【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.81)総合問題9

コンクリート診断士 問題と解説Vol.81

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問391_ひび割れ】

 夏期に露天で施工する、床コンクリートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)夏期に露天で施工する床面のコンクリート表面は、打込み直後から日射や高い気温により表面の乾燥が進みやすく水和反応の進行が早い。
(2)夏期に露天で施工する床面のコンクリート表面は、表面の乾燥が進みやすく水和反応の進行が早いため、ブリーディングが収束する前の金ゴテ仕上げが困難になる。
(3)ブリーディングが収束する前に金ゴテ仕上げを行うと、床コンクリート表面直下に存在する水分が多くなる。
(4)表面直下に存在する水分が多いコンクリートが冬期に凍結融解作用を受けることによりポップアウトが生じる。
クリックで【問題390】の解答と解説をみる

正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。夏期に露天で施工する床面のコンクリート表面は、打込み直後から日射や高い気温により表面の乾燥が進みやすく、水和反応の進行が早くなります。
(2)〇:問題のとおりです。夏期に露天で施工する床面のコンクリート表面は、表面の乾燥が進みやすく水和反応の進行が早いため、ブリーディングが収束する前の金ゴテ仕上げが困難になります。
(3)〇:問題のとおりです。ブリーディングが収束する前に金ゴテ仕上げを行うと、表面直下に存在する水分が多くなります。
(4)×:誤りです。表面直下に存在する水分が多いコンクリートが、冬期に凍結融解作用を受けることによりスケーリングが生じるます。ポップアウトは骨材の吸水率が大きい場合に、冬期に凍結融解作用を受けることにより生じます。

【問392_白色析出物】

 土壌に接する基礎・外壁コンクリートからの白色析出物に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)コンクリート中のカルシウムが空気と触れて生成される白色析出物の主成分は、水酸化カルシウムである。
(2)土壌中の硫酸塩が水分とともに吸い上げられ、コンクリート表面で蒸発する際に析出される白色析出物の主成分は、硫酸カルシウムである。
(3)土壌中の硫酸塩が水分とともに吸い上げられ、コンクリート表面で蒸発する際に析出される硫酸ナトリウムの結晶圧によりコンクリート表面がハクリし、劣化を生じる場合がある。
(4)白色析出物が炭酸カルシウムか硫酸ナトリウムのいずれかと推測されたため、特定するために無水エタノールをかけたところ白色析出物が溶けて消失したため、硫酸ナトリウムであると判断した。
クリックで【問題392】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)×:誤りです。コンクリート中のカルシウムが空気と触れて生成される白色析出物の主成分は、炭酸カルシウムです。
(2)×:誤りです。土壌中の硫酸塩が水分とともに吸い上げられコンクリート表面で蒸発する際に析出される白色析出物の主成分に、硫酸ナトリウムがあります。
(3)〇:問題のとおりです。基礎の立上りコンクリート等では水分とともに吸い上げられた硫酸ナトリウムが乾燥し、結晶化する際の結晶圧によりコンクリート表面がはく離し、劣化を生じる場合があります。
(4)×:誤りです。炭酸カルシウムか硫酸ナトリウムのいずれかと推測されたため、特定するために水をかけます。硫酸ナトリウムは水をかければ消失することが多く、炭酸カルシウムは水に溶けません。

【問393_白色析出物】

 鋼単純桁I桁橋のRC床版における、ひびわれに関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)合成桁で設計された鋼単純I桁では、ジベルにより床版コンクリートの変形が拘束される。
(2)ジベルにより床版コンクリートの変形が拘束され、乾燥収縮や温度変化に伴う橋軸方向の変形が拘束され、床版に橋軸方向のひび割れが生じる。
(3)PC床版の取替を検討するに当たっては合成梁の場合、ジベルの切断は不要である。
(4)振動によるひび割れを抑制するために外ケーブルを設置した。
クリックで【問題393】の解答と解説をみる

