【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.131~135)

【No.131】

鉄道の軌道の維持管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)レール継目の遊間は,レール温度変化に伴う伸縮を容易にするため設けられており,レールが最高レール温度に達した時に継目ボルトに過大な力がかからないことなどを考慮して設定する。
(2)軌道狂いは,軌道が列車荷重の繰返し荷重を受けて次第に変形し,車両走行面の不整が生ずるものであり,軌間,水準,高低,通り,平面性,複合の種類がある。
(3)車両動揺は,ある範囲の波長の軌道狂いに敏感であるが,列車速度が高くなるに従ってより長い波長の軌道狂いを管理することが重要である。
(4)道床つき固め作業は,軌道狂いを整正する作業であり,有道床軌道において最も多く用いられる作業機械は,マルチプルタイタンパである。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。レール継目の遊間は,温度上昇によるレールの膨張により,過度な軸力がレールに発生し,張り出しなど軌道破壊が発生しないよう,また最低温度において継目ボルトに過大な力がかからないように設定されています。
(2)〇正しい。軌道狂いは,軌道が列車荷重の繰返し荷重を受けて次第に変形し,車両走行面の不整が生ずるものであり,軌間,水準,高低,通り,平面性,複合の種類があります。
(3)〇正しい。車両動揺は,鉄道車両の多くは1~1.5Hz付近に1次固有振動数を有し,列車の走行速度が高くなるに従い振動を起こす軌道狂いの波長が長くなるため,より長い波長の軌道狂いの管理が重要です。
(4)〇正しい。道床つき固め作業は,軌道狂いを整正する作業であり,有道床軌道において最も多く用いられる作業機械は,マルチプルタイタンパです。

【No.132】

営業線近接工事における保安対策に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)営業線近接工事においては,工事着手後,速やかに保安確認書,保安関係者届の二つの書類を監督員等に提出しなければならない。
(2)既設構造物等に影響を与えるおそれのある工事の施工にあたっては,異常の有無を検測し,異常が無ければ監督員等に報告する必要はない。
(3)列車の振動,風圧などによって,不安定,危険な状態になるおそれのある工事又は乗務員に不安を与えるおそれのある工事は,列車の接近時から通過するまでの間,一時施工を中止する。
(4)線閉責任者は,当日の作業内容を精査し保守用車・建設用大型機械の足取り,作業・移動区間,二重安全措置,仮置き場所などを図示し,関係する他の線閉責任者に周知徹底させる。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。営業線近接工事においては,施工に先立ち,保安確認書及び保安打合せ票を監督員等に提出しなければなりません。
(2)×誤り。既設構造物等に影響を与えるおそれのある工事の施工にあたっては,異常の有無を検測し,監督員等に報告します。
(3)〇正しい。列車の振動,風圧などによって,不安定,危険な状態になるおそれのある工事又は乗務員に不安を与えるおそれのある工事は,列車の接近時から通過するまでの間,一時施工を中止します。
(4)×誤り。工事管理者等は,当日の作業内容を精査し・保守用車・建設用大型機械の足取り・工事施工区間並びに作業・移動区間,二重安全措置,重量物等の仮置き場所などを図示し,関係する他の工事管理者等や作業責任者に周知徹底させ,監督員に提出します。

