コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-14
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【No.66】
コンクリートのアルカリシリカ反応の抑制対策に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)アルカリシリカ反応の抑制対策として,コンクリート中のアルカリ総量を0.3kg/㎥以下とする。
(2)アルカリシリカ反応の抑制対策として,高炉セメントB種を使用する。
(3)アルカリシリカ反応の抑制対策として,フライアッシュセメントB種を使用する。
(4)アルカリシリカ反応の抑制対策として,撥水材等の表面塗布を行う。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。アルカリシリカ反応の抑制対策として,コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/㎥以下とします。
(2)○正しい。アルカリシリカ反応の抑制対策として,低アルカリセメントである,高炉セメントB種を使用することは有効です。
(3)○正しい。アルカリシリカ反応の抑制対策として,反応抑制効果のあるセメントである,フライアッシュセメントB種を使用することは有効です。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応の抑制対策として,反応の要因である水を遮断する,撥水材等の表面塗布を行うことは有効です。
【No.67】
コンクリートの凍害に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)凍害とは,コンクリート中の水分が凍結し,膨張によって発生するものであり,長年にわたる凍結と融解の繰り返しによってコンクリートが徐々に劣化する現象である。
(2)水は,凍結するときに自由膨張できるものとすると,9%の体積膨張を生ずる。
(3)凍害は,水セメント比が大きいほど受けにくいが,エントレインドエアの適切な導入で防止できる。
(4)乾燥状態のコンクリートは,凍害を受けにくい。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。凍害とは,コンクリート中の水分が凍結し,膨張によって発生するものであり,長年にわたる凍結と融解の繰り返しによってコンクリートが徐々に劣化する現象です。
(2)○正しい。水は,凍結するときに自由膨張できるものとすると,9%の体積膨張を生じます。
(3)×誤り。凍害は,水セメント比が小さいほど受けにくいが,エントレインドエアの適切な導入で防止できます。また,セメントの種類にも影響されます。
(4)○正しい。乾燥状態のコンクリートは,凍害を受けにくいです。
【No.68】
コンクリートの凍害による劣化の形態に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)凍害によるポップアウトは,骨材の品質が悪い場合,表層化の骨材粒子などの膨張による破壊により,表面に円錐状のはく離やはく落を生じる。
(2)凍害による微細ひび割れは,紋様や地図状のひび割れが生じる。
(3)凍害によるスケーリングは,表面のコンクリートが骨材を起点に円錐状のクレーターのようにはく離する。
(4)凍害による崩壊は,小さな塊か,粒子になる組織の崩壊が生じる。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。凍害によるポップアウトは,骨材の品質が悪い場合,表層化の骨材粒子などの膨張による破壊により,表面に円錐状のはく離やはく落を生じます。
(2)○正しい。凍害による微細ひび割れは,紋様や地図状のひび割れが生じます。
(3)×誤り。凍害によるスケーリングは,表面が剝片状にはく離,はく落します。
(4)○正しい。凍害による崩壊は,小さな塊か,粒子になる組織の崩壊が生じます。
【No.69】
コンクリートの凍害の発生要因に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)凍害が生じる環境要因として,コンクリート構造物が影響を受ける気象などがあり,最低温度,日射,凍結融解繰り返し回数等がある。
(2)凍害が生じる水の供給要因として,コンクリートの表面を水が伝わってくる場合,ひび割れなどの欠陥部を経由してくる場合,平井によって供給される場合などがある。
(3)凍害を生じるコンクリートの品質要因として,使用材料の種類や,品質,配合があり,施工品質,乾燥収縮などの力学的な力によって発生するひび割れなどの欠陥がある。
(4)凍害が生じる複合要因として,塩害,中性化による劣化要因と複合し,劣化が促進される。なお,アルカリ骨材反応による複合劣化は生じない。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。凍害が生じる環境要因として,コンクリート構造物が影響を受ける気象などがあり,最低温度,日射,凍結融解繰り返し回数等があります。
(2)○正しい。凍害が生じる水の供給要因として,コンクリートの表面を水が伝わってくる場合,ひび割れなどの欠陥部を経由してくる場合,平井によって供給される場合などがあります。
(3)○正しい。凍害を生じるコンクリートの品質要因として,使用材料の種類や,品質,配合があり,施工品質,乾燥収縮などの力学的な力によって発生するひび割れなどの欠陥があります。
(4)×誤り。凍害が生じる複合要因として,塩害,中性化およびアルカリ骨材反応などの他の劣化要因と複合し,劣化が促進されます。
【No.70】
コンクリートの凍害に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)土木構造物における凍害の例は,道路橋の地覆部分,擁壁,トンネル坑口部,防波堤などの港湾海岸構造物,水路などの推理構造物に多い。
(2)建築構造物における凍害の例は,軒先,ベランダ,庇などの突出部,外壁の開口部や隅角部,屋外階段などに多い。
(3)気泡間隔係数を500μm(0.5mm)以下とすれば,耐凍害性が期待できる。
(4)AE剤の使用でエントレインドエアを増加させると,耐凍害性が増す。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。土木構造物における凍害の例は,道路橋の地覆部分,擁壁,トンネル坑口部,防波堤などの港湾海岸構造物,水路などの推理構造物に多いです。
(2)○正しい。建築構造物における凍害の例は,軒先,ベランダ,庇などの突出部,外壁の開口部や隅角部,屋外階段などに多いです。
(3)×誤り。気泡間隔係数を200μm(0.2mm)以下とすれば,耐凍害性が期待できます。
(4)○正しい。AE剤の使用でエントレインドエアを増加させると,耐凍害性が増します。