正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。合成桁で設計された、鋼単純I桁では、ジベルにより、床版コンクリートの変形が拘束されます。
(2)×:誤りです。ジベルにより床版コンクリートの変形が拘束され、乾燥収縮や温度変化に伴う橋軸方向の変形が拘束され、床版に橋軸の直交方向にひび割れが生じます。
(3)×:誤りです。PC床版の取替を検討するに当たっては合成梁の場合、ジベルの切断が必要であるとともに、床版撤去時の安全性を確認し、鋼桁の補強などを検討しなければなりません。
(4)×:誤りです。外ケーブル工法は振動対策として適しません。振動対策を図る場合には、増厚工法など断面の剛性を上げる必要があります。

【問394_JIS改訂】

 アルカリシリカ反応に関連したJISの改訂年代に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)1980年代に、JISA5208(レディーミクストコンクリート)が改正され、アルカリ骨材反応の抑制対策の方法が付属書に盛り込まれた。
(2)2000年代に、JISA5208(レディーミクストコンクリート)の付属書が改正され、ポルトランドセメント、低アルカリガタが、アルカリ骨材反応の抑制対策の方法から削除された。
(3)2000年代に、JISA1804(コンクリート生産工程管理用試験方法-骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(迅速法))が制定された。
(4)1980年代に、JISA6204(コンクリート用化学混和剤)が改正され、全アルカリ量の規定が追加された。
クリックで【問題394】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。1986年に、JISA5208(レディーミクストコンクリート)が改正され、アルカリ骨材反応の抑制対策の方法が付属書に盛り込まれました。
(2)〇:問題のとおりです。2003年に、JISA5208(レディーミクストコンクリート)の付属書が改正され、ポルトランドセメント、低アルカリガタが、アルカリ骨材反応の抑制対策の方法から削除されました。
(3)×:誤りです。1992年に、JISA1804(コンクリート生産工程管理用試験方法-骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(迅速法))が制定されました。
(4)〇:問題のとおりです。1987年に、JISA6204(コンクリート用化学混和剤)が改正され、全アルカリ量の規定が追加されました。

【問395_JIS改訂】

 中性化深さ、および全塩化物イオン濃度の調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)内在塩分による塩害と中性化が複合している場合、中性化領域ではエトリンガイトの分解に伴い、塩化物イオンが遊離する。
(2)内在塩部による塩害と中性化が複合している場合、中性化領域ではフリーデル氏塩の分解に伴い塩化物イオンが遊離するが、これを中性化フロントと呼ぶ。
(3)内在塩部による塩害と中性化が複合している場合、未中性化領域では移動した塩化物イオンの一部がアルミン酸三カルシウム(C3A)の一部と反応して、フリーデル氏塩を生成するとともに、全塩化物イオン濃度が高くなる。
(4)水セメント比と、セメントの種類が同じ場合、コンクリートの、単位セメント量が多いほど、塩化物イオンの固定量が多い。
クリックで【問題395】の解答と解説をみる

正解(1)

(1)×:誤りです。内在塩分による塩害と中性化が複合している場合、中性化領域ではフリーデル氏塩の分解に伴い、塩化物イオンが遊離します。
(2)〇:問題のとおりです。中性化フロントはコンクリートの中性化領域でフリーデル氏塩として固化されていた塩化物イオンが分解され、塩化物濃度が大きくなる現象です。
(3)〇:問題のとおりです。内在塩部による塩害と中性化が複合している場合、未中性化領域では移動した塩化物イオンの一部がアルミン酸三カルシウム(C3A)の一部と反応して、フリーデル氏塩を生成するとともに、全塩化物イオン濃度が高くなります。
(4)〇:問題のとおりです。塩化物イオンの固定量はセメント量の0.4%程度と言われています。そのため、単位セメント量が多いほど塩化物イオンの固定量は多くなります。
タイトルとURLをコピーしました