【地盤定数】の決め方

建築士

杭の設計や、地盤の応答変位計算をする際に、計算で直接必要な値が分からない場合や、定数同士の関係性を崩さずに、他の地盤について検討したいというときの参考となればと思い、この記事をまとめます。
※必ず引用元を記載します。

N値が0の場合、設計用の地盤定数はどう求めたらよいか・・・

例えばE0

$$E_{0}=2G(1+\nu)=2(1+\nu)\rho{V_{S}}^2$$

cuは?

$$c_{u}=0.5×q_{u}=0.5×(40+N)=20$$

といった計算方法があります。

VSが1.5倍になると・・・

$$G_{0}=\frac{\gamma_{t}}{g}{V_S}^2$$

の関係から、E0とGは1.5×1.5=2.25倍になると推定できます。

では、具体的な計算式をまとめていきます。

G0:土の初期せん断剛性の求めかた

$$G_{0}=\frac{\gamma_{t}}{g}{V_S}^2$$

G0:初期せん断剛性(kN/m2
VS:せん断波速度(m/s)
γt:土の単位体積重量(kN/m3
g:重力加速度(m/s

※\(\frac{\gamma_{t}}{g}\)は密度\(\rho\)(kg/m3)で与えられている場合もあります。その場合は\(G_{0}=\rho{V_S}^2\)

引用元:『設計用地盤定数の決め方-土質編-』地盤工学会

PS検層の結果が無い場合のVSの求め方

$$V_{S}=80N^{\frac{1}{3}}(砂質土、N≦50)$$
$$V_{S}=100N^{\frac{1}{3}}(粘性土、2≦N≦50)$$
$$V_{S}=23{q_{u}}^{0.36}(粘性土、N<2)$$

N:標準貫入試験によるN値
qu:一軸圧縮強さ(kN/m2

引用元:『道路橋示方書,Ⅴ耐震設計編』日本道路協会

ポアソン比νの求め方

$$\nu=\frac{1-2(\frac{V_{S}}{V_{P}})^2}{2(1-(\frac{V_{S}}{V_{P}})^{2})}$$

VS:せん断波速度(m/s)
VP:縦波速度(m/s)

引用元:『設計用地盤定数の決め方-土質編-』地盤工学会

初期変形係数E0の求め方

E0を算出する方法は2通りあります。

$$E_{0}=700N$$
E0:初期変形係数(kN/m2
N:標準貫入試験によるN値

引用元:『建築基礎構造設計指針』日本建築学会

$$E_{0}=2G(1+\nu)=2(1+\nu)\rho{V_{S}}^2$$

引用元:『設計用地盤定数の決め方-土質編-』地盤工学会

せん断剛性Gの求め方

$$G=\frac{E}{2(1+\nu)}$$

引用元:フックの法則

土のせん断強さτfの求め方

$$\tau_{f}=c_{u}+\sigma・\tan{\phi}$$

τf:せん断強さ(kN/m2
cu:粘着力(kN/m2
σ:せん断面に垂直な応力(kN/m2
φ:内部摩擦角(°)

N値による強度定数の推定値

推定式 備考
qu=12.5N Terzaghi&Peck
qu=40+N 大崎
cu=0.5×qu クーロン
\(φ=\sqrt{15N}+15\) 国交省
\(φ=\sqrt{20N}+15\) 大崎

qu:粘性土の一軸圧縮強さ(kN/2
cu:粘着力(kN/2
φ:内部摩擦角(°)

引用元:『使える土木工学』山海堂

変形係数Eの関係式

$$E_P=700N$$
$$E_S=3E_P=3E_C=2100N$$

EP:孔内水平載荷試験から得られる変形係数
ES:平板載荷試験から得られる変形係数
EC:一軸、三軸圧密試験から得られる変形係数

引用元:『設計用地盤定数の決め方-土質編-』地盤工学会

以上、他にもまだまだありますが、今回はここまでとします。

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