【(択一式)土地家屋調査士】過去問の学習記録(No151~155)<一問一答:○×形式>

土地家屋調査士

【No.151-(1)】

民法 の 物、不動産 に関する問題
物には不動産と動産がある。建築中の建物は、土地の定着物であるため不動産にあたるが、基礎工事の段階では土地の一部と扱われるのに対し、屋根や壁ができて建物と見られる段階に至ると、土地とは別の不動産として扱われる。
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〇正しい。

【解説】判例は、木材を組み立てて地上に定着させて屋根を葺き上げただけでは、まだ法律上建物ということはできないが、屋根瓦を葺き荒壁をぬり終えた程度、つまり屋根及び周壁を有する程度になれば、床や天井を張っていなくても建物ということができるとしている。
関連条文:大判大15.2.22
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【No.151-(2)】

民法 の 物、不動産 に関する問題
一棟の建物の一部は、一筆の土地の一部について取得時効の成立が認められるのと同様に、一棟の建物の一部についても、その部分が区分建物としての独立性を備えているか否かにかかわらず、取得時効の成立が認められる。
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×誤り。

【解説】一棟の建物の一部が独立性を備えているときは、取得時効の成立が認められるが、独立性を備えていないときは、取得時効の成立は認められない。
関連条文:区分法1条、民法162条
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第1条
1 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

第162条
1 20間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

【No.151-(3)】

民法 の 物、不動産 に関する問題
賃貸物件として使用されている建物に抵当権が指定された場合、賃料債権も物上代位の対象になるため、抵当権者は、被担保債権の債務不履行後に、賃料債権に対する物上代位権を行使することによって賃料から優先弁済を受けることができる。
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〇正しい。

【解説】判例では、賃料債権も、物上代位の対象となるとされている。
関連条文:最判平元.10.27
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【No.151-(4)】

民法 の 物、不動産 に関する問題
借地上の建物に設定されていた抵当権が実行されて、買受人が建物の所有権を取得した場合、借地権は建物の所有権とは別個の権利であるため、借地権は買受人に移転しない。
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×誤り。

【解説】判例は、借地上の建物に抵当権が設定された場合、抵当権の効力はその建物のために必要な借地権に及ぶとする。
関連条文:最判昭40.5.4
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【No.151-(5)】

民法 の 物、不動産 に関する問題
建物の所有者が移築を目的として当該建物を解体した場合、解体された建物は不動産ではなくなるため、当該建物に設定されていた抵当権は消滅することになる。
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〇正しい。

【解説】抵当権が物権であるから、茂木物の消失によって消滅する。
関連条文:-
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【No.152-(1)】

民法 の 意思表示 に関する問題
未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく、自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合、Aが成年者であることを信じさせるため詐術を用いた場合には、Aが未成年者であることをCが知っていたときであっても、Aは、本件売買契約を取り消すことができない。
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×誤り。

【解説】制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができないとされていが、判例では、Aが成年者であることを信じさせるため詐術を用いた場合でも、Cが善意無過失でなければ、Aは、門権売買契約を取り消すことができるとされている。
関連条文:民法21条
大判昭和2.5.24
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第21条
1 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

【No.152-(2)】

民法 の 意思表示 に関する問題
未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく、自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合、Aは、成年に達する前であっても、Bの同意を得れば、本件売買契約を追認することができる。
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〇正しい。

【解説】追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じないとされているので、未成年者については、成年に達した後でなければ追認することができない。ただし、未成年者である間でも、法定代理人の同意を得て有効に追認することができる。
関連条文:民法124条1項、2項2号
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第124条
1 取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。
2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。
一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。
二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。

【No.152-(3)】

民法 の 意思表示 に関する問題
未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく、自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合、Aが成年に達する前に、CがBに対して1か月以内に本件売買契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、Bがその期間内に確答を発しないときは、本件売買契約を追認したものとみなされる。
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〇正しい。

【解説】制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、1か月以上の期間を定めて、その期間内に取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなされる。
関連条文:民法20条2項
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第20条
1 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1か月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3 特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

