コンクリートコア供試体の<圧縮>強度
コンクリートの強度=圧縮強度のことを差します。コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度で、構造計算上の耐力にも、コンクリートの引張強度は算入しません。
JIS(JIS A 1107)によるコア供試体の規格
JIS(日本工業規格)では、コア供試体の企画が定められています。特に、寸法の決まりは細かく定められていますので、このページでご紹介いたします。
コアの採取時期
- 材齢14日以降
- 圧縮強度15N/mm2
コアの直径(d)
- 粗骨材の最大寸法の3倍以上
- コア供試体の上下高さの 1/4 付近及び高さの中央付近で、互いに直交する 2 方向の直径を 0.1 mm まで測定し、その平均値を供試体の平均直径とする
コアの高さ(h)
- 4箇所で0.1mmまで測定し、最大値と最小値の平均値を供試体の平均高さとする
- コアの平行度は平均高さ±1.0mm以下とする。(※並行度:平均高さと最大高さおよび最小高さの差)
直径と高さ
- 高さと直径の比(h/d)は1.90~2.10、それ以外は補正係数kを強度に乗じる
- h/dは1.00を下回ってはいけない
高さと直径の比(h/d) | 補正係数k |
2.00 | 1.00 |
1.75 | 0.98 |
1.50 | 0.96 |
1.25 | 0.93 |
1.00 | 0.87 |
※補正係数kの補完の仕方 例:h/d=1.21 のとき
0.87+(0.93-0.87)×0.21/0.25=0.92 となる
コアの形状
- コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度が90°±0.5°になるように整形する
- コア供試体の両端面の平面度は、直径の0.05%以内
試験方法
- コア供試体は試験のときまで20±2℃の水中に40時間以上漬けておくと、試験時に供試体の乾湿の条件をほぼ一定にすることができる
最後に
筆者は、実験で、コンクリートの供試体を圧縮試験機にかけて、圧縮強度を測定したことがあります。
圧縮する際に力を加える速度が速すぎると、実強度よりも強く測定されてしまうことや、コンクリートが整形されていないと思わぬひびが入り、実強度よりも低く測定されてしまうなど、コツやノウハウが必要だったことを覚えています。
実務上では第三者機関に圧縮強度試験を委託すると思いますので、上記のような問題は起きないと思いますが、100%確実な強度を測定できるわけではないということを覚えておくと、役に立つかもしれません。