【(択一式)土地家屋調査士】過去問の学習記録(No171~175)<一問一答:○×形式>

土地家屋調査士

【No.171-(1)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。平成10年1月1日に甲土地がBからCに譲渡された場合、Aは平成15年1月1日に、所有権の移転の登記をしなくても、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができる。
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〇正しい。

【解説】所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有したAは、占有開始時に善意かつ無過失であるため、10年間で時効が成立する。
関連条文:民法162条1項
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第162条
1 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

【No.171-(2)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。CがBから甲土地を譲り受けたのが平成13年1月1日であった場合、Aは、所有権移転の登記をしなければ、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができない。
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〇正しい。

【解説】Aは、時効完成後に甲土地を譲り受けたCに対しては、登記がなければ対抗することができない。
関連条文:民法177条
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第177条
1 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

【No.171-(3)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。CがBから甲土地を譲り受けたのが平成13年1月1日であった場合、Aは、所有権移転の登記をしなければ、平成15年1月1日に、Bに対して甲土地の時効取得を主張することができない。
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×誤り。

【解説】時効取得者であるAと原取得者であるBとは、当事者の関係である。Aは、Bに対して、登記なくして時効による所有権の取得を対抗することができる。
関連条文:民法177条
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第177条
1 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

【No.171-(4)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。CがBから甲土地を譲り受けたのが平成5年1月1日であった場合、Aは、平成5年1月1日から10年間の占有に基づいて、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することはできない。
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〇正しい。

【解説】時効期間は、時効の基礎たる事実の開始された時を起算点として計算すべきもので、時効を援用する者において起算点を選択したり、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。
関連条文:最判昭和35.7.27
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【No.171-(5)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。CがBから甲土地を譲り受けたのが平成13年1月1日であった場合、Aが、平成2年1月1日から20年賀経過するのを待って、その後に、20年間の占有に基づいて、Cに対して甲土地の時効取得を主張することは、Aは、自己の所有地であると過失なく信じて甲土地の占有を開始したので、20年の取得時効を主張することはできない。
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×誤り。

【解説】10年が経過した時点では、時効利益を受けることを望まなかった占有者や自己が所有する土地であると信じていたセ入社、あるいは、無過失であることを立証することができなかった占有者が、20年を経過した後に、20年間の占有に基づく時効主張することは何ら問題がない。
関連条文:-
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【No.172-(1)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Cが所有する土地をAに売却したが、所有権の移転の登記をしないうちに、Bが権原がないのにその土地を占拠した場合、判例の趣旨に照らし、AがBに対して土地の所有権を主張することができない。
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×誤り。

【解説】不法行為者や不法占拠者は、登記がないことを主張する正当な利益を有しないとされている。
関連条文:大判昭和12.5.20
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【No.172-(2)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Cが所有する土地をAに売却したが、所有権の移転の登記をしないうちに、Cの一般債権者Bがその土地について仮差押えをした場合、判例の趣旨に照らし、AがBに対して土地の所有権を主張することができない。
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〇正しい。

【解説】差押債権者や仮差押債権者は、登記がないことを主張する正当な利益を有する第三者である。
関連条文:大判明治38.5.1、大判昭和31.4.21
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【No.172-(3)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Bが所有する土地をCに売却したが、所有権の移転の登記をしないうちに、CがAにその土地を売却した場合、判例の趣旨に照らし、AがBに対して土地の所有権を主張することができない。
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×誤り。

【解説】Bは、すでにCに所有権を移転して無権利者となっているから、Aの登記がないことを主張しても何らの利益もない。したがって、Aは、Bに対して所有権を主張することができる。
関連条文:最判昭和43..11.19
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【No.172-(4)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Bが所有する土地をCに売却して所有権の移転の登記をし、CがAにその土地を売却したが、その所有権の移転の登記をする前に、BがCの代金未払を理由にBC間の売買契約を解除した場合、判例の趣旨に照らし、AがBに対して土地の所有権を主張することができない。
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〇正しい。

【解説】Aに要求される登記は権利保護要件であるため、Aに登記がない以上、Aは保護されるべき第三者といえない。
関連条文:-
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【No.172-(5)】

民法 の 物権総論 に関する問題
未成年者Aは、法定代理人Cの同意を得ないで、A所有の土地をDに売却し、Dは、Aが未成年者でDへの売却についてCの同意を得ていないことを知らないBに対し、その土地を売却した。その後、CがAのDに対する売買の意思表示を取り消した場合、判例の趣旨に照らし、AがBに対して土地の所有権を主張することができない。
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×誤り。