【No.152-(4)】

民法 の 意思表示 に関する問題
未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく、自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合、Cが甲土地を更にDに売却した場合には、Aは、Dに対して取消しの意思表示をしなければ、本件売買契約を取り消すことができない。
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×誤り。

【解説】未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができるが、行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者も取り消すことができるとされている。その取り消しは、相手方に対する意思表示によってすることとされており、取消しの対象となる権利が第三者に譲渡された場合であっても、取消しの相手方は、その第三者ではなく、最初の取り消すことができる法律行為の相手方である。
関連条文:民法5条、120条、大判大正14.3.3
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第5条
1 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
第120条
1 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵かしある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

【No.152-(5)】

民法 の 意思表示 に関する問題
未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく、自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合、Aは、成年に達した後、異議をとどめずに本件売買契約の代金をCから受領した場合には、本件売買契約を取り消すことができない。
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〇正しい、

【解説】追認をすることができる時以降に、取り消すことができる行為について、異議をとどめずして全部又は一部の履行があったときは、追認をしたものとみなされるが、これについては、取消権者が債務者突して履行する場合だけでなく、債権者として受領する場合も含まれる。
関連条文:民法125条1号
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第125条
1 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行

【No.153-(1)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aが真意では売り渡すつもりがなかった場合において、Bが、その意思表示がAの真意ではないことを知っていたときは、当該契約は、無効である。
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〇正しい。

【解説】意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効となる。
関連条文:民法93条1項
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第93条
1 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

【No.153-(2)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、当該契約がAとBとが通謀して行った虚偽のものであった場合において、Cが当該契約の有効性を過失なく信じてBから当該土地を買い受けたときは、Aは、Cに対し、当該契約が無効であることを主張することができない。
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〇正しい。

【解説】相手方と通謀した虚偽の意思表示は、無効である。しかし、虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
関連条文:民法94条
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第94条
1 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

【No.153-(3)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示について錯誤があった場合において、Aに重大な過失があったときは、Aはその意思表示を取り消すことができない。
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〇正しい。

【解説】意思表示に錯誤があるときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができる。しかし、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、原則として、表意者は、その意思表示を取り消すことができない。
関連条文:民法95条3項
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第95条
1 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.153-(4)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示がBの詐欺によるものであった場合には、Aは、当該意思表示を取り消すことができる。
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〇正しい。

【解説】詐欺による意思表示は、取り消すことができる。
関連条文:民法96条1項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.153-(5)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示がBの強迫によるものであった場合において、Cが、Bから当該土地を買い受け、かつ、強迫の事実について善意無過失であるときは、Aは、Cが買い受けた後、Bに対する意思表示を取り消しても、当該取消しをCに対抗することができない。
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×誤り。

【解説】強迫による意思表示は、取り消すことができる。
関連条文:民法96条1項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.154-(1)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aの代理人Bが相手方Cを欺罔して、Cが所有する土地をAに売り渡す旨の売買契約を締結させた場合には、AがBによる詐欺の事実について過失なく知らないときであっても、Cは、詐欺を理由としてその意思表示を取り消すことができる。
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〇正しい。

【解説】代理人Bが相手方Cに詐欺を行った場合、本人Aがその真実を過失なく知らないときであっても、相手方Cがその意思表示を取り消すことができる。
関連条文:民法96条1項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.154-(2)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AがBに欺罔された結果、錯誤を生じて意思表示をした場合には、Aは、詐欺による意思表示の取消しを主張することはできるが、錯誤による意思表示の取消しを主張することはできない。
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×誤り。

【解説】詐欺の場合における錯誤は、表意者は詐欺を理由として取り消すことができる。
関連条文:民法95条、96条
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第95条
1 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.154-(3)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AのBに対する意思表示が第三者Cの強迫によりされた場合には、Bがその事実を過失なく知らないときであっても、Aは、脅迫を理由としてその意思表示を取り消すことができる。
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〇正しい。

