現金過不足の処理
現金過不足(げんきんかふそく)の処理は、決算整理※1を行う際、原因が分からない現金の過不足を雑損(費用)または雑益(収益)として処理することです。
※1決算整理とは、1年ごとに行う決算を行う際に、現金の過不足の処理や貸倒引当金の設定を行い、当年分と翌年分の処理を振り分ける処理です。
決算:会社が、会計期間(通常1年)ごとに決算日を設けて、会計期間ごとの経営成績、資産や負債の状況をまとめることを言います。
現金過不足の処理の例-雑損-
決算において、現金過不足(借方)が50円あった場合を考えます。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 600 | |||||||
現金過不足 | 50 | |||||||
雑( ) |
1.雑損または雑益の勘定科目欄への記入
試算表の借方(左側)に、現金過不足が記入されているため、雑損(費用)として処理をします。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 600 | |||||||
現金過不足 | 50 | |||||||
雑(損) |
雑損の修正記入欄への計上
つぎに、修正記入欄に金額を記入していきます。勘定科目の「雑損」は、試算表の現金過不足と同じ貸方に記入します。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 600 | |||||||
現金過不足 | 50 | |||||||
雑(損) | 50 |
現金過不足の修正記入欄への計上
勘定科目「現金過不足」の修正記入欄には、雑損として計上した借方50円を相殺するように、貸方に50円を記載します。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 600 | |||||||
現金過不足 | 50 | 50 | ||||||
雑(損) | 50 |
3.損益計算書と貸借対照表の欄への記入
- 修正記入欄に金額を記入後、損益計算書欄と貸借対照表欄に金額を記入します。
- 現金(資産)は、試算表欄の借方600円をそのまま貸借対照表欄の借方に600円と記入します。
- 雑損が発生した場合は、修正記入欄の借方50円をそのまま損益計算書欄の借方に50円と記入します。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 600 | 600 | ||||||
現金過不足 | 50 | 50 | ||||||
雑(損) | 50 | 50 |
それぞれの勘定科目(同じ行)に、2回ずつ同じ金額が記入されるような形となります。
以上、決算整理における精算表の作成時に、現金過不足が発生した場合の記入例を学習しました。