。引張力のみを負担する筋かいとして、厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材を使用します。また、圧縮力と引張力の両方を負担する筋かいは、厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材を用います。

構造_H30_No.11

鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.地震時に水平力を受けるラーメン架構の柱の曲げひび割れは、一般に、柱頭及び柱脚に発生しやすい。
2.柱の軸方向の圧縮耐力は、一般に、帯筋によるコンクリートの拘束の度合いが大きいほど大きくなり、最大耐力以降の耐力低下の度合いも緩やかになる。
3.柱は、一般に、同じ断面の場合、内法高さが小さいほど、せん断耐力が大きくなることから、塑性変形能力は向上する。
4.柱梁接合部のせん断耐力は、一般に、柱に取り付く梁の幅を大きくすると大きくなる。
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【正解(3)】

1.〇です。地震時に水平力を受けるラーメン架構の柱の曲げひび割れは、一般に、柱頭及び柱脚に発生しやすいです。
2.○です。柱の軸方向の圧縮耐力は、一般に、帯筋によるコンクリートの拘束の度合いが大きいほど大きくなり、最大耐力以降の耐力低下の度合いも緩やかになります。つまり、帯筋によるコンクリートの拘束が大きいほど、靭性(粘り強さ)が大きくなります。
3.×です。柱は、一般に、同じ断面の場合、内法高さが小さいほど、せん断耐力が大きくなりますが、曲げ破壊ではなくせん断破壊が生じやすくなることで、塑性変形能力は低下します。
4.○です。柱梁接合部のせん断耐力は、一般に、柱に取り付く梁の幅、柱のせいを大きくすると大きくなります。なお、柱梁接合部のせん断耐力は、鉄筋量は影響しません。

構造_H30_No.12

鉄筋コンクリート構造の鉄筋の付着に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリートの設計基準強度が高いほど長くなる。
2.折曲げ定着筋の標準フックの必要余長は、折曲げ角度が小さいほど長くなる。
3.引張鉄筋の必要定着長さは、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合より、横補強筋で拘束されていない部分に定着する場合のほうが長くなる。
4.純ラーメン構造の柱梁接合部内に通し配筋定着する梁については、地震時に梁端に曲げヒンジを想定する場合、梁主筋の引張強度が高いほど、必要性能を確保するために必要となる柱せいは大きくなる。
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【正解(1)】

1.×です。梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリートの設計基準強度が高いほど短くなります。コンクリートの強度が高いほど、鉄筋の単位表面積あたりの付着強度が大きくなるためです。
2.○です。折曲げ定着筋の標準フックの必要余長は、折曲げ角度が小さいほど長くなります。180°では4d以上、135°では6d以上、90°では8d以上が一般的です。
3.○です。引張鉄筋の必要定着長さは、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合より、横補強筋で拘束されていない部分に定着する場合のほうが長くなります。横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合のほうが、拘束力により。付着破壊を起こす可能性が低くなるためです。
4.○です。純ラーメン構造の柱梁接合部内に通し配筋定着する梁については、地震時に梁端に曲げヒンジを想定する場合、梁主筋の引張強度が高いほど、必要定着長さが長くなるため、必要となる柱せいは大きくなります。
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