【有スランプコンクリートとは?】コンクリートの呼び方による比較

主任技士

音声学習用動画のご紹介

このページの内容を、通勤や運動をしながら学べるよう、音声動画を作成しました。ぜひ、ご視聴ください。

 

ダムコンクリートとは?

コンクリートにはさまざまな呼び名がありますが、ここでは建築屋にはあまり馴染みのないコンクリートの呼び方とその特徴についてまとめたいと思います。

コンクリート主任技士の過去問を例にしていきます。

過去問H30-No.19

下図は、一般のコンクリート、転圧コンクリート舗装(RCCP)用コンクリート、水中不分離コンクリート、高強度コンクリート、ダムコンクリート(有スランプ内部コンクリート)の配(調)合を容積百分率で示したものである。下図のa~dのうち、転圧コンクリート舗装(RCCP)用コンクリートの配(調)合として、適当なものはどれか

(1)a
(2)b
(3)c
(4)d

正解 (3)c

解説

まず、RCCP用コンクリートは単位水量が少ない点に着目し、aかcに絞ります。これでダムコンクリートかRCCP用コンクリートかの2択になります。

つぎに、骨材の量を見ると、aは粗骨材の量が多く、細骨材の量が少ないことから、最大粗骨材寸法の大きいコンクリートを使用しているダムコンクリートであることが分かります。よって、答えはcとなります。

また、水中不分離コンクリートは薬剤を多く配合するため、単位水量が大きいことが特徴です。

高強度コンクリートは、セメント量を多くし、単位水量を少なくするため、流動性を確保するために細骨材の割合が大きくなることが特徴です。

詳細な解説

問題文にあるコンクリートの特徴を以下にまとめます。ここで、イメージがしやすいように各コンクリートの概要を示します。

一般のコンクリート:普通コンクリート(主として普通骨材を使用し、気乾単位容積質量がおおむね2.1~2.5t/m3の範囲のコンクリート)
(参考:JASS5-1.6用語)

転圧コンクリート舗装用コンクリート:RCCP(=Roller Compacted Concrete Pavement)土木工事で早期交通解放が必要な場合に用いられる(養生期間5日程度)コンクリートです。単位水量が少なく、超硬練りのコンクリートを振動ローラーやタイヤローラーなどのアスファルト舗装施工機械で締固めます。

水中不分離コンクリート:水中で自由落下させても分離しにくく、主に海洋土木工事や河川工事に利用されるコンクリートです。コンクリートに水中不分離混和剤を添加することで、水中分離抵抗性を高めています。
(水中不分離混和剤:パルプ(木材)などを原料とするセルロース材料)

高強度コンクリ―ト:設計基準強度が36N/mm2を超えるコンクリート
(参考:JASS5-1.6用語)

ダムコンクリート:粗骨材の最大寸法が大きく、RCD工法の場合80mm、有スランプコンクリートの場合150mm程度以下で、粗骨材率が大きくなる傾向があります。

ダムの施工方法:日本で造られるダムの施工方法には主流なものとしてRCD工法(Roller Compacted Dam-Concrete)があります。この工法ではセメントの量を少なくした超硬練りのコンクリート(スランプ値が0)が使われます。面上に施工するため、大型の振動ローラー等で大量打設が可能な合理化施工法です。
もう一つの合理化施工法として拡張レヤ工法があります。面上に施工する点は同じですが、スランプがゼロでない(いわゆる普通の)コンクリートを使用し、バイブレーターを用いて締め固める工法です。

有スランプ内部コンクリート:上記のRCD工法で用いられるスランプゼロのコンクリートに対して、拡張レヤコンクリートで用いられるコンクリートはスランプを有する(いわゆる普通の)コンクリートのため、ダムコンクリートの中で”有スランプ”と呼ばれているようです。

呼び名 特徴 単位水量 水セメント比 細骨材率
一般のコンクリート 普通 185kg以下 65%以下 40~50%程度
転圧コンクリート
舗装用コンクリート
超硬練り 100kg前後 35%程度 40~50%程度
水中不分離性
コンクリート
単位水量が大きい 220kg程度 55%以下
高強度コンクリート 単位セメント量が大きい 185kg以下 40%以下目安
有スランプコンクリート 細骨材率が小さい
(最大粗骨材寸法が大きい)
100~110kg程度 25~30%程度

用語の追加説明(参考:JASS5)

単位水量:コンクリートのスランプと密接な関係があります。単位水量が大きいとスランプが大きくなります。

水セメント比:コンクリートの圧縮強度と一定の関係にあります。

細骨材率:コンクリートの施工性(ワーカビリティ)に影響を与えます。

細骨材率が小さすぎる場合:ガサガサのコンクリートになる。粗骨材とモルタル分とが分離しやすくなります。
細骨材率が大きすぎる場合:単位セメント量および単位水量を大きくする必要があります。流動性の悪いコンクリートとなります。

以上、過去問からいろいろな知識が得られました。勉強頑張りましょう!

タイトルとURLをコピーしました