コンクリート診断士試験 問題と解説
コンクリート診断士過去問【2013年―問題11】
コールドジョイントを発生させないコンクリートの打込み計画を立案するために、コンクリートの凝結時間を測定した。凝結時間の測定方法に関する次の記述のうち、JISA1147:2007(コンクリートの凝結時間試験方法)に照らして、不適当なものはどれか。
(1)試験に用いる試料は、採取したコンクリート試料を公称目開き4.75mmの網ふるいでふるったモルタル分とした。
(2)貫入試験は、試料の表面に発生したブリーディング水を取除かずに行った。
(3)貫入抵抗値が3.5N/mm2になるまでの時期を、コンクリートの始発時間とした。
(4)貫入抵抗値が28.0N/mm2になるまでの時期を、コンクリートの終結時間とした。
クリックで【診断士試験2013年―問題11】の解答と解説をみる
正解(2)
JISA1147(コンクリートの凝結時間試験方法)について
・公称目開き4.75mmの網ふるいでふるったモルタル分とする。
・試料のモルタルは、ハンドスコップで練り直して十分均一なものとし、容器の軸にほぼ対称となるように、一層で入れる。
・容器に入れた試料の上面を突き棒でならし、約1000mm2について1回の割合で突くものとする。この割合で突いて材料の分離を生じるおそれがあるときには、分離を生じない程度に突き数を減らす。突き終わった後、容器の側面を軽くたたいて突き穴をなくし、上面を容器の上端より約10mm低くなるようにならす。試料の表面は、最小の作業で平滑な面となるように、こてでならす。
・試料を入れた容器を振動しないような水平な台又は床の上に置き、容器から水分が蒸発しないような適切なふたをする。試験中は、ブリーディング水を吸い取るとき、及び貫入試験を行うときを除き、常にふたをしておく。
・ブリーディング水がある場合には、貫入試験を行う直前に、試料の表面のブリーディング水をピペット、その他の適切な器具を用いて吸い取る。なお、ブリーディング水を取除く際は、貫入試験を行う約2分前に、厚さ約30mmのブロックなどを容器の底部片側に挟んで容器を注意深く傾けて置く。ブリーディング水を取り除いた後、振動を与えないように注意して容器を元の状態に戻す。
・試料の硬化状態に応じて適切な断面積をもつ貫入針を選び、貫入抵抗試験装置に取り付ける。貫入針を試料中に注意深く鉛直下方に25mm貫入させる。貫入の深さは、貫入針につけた刻印で確かめる。貫入に要する時間は、約10秒とする。
・貫入試験を行った時刻及び貫入に要した力(N)を、装置から読みとって記録する。
・貫入に当たっては、前の貫入試験で乱された部分を避けて貫入させるように注意する。貫入針の針跡の純間隔は、用いる貫入針の直径の2倍以上で、かつ、15mm以上でなければならない。また、貫入針と容器側面との純間隔は、25mm以上とする。
・求めた貫入抵抗値が28.0N/mm2を超えるまで貫入試験を続行する。貫入試験は、貫入抵抗値28.0N/mm2が得られるまで少なくとも6回行わなければならない。
・測定場所の温度及び湿度は、試験中適宜測定する。
以上です。