【解説】制限行為能力を理由とする取消しは、取消し前の第三者に対する関係では、第三者が善意であっても、また、登記がなくても対抗することができる。
関連条文:-
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【No.173-(1)】

民法 の 物権総論 に関する問題
土地を使用する権原を有しない者が当該土地に小麦の種をまき、これを育てた場合には、生育した小麦の所有権は、種をまいた者に帰属する。
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×誤り。

【解説】土地を使用する権原を有しないAが、当該土地に種子をまいた場合には、当該土地の所有者Bがその種子の所有権を取得する。
関連条文:民法242条
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第242条
1 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

【No.173-(2)】

民法 の 物権総論 に関する問題
建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て当該建物を増築した場合であっても、その増築部分が取引上の独立性を有しないときは、当該賃借人は、当該増築部分の所有権を取得しない。
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〇正しい。

【解説】Aが所有する不動産に、Bが権原によって物を付属させたときは、符号は生ぜず、付着したものの所有権は、Bに保留される。
関連条文:民法242条ただし書
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第242条
1 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

【No.173-(3)】

民法 の 物権総論 に関する問題
BがAからAの所有する土地を買い受けて立木を植栽した後に、Cが当該立木とともに当該土地をAから買い受けてその所有権の移転の登記を備えた場合には、Bは、当該立木につき対抗要件を備えていなくても、Cに対し、当該立木の所有権を主張することができる。
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×誤り。

【解説】BがAからAの所有する土地を買い受けて立木を植栽した後に、Cが当該立木とともに当該土地をAから買い受けた場合には、Cが当該土地について所有権の移転の登記を備える前に、Bが当該立木について対抗要件(明認方法)を備えていれば、BはCに対して、とうが立木の所有権を主張できるが、Bが対抗要件を備える前に、Cが所有権の移転の登記を備えたときは、Bは、Cに対して、当該立木の所有権を対抗することができない。
関連条文:最判昭和35.3.1
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【No.173-(4)】

民法 の 物権総論 に関する問題
Aが所有する甲動産に甲動産の賃借人Bが所有する乙動産が符合したときは、甲動産が主たる動産であったとしても、Bは、乙動産の所有権を失わない。
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×誤り。

【解説】所有権を異にする数個の動産が、符号により、損傷しなければ分離することができなくなったとき、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属するものとされている。
関連条文:民法243条
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第243条
1 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。

【No.173-(5)】

民法 の 物権総論 に関する問題
不動産の符号によって符合した物の所有権を喪失し、損失を受けた者は、当該不動産の符号によって所有権を取得した者に対し、その償金を請求することができる。
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〇正しい。

【解説】不動産の符号によって符合した物の所有権を喪失し、損失を受けた者は、当該不動産の符号によって所有権を取得した者に対し、その償金を請求することができる。
関連条文:民法248条
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第248条
1 第242条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第703条及び第704条の規定に従い、その償金を請求することができる。

【No.174-(1)】

民法 の 物権総論 に関する問題
物権には、占有権、所有権、抵当権、採石権等の民法の明文で認められている物権のほか、仮登記担保契約に関する権利等の特別法で認められた物権、さらには、上土権(地表のみの所有権)のように判例によって認められた慣習法上の物権などがある。
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×誤り。

【解説】物権の種類及び内容は、民法その他の法律に定められたものに限るとする。上土権とは、徳川時代に他人の持っている荒れ地を開墾した場合、開墾者が表土について持つと認められた権利であるが、これは物件として認められないのが学説である。
関連条文:民法175条
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第175条
1 物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。

【No.174-(2)】

民法 の 物権総論 に関する問題
物権の客体である「物」の定義は、民法に定められており、有体物をいうとされている。この有体物とは、空間の一部を占める外界の物質、すなわち、個体、液体及び気体のすべてを意味する。
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〇正しい。

【解説】物権の客体である「物」の定義は、民法に定められており、有体物をいうとされている。この有体物とは、空間の一部を占める外界の物質、すなわち、個体、液体及び気体のすべてを意味する。
関連条文:民法85条
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第85条
1 この法律において「物」とは、有体物をいう。