【解説】強迫が第三者による場合でも、脅迫によって意思表示をした者は、相手方が善意無過失であるかを問わず、取り消すことができる。
関連条文:民法96条2項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.154-(4)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AがBの強迫によりその所有する土地をBに売却し、AからBへの所有権の移転登記がされた場合において、その後、BがCに当該土地を転売した後に、Aが脅迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消したときは、Aは、Bへの所有権の移転の登記を抹消しない限り、Cに対して所有権を主張することができない。
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×誤り。

【解説】強迫による意思表示は、善意無過失の第三者に対しても、その取り消しをもって対抗するとができる。ただし、Aが取り消した時期が、BがCに土地を転売する前であった場合は、AとCの関係は、対抗問題として処理されるので、AはBへの所有権の移転の登記を抹消し、登記名義を回復しなければ、Cに対抗することができない。
関連条文:民法96条3項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.154-(5)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aが、Bの詐欺により、Bからその所有する土地を買い受け、BからAへの所有権の移転の登記がされた後、Aが、Bに欺罔されていることを知らないまま、当該土地にCを抵当権者とする抵当権を設定し、その旨の登記がされた場合において、Cが当該抵当権の設定時にBによる詐欺の真実を過失なく知らなかったときは、Aは、詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消すことができない。
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×誤り。

【解説】詐欺による取消しは、善意でかつ過失がない第三者Cに対抗することができないだけで、Aは詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消すことができる。
関連条文:民法96条3項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.155-(1)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aが、Bに脅迫されて、A所有の甲土地をBに売り渡して所有権の移転の登記をし、さらに、Bが、過失なく事情を知らないCに甲土地を転売して所有権の移転の登記をした場合には、Aがその後にAB間の売買契約を脅迫を理由として取り消したとしても、Aは、Cに対して甲土地の所有権を主張することはできない。
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×誤り。

【解説】強迫による意思表示の場合には、善意無過失の第三者に対しても、その取り消しをもって対抗することができる。
関連条文:民法96条3項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.155-(2)】

民法 の 意思表示 に関する問題
AとBとが通謀して、A所有の甲土地をBに仮装譲渡して所有権の移転の登記をし、さらに、Bが仮装譲渡の事実を知らないCに甲土地を転売し、その後、Cが仮装譲渡の事実を知っているDに甲土地を転売した場合には、Aは、Dに対して甲土地の所有権を主張することはできない。
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〇正しい。

【解説】不動産をAがBに仮装譲渡し、これをBがCに譲渡し、さらにCがDに譲渡した場合のD(転得者)についても、第三者に含まれる。Cが悪意であってもDが善意であれば、Aは、虚偽表示による無効をDに対抗することはできない。
関連条文:民法94条
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第94条
1 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

【No.155-(3)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aが、A所有の甲土地を売り渡すつもりで、錯誤によりA所有の乙土地をBに対して売り渡した場合には、Aに重大な過失があるときであっても、Bは、当該売買契約を取り消すことができる。
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×誤り。

【解説】錯誤による意思表示の取消しをすることができるのは、表意者又はその代理人若しくは承継人だけであって、相手方は、取り消すことができない。
関連条文:民法120条2項
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第120条
1 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵かしある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

【No.155-(4)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aが、Bにだまされて、A所有の甲土地をCに売却した場合には、CがBによるAに対する詐欺を過失なく知らなかったときであっても、Aは、AC間の売買契約を取り消すことができる。
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×誤り。

【解説】相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
関連条文:民法96条2項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【No.155-(5)】

民法 の 意思表示 に関する問題
Aが、A所有の甲土地を売却するに当たり、Bにその代理権を与えていたところ、Bが、売買代金を着服する意図で、甲土地をCに売却した場合において、Cが、Bの着服の意図を知らなくても、その意図を知ることができたときは、Aは、当該売買契約の無効を主張することができる。
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〇正しい。

【解説】代理人が自己又は第三者の利益を図るためにその権限内の行為をした場合は、原則として、代理行為の法律効果は本人に帰属する。しかし、代理行為の相手方が代理人にそのような意図があることを知っていたり、又は知ることができた場合には、無権代理行為とみなされる。
関連条文:民法107条
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第107条
1 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
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