第3種地盤とは?
ざっくりいうと【軟弱で、固有周期が長い地盤】です。
- 第1種地盤=固い地盤
- 第2種地盤=普通の地盤
- 第3種地盤=軟らかい地盤
正確には、以下のように定められています。
第1種地盤 岩盤、砂質砂れき層その他主として第3紀以前の
地層によって構成されているもの又は地盤周期等についての調査若しくは
研究の結果に基づき、これと同程度の地盤周期を有するとみとめられるものTc=0.4 第2種地盤 第1種地盤及び第3種地盤以外のもの Tc=0.6 第3種地盤 腐食土、泥土その他これらに類するもので大部分が
構成されている沖積層(盛土がある場合においてはこれを含む。)で、
その深さがおおむね30メートル以上のもの、泥沢、泥海等を埋め立てた
地盤の深さがおおむね3メートル以上であり、かつ、これらで埋め立てられてから
おおむね30年経過していないもの又は地盤周期等についての調査若しくは
研究の結果に基づき、これらと同程度の地盤周期を有するとみとめられるものTc=0.8 引用元:国土交通省 告示 昭55建告第1793号第2
地盤の種別は「振動特性係数Rt」を算出する際に必要
建築基準法施行令第88条で定められている地震力の算定式は以下です。
$$Ci=Z R_t Ai C_o$$
Ciが建物の各層に加わる地震力の強さですが、RtとCiは比例関係にあることがわかります。すなわち、振動特性係数Rtの値が大きければ、建物が受ける地震力も大きくなるということです。
詳しく知りたいという方は、下記の書籍が参考になります。
建築物の構造関係技術基準解説書〈2015年版〉の中の第5章 地震力
建物の固有周期Tと地盤の固有周期TcからRtを決める
T<Tcの場合 | Rt=1 |
Tc≦T<2Tcの場合 | Rt=0.2(T/Tc-1)2 |
2Tc≦Tの場合 | Rt=1.6Tc/T |
$$T=h(0.02+0.01α)$$
T:建物の固有周期
h:建築物の高さ(m)
α:建築物のうち柱および梁の大部分が木造又は鉄骨造である階(地階を除く。)の高さの合計のhに対する比
引用元:国土交通省 告示 昭55建告第1793号第2
建物の固有周期と地盤の固有周期を比較し、その固有周期が近い場合は共振し、揺れが大きくなる(Rtの値が大きくなり、建物に加わる地震力Ciが大きくなる)ということです。
また、軟らかい第3種地盤の方が硬い第1種地盤よりも広い範囲の周期で、Rtが大きい値をとっているということがわかります。地盤が軟らかいことによって建物が受ける地震力が大きくなってしまうということが言えます。