【No.174-(3)】

民法 の 物権総論 に関する問題
「物」が物権の客体となるための要件として、物件の客体となる「物」は、特定しなければならない。また、物権の客体は、単一の物でなければならず、物の集合に対して1個の物権が成立することはない。
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×誤り。

【解説】集合物には、ある程度まで特定性と独立性が認められる場合には、特別法によって1個の不動産又は1個の物とみなされる。
関連条文:-
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【No.174-(4)】

民法 の 物権総論 に関する問題
「物」のうち、土地及びその定着物は不動産とされているが、土地の定着物は、原則として、その土地の一部を構成し、土地所有権に含まれるが、建物は、土地とは独立した所有権の客体となり、立木も、立木ニ関スル法律による登記又は明認方法を備えることにより、独立した物として扱われる。
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〇正しい。

【解説】不動産は、土地及びその定着物である。土地の定着物は、原則として、その土地の一部を構成し、土地所有権に含まれるが、取引価値のある個々の樹木については、特に地盤から独立した個別の物として取引すれば、土地とは個別の物件の客体となり、明認方法を施せば、第三者に対抗することができるとされている。
関連条文:民法86条、大判大正8.10.9
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第86条
1 土地及びその定着物は、不動産とする。
2 不動産以外の物は、すべて動産とする。

【No.174-(5)】

民法 の 物権総論 に関する問題
土地の賃借人がその土地に木を植えたり、作物を作ったりした場合、それらの物の所有権は、その土地の所有権には含まれず、賃借人に帰属する。
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〇正しい。

【解説】不動産の所有者は、原則として、その不動産に従として符合した物の所有権を取得する。木や作物は、独立性を有すると考えることができるので、民法242条ただし書が適用される。
関連条文:民法242条ただし書
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第242条
1 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

【No.175-(1)】

民法 の 物権総論 に関する問題
甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合、甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合であっても、Cは、Aに対し、甲土地の所有権を主張することができる。
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〇正しい。

【解説】AはCの当事者であるから、甲土地の所有権を主張することができる。
関連条文:最判昭和43.11.19
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【No.175-(2)】

民法 の 物権総論 に関する問題
甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合、甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合には、Cは、Bの相続人であるDに対し、甲土地の所有権を主張することができない。
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×誤り。

【解説】被相続人が相続開始前にその所有する不動産を譲渡したが、所有権の移転の登記をしないうちに死亡して相続が開始した場合、被相続人からの譲受人は、登記がなくても相続人に対しその不動産の所有権の取得を対抗することができる。
関連条文:民法896条
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第896条
1 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

【No.175-(3)】

民法 の 物権総論 に関する問題
甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合、甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合において、A、B及びCの三者間で、AからCへ直接登記名義を移転する旨の合意をしたときは、Bの債権者であるEは、自己の債権を保全するため、Bに代位して、Aに対し、Bへの所有権の移転の登記の登記手続きを請求することができない。
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×誤り。

【解説】A、B及びCの三者間で中間省略登記の合意がなされたときは、CからAに対する中間省略登記請求権が発生するが、その場合でも、BのAに対する所有権移転登記の登記請求権は消滅しないものとされている。
関連条文:最判昭和46.11.30
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None

【No.175-(4)】

民法 の 物権総論 に関する問題
甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合、甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合には、Cは、Bに対する登記請求権を保全するためであっても、Bに代位して、Aに対し、Bへの所有権の移転の登記手続を請求することができない。
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×誤り。

【解説】Cは、bに対する所有権移転の登記請求権を保全するため、Bに代位して、Aに対し、Bへの所有権の移転の登記手続を請求することができる。
関連条文:民法423条の7
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第423条の7
1 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる。この場合においては、前三条の規定を準用する。

【No.175-(5)】

民法 の 物権総論 に関する問題
甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合、AとBとの間の売買契約に基づいてAからBへ甲土地の所有権の移転の登記がされた場合において、AがBによる詐欺を理由としてその売買契約に係る意思表示を取り消した後、Bへの所有権の移転の登記を抹消する前に、BからCへの甲土地の譲渡が行われていたときは、Cは、自己への所有権の移転の登記をしなければ、Aに対し、甲土地の所有権を主張することができない。
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〇正しい。

【解説】詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないと規定しているが、ここでいう第三者とは、取消し前の第三者である。Cは取消し後の第三者であるため、二重譲渡の関係となる。
関連条文:民法96条3項
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第96条
1 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
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