【塩化ナトリウムと塩化カルシウムの違い】凍結防止剤と融雪剤

診断士

NaCl(塩化ナトリウム)=凍結防止剤

いわゆる”食塩”のことです。塩化ナトリウム水溶液の凝固点は-20℃程度となり、雪が降る前に撒いておくことで、路面の凍結を防ぎます。値段が安価であり、持続力が高いため、凍結防止剤として広く使われていますが、コンクリートの塩害をもたらす原因ともなります。(塩害については、こちらのページを参考にしてください。)

CaCl2(塩化カルシウム)=融雪剤

塩化カルシウムは凝固点を-50℃程度まで下げる作用があります。除雪効果が高く、数分で効果が表れることから、雪が積もった道路などに撒く用途として広く使われています。注意点として、塩化カルシウムは水分と反応することで発熱します。素手で触ると、手の水分と発熱反応を起こしてやけどを起こす危険性があります。

塩化ナトリウムと塩化カルシウムの違いは、診断士試験で過去問としても登場しております。

診断士2017年過去問No.10

【問題文】凍結融解環境下では、コンクリートに( A )が供給されると毛細管内の水の( B )の影響等により未凍結水量が増加し、さらに浸透圧の増加によって凍害による劣化の進行が促進されることがある。また、凍害で劣化したコンクリートでは( A )が侵入しやすくなり細孔内の( C )にともなってアルカリシリカ反応が促進されることがある。

(A) (B) (C)
(1) NaCl 昇華 浸透圧の増加
(2) NaCl 凝固点降下 pHの上昇
(3) CaCl2 凝固点降下 pHの上昇
(4) CaCl2 昇華 浸透圧の増加

答えは(2)です。凍結防止剤として撒かれた塩化ナトリウムがコンクリートに対してどのような影響を与えるかを記述した問題でした。

診断士2017年過去問No.26改

【問題文】寒冷地域の内陸部に位置する道路橋の鉄筋コンクリート橋台の部位について、湿潤状態のA部と乾燥状態のB部において予想されるコンクリート表面近傍の塩化物イオン濃度および中性化深さの大小関係を示す(1)~(4)の組合せのうち、適当なものはどれか。

塩化物イオン濃度 中性化深さ
(1) 部位A > 部位B 部位A > 部位B
(2) 部位A > 部位B 部位B > 部位A
(3) 部位B > 部位A 部位A > 部位B
(3) 部位B > 部位A 部位B > 部位A

答えは(2)です。積雪寒冷地の内陸部では、冬季に凍結防止剤が道路に撒かれます。部位Aは上部から塩化ナトリウムが溶解した雨水の影響から、塩化物イオン濃度が高いことが予想されます。部位Bは乾燥しており、空気中の酸化炭素の影響により中性化が促進されます。

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