【No.133】

シールド工法の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)セグメントの組立ては,トンネル断面の確保,止水効果の向上や地盤沈下の減少などからセグメントの継手ボルトを定められたトルクで十分に締め付けるようにする。
(2)裏込め注入工は,シールド機テール部及びセグメント背面部の止水に役立つため,あらかじめ止水注入を行うものである。
(3)セグメントの組立ては,その精度を高めるため,セグメントを組み立ててからテールを離れて裏込め注入材がある程度硬化するまでの間,セグメント形状保持装置を用いることが有効である。
(4)一次覆工の防水工は,高水圧下あるいは内水圧が作用する場合にはシールエを確実にするためにセグメント隅角部に別途コーナーシールを貼り付けることやセグメント隅角部の密着性を確保するためにシームレス加工したものが用いられている。
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正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。掘進時の推力は,かなり後方のセグメントにまで及んでいるため,掘進の影響がほとんどなくなった時点で,再度定められたトルクで充分締め付けます。また,ボルトナットの締付力は,トルク計測器で確認することが大切です。
(2)×誤り。裏込め注入工は,地山の緩みと沈下を防止するとともに,セグメントからの漏水の防止,セグメントリングの早期安定やトンネルの蛇行防止などに役立つため,シールドの掘進と同時あるいは直後に行います。セグメント背面部の止水目的にあらかじめ止水注入を行うものではありません。
(3)〇正しい。テールを離れたセグメントは,土水圧や裏込め注入圧により変形しやすいため,裏込め注入材がある程度硬化するまでの間,セグメント形状保持装置を用いることはセグメントの組立精度を確保するのに有効です。
(4)〇正しい。一次覆工の防水は,高水圧下あるいは内水圧が作用する場合には,シールエを確実にするためにシール材を2重にしたり,セグメント隅角部の密着性を確保するためにシームレス加工したものが用いられています。

【No.134】

鋼構造物の塗装作業に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)塗料は,可使時間を過ぎると性能が十分でないばかりか欠陥となりやすくなる。
(2)鋼道路橋の塗装作業には,スプレー塗り,はけ塗り,ローラーブラシ塗りの方法がある。
(3)塗装の塗り重ね間隔が短い場合は,下層の未乾燥塗膜は,塗り重ねた塗料の溶剤によってはがれが生じやすくなる。
(4)塗装の塗り重ね間隔が長い場合は,下層塗膜の乾燥硬化が進み,上に塗り重ねる塗料との密着性が低下し,後日塗膜間で層間剥離が生じやすくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。塗料は,可使時間を過ぎると,塗膜性能に問題が生じ,劣化が早くなるなど耐久性が低下します。なお,可使時間とは,主剤と硬化剤,主剤・硬化剤・効果促進剤などの組合せで使う多液塗料において,化学的反応によって塗料が硬化し始めるまでの時間のことをいいます。
(2)〇正しい。鋼道路橋の塗装作業には,スプレー塗り,はけ塗り,ローラーブラシ塗りの方法があります。
(3)×誤り。塗り重ね間隔が短いと,下層の未乾燥塗膜は,塗り重ねた塗料中の溶剤によって膨潤してしわを生じやすくなります。
(4)〇正しい。塗装の塗り重ね間隔が長い場合は,下層塗膜の乾燥硬化が進み,上に塗り重ねる塗料との密着性が低下し,後日塗膜間で層間剥離が生じやすくなります。

【No.135】

上水道の配水管の埋設位置及び深さに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)地下水位が高い場合又は高くなることが予想される場合には,管内空虚時に管が浮上しないように最小土被り厚の確保に注意する。
(2)寒冷地で土地の凍結深度が標準埋設深さよりも深い場合は,それ以下に埋設するが,埋設深度が確保できない場合は断熱マットなどの適当な措置を講じる。
(3)配水管の本線を道路に埋設する場合は,その頂部と路面との距離は1.2m(工事実施上やむを得ない場合にあっては,0.6m)以下としないことと道路法施行令で規定されている。
(4)配水管を他の地下埋設物と交差又は近接して布設する場合は,最小離隔を0.1m以上確保する。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。地下水位が高い場合又は高くなることが予想される場合には,管内空虚時に管が浮上しないように最小土被り厚の確保に注意します。
(2)〇正しい。寒冷地で土地の凍結深度が標準埋設深さよりも深い場合は,それ以下に埋設しますが,埋設深度が確保できない場合は断熱マットなどの適当な措置を講じます。
(3)〇正しい。配水管を道路に埋設する場合の土被りは1.2m以上(φ900以上で1.5m以上)とします。
(4)×誤り。配水管を他の地下埋設物と交差または近接して布設する場合は,最小離隔を0.3m以上確保します。
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