【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.6)変色、ひび割れ

コンクリート診断士 問題と解説Vol.6

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問26_変色】

 コンクリートの汚れに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)雨水が当たる部分では、当たらない部分に比べて早期に汚れが発生しやすい。
(2)コンクリート表面に付着した藻類や藻類の遺骸が栄養となり、かび類が繁殖する。
(3)栄養物を持っていないpHの高い新鮮なコンクリート表面では、かび類の繁殖は少ない。
(4)藻類や、かび類などの微生物による汚れは、長期的には雨水の作用により自然に消えることが多い。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。雨水が当たる部分では、当たらない部分に比べて、藻類やかび類などの汚れが早期に発生しやすくなります。
(2)問題のとおりです。コンクリート表面に付着した藻類や藻類の遺骸が栄養となり、かび類が繁殖して、コンクリート表面に汚れが生じます。
(3)問題のとおりです。かび類の栄養は、藻類や藻類の遺骸です。コンクリート打設直後のpHが高い状態では、高アルカリ性のため、藻類やかび類の繁殖は少なくなります。
(4)誤りです。藻類やかび類などの微生物による汚れは、雨水の作用により自然に消えることはありません。

【問27_変色】

 A~Dのコンクリート表面の汚れまたは変色と発生要因(ア)~(エ)の組合せとして、次のうち、適当なものはどれか
(A)褐色の汚れ
(B)黄土色の変色
(C)白色の汚れ
(D)黒色の汚れ
(ア)骨材に含まれる黄鉄鉱
(イ)エフロレッセンスの析出
(ウ)真菌類の付着
(エ)硫酸イオンによる浸食
A.褐色の汚れ B.黄土色の変色 C.白色の汚れ D.黒色の汚れ
(1) (ア) (イ) (ウ) (エ)
(2) (ア) (エ) (イ) (ウ)
(3) (イ) (ウ) (ア) (エ)
(4) (エ) (ウ) (イ) (ア)
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正解(2)

(A)褐色の汚れは、(ア)骨材中の黄鉄鉱(FeS2)と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が反応し、せっこう(CaSO4)と2価の水酸化鉄(黒さび:Fe(OH)2)を生じ、さらに3価の水酸化鉄(赤さび:Fe(OH)3)が溶出したものです。
(B)黄土色の変色は、下水管などの汚水に含まれる(エ)硫酸イオンが原因です。
(C)白色の汚れは(イ)エフロレッセンスで、水酸化カルシウムやアルカリ成分の析出および炭酸化によるものです。
(D)黒色の汚れは、(ウ)真菌類の付着によって生じたものです。

【問28_変色】

コンクリートの表面の変状に関する記述のうち、適当なものはどれか

(1)コンクリート表面に繁殖した藻類や真菌類などが死滅すると、黒色や茶色の汚れとなる。
(2)一次エフロレッセンスが発生すると、コンクリート表面近くの細孔溶液中の水酸化カルシウムの濃度は、発生していない箇所より高くなる。
(3)火害を受けたコンクリートの表面は、受熱温度が600℃に達するまで変色しない。
(4)雨が流れやすいパラペットの壁面では、コンクリート表面に汚れが付着しない。
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正解(1)

(1)問題のとおりです。コンクリート表面に繁殖した藻類や真菌類などが死滅すると、黒色や茶色の汚れとなります。
(2)誤りです。一次エフロレッセンスは、コンクリート表面近くの水酸化カルシウムを消費するため、その濃度は低くなります。
(3)誤りです。コンクリートは300℃以上の加熱により変色します。
(4)誤りです。雨が流れやすいパラペットの壁面では、乾湿の繰返しにより、汚れが発生しやすくなります。

【問29_ひび割れ】

 鉄筋コンクリート部材におけるひび割れについて、ひび割れの発生要因をひび割れの発生時期が早い順に並べた(1)~(4)の組合せのうち、適当なものはどれか
ひび割れ発生時期
早い 中間 遅い
(1) 塩化物イオンの浸透による
内部鋼材のさび
コンクリートの自己収縮 アルカリ骨材反応
(2) アルカリ骨材反応 コンクリートの沈下・
ブリーディング
凍害
(3) コンクリートの乾燥収縮 塩化物イオンの浸透による
ブリーディング
コンクリートの沈下・
ブリーディング
(4) コンクリートの沈下・
ブリーディング
セメントの水和熱 中性化による内部鋼材のさび
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正解(4)

(早い)コンクリートの沈下・ブリーディングは打設直後に発生します。
(中間)セメントの水和熱による温度ひび割れは、打設後一カ月程度以内で発生します。
(遅い)アルカリ骨材反応の発生は遅いです。アルカリ骨材の反応性を調べるモルタルバー法は、26週の養生を要します。凍害、中性化によるひび割れの発生も遅いです。

【問30_ひび割れ】

 鉄筋コンクリート梁部材(梁高700mm)の側面に、コンクリート打込み後2週間の時点でひび割れが発生していることが確認された。このひび割れの発生要因として、次のうち不適当なものはどれか
(1)セメントの水和熱
(2)コールドジョイント
(3)支保工の沈下
(4)アルカリ骨材反応
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正解(4)

(1)問題のとおりです。セメントの水和熱によるひび割れは、打設後1か月程度以内で発生します。コンクリートの水和熱は打設後1~2日で大きくなります。そして、その後の温度下降により温度応力が発生し、ひび割れが生じるため、打込み後2週間の時点でひび割れが発生する可能性があります。
(2)問題のとおりです。コールドジョイントは、コンクリート打設時の凝結が早いことにより発生します。打設時にコールドジョイントが発生するので、打込み後、2週間の時点で、ひび割れとして確認される可能性があります。
(3)問題のとおりです。支保工の沈下は、コンクリート打設時の荷重により生じます。そのため、コンクリート打込み後2週間時点でひび割れとして確認される可能性があります。
(4)誤りです。アルカリ骨材反応によるひび割れは、長期になります。アルカリ骨材反応性を調べるモルタルバー法においても養生期間を26週としています。
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