【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.98)総合問題26

コンクリート診断士 問題と解説Vol.98

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問461_初期欠陥】

 コンクリート壁側面の、初期欠陥の発生原因に関する次の記述のうち、不適当なものはどれとどれか
(1)コンクリート壁の側面に、コールドジョイントが発生していたので、バイブレータによる過度な締固めが原因であると推察した。
(2)コンクリート壁の側面に、表面キホウが発生していたので、バイブレータによる締固め不足が原因であると推察した。
(3)コンクリート壁の側面に、ジャンカが発生していたので、長時間の運搬による、スランプの低下が原因であると推察した。
(4)コンクリート壁の側面に、すなすじが発生していたので、表面の急激な乾燥が原因であると推察した。
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正解(1)と(4)

(1)×:誤りです。コールドジョイントは、打ち重ね不良を起因とする、初期欠陥です。バイブレータによる締固め不足や、打ち重ね時間間隔が長いことが原因として挙げられます。
(2)〇:問題のとおりです。表面キホウは、コンクリート打設時に巻き込まれたエントラップトエアが、型枠表面に残留して生じます。バイブレータによる締固め不足が原因であると推察します。
(3)〇:問題のとおりです。ジャンカは、長時間の運搬による、スランプの低下や、締固め不足が原因で生じます。
(4)×:誤りです。すなすじは、過度な締固めによる材料分離や、打込み速度が速いことによる、ブリーディング水の分離が原因で発生します。

【問462_ひび割れ】

 ひび割れに関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)水セメント比が35%で、スランプフローが60cmのコンクリートより、水セメント比が55%で、スランプが15cmのコンクリートのほうが、沈下ひび割れが生じやすい。
(2)水セメント比が35%で、スランプフローが60cmのコンクリートより、水セメント比が55%で、スランプが15cmのコンクリートのほうが、プラスチック収縮ひび割れが生じやすい。
(3)水セメント比が35%で、スランプフローが60cmのコンクリートより、水セメント比が55%で、スランプが15cmのコンクリートのほうが、セメントの水和熱による温度ひび割れが生じやすい。
(4)水セメント比が35%で、スランプフローが60cmのコンクリートより、水セメント比が55%で、スランプが15cmのコンクリートのほうが、セメントの水和熱による温度ひび割れが生じやすい。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。スランプが15cmのコンクリートのほうが、粘性が小さく、沈みひび割れは生じやすくなります。
(2)×:誤りです。水セメント比が35%のコンクリートのほうが、単位粉体量が多く、打込み直後の急激な乾燥による、プラスチック収縮ひび割れが生じやすいです。
(3)×:誤りです。水セメント比が35%のコンクリートのほうが、単位粉体量が多く、水和熱の発生量が大きいため、セメントの水和熱による温度ひび割れが生じやすいです。
(4)×:誤りです。水セメント比が35%のコンクリートのほうが、単位粉体量が多く、自己収縮ひび割れが生じやすいです。

【問463_すり減り】

 ひび割れに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)圧縮強度が同一の場合、普通コンクリートは、軽量コンクリートより、すり減り抵抗性が高い。
(2)圧縮強度が同一の場合、サイ骨材率が38%のコンクリートは、サイ骨材率が43%のコンクリートより、すり減り抵抗性が高い。
(3)コンクリート水路では、落差のある箇所の、水たたき部におけるすり減り量は、落差のない箇所における、すり減り量より大きい。
(4)流速が一定の場合、流水中のコンクリートのすり減り量は、経過時間の平方根に比例する。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。圧縮強度が同一の場合、普通コンクリートは、軽量コンクリートより、すり減り抵抗性が高いです。
(2)〇:問題のとおりです。圧縮強度が同一の場合、ソ骨材の割合が多いほうが、すり減り抵抗性は高くなります。つまり、サイ骨材率が38%のコンクリートは、サイ骨材率が43%のコンクリートより、すり減り抵抗性が高いです。
(3)〇:問題のとおりです。コンクリート水路では、落差のある箇所の、水たたき部におけるすり減り量は、落差のない箇所における、すり減り量より大きくなります。
(4)×:誤りです。流水中のコンクリートのすり減り量は、流速に加え、水の硬度にも影響されます。さらに、粗骨材量や、表面形状にも影響されることから、流水中のコンクリートのすり減り量は、経過時間の平方根に比例するというような、単純化はできません。

【問464_中性化】

 ひび割れに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)材齢1日まで湿潤養生を行い、それ以降、気中養生を行った場合は、材齢7日まで湿潤養生を行い、それ以降、期中養生を行った場合より、中性化速度係数が大きい。
(2)水セメント比が60%の場合は、水セメント比が45%の場合より、中性化速度係数が大きい。
(3)コンクリートが屋内にある場合は、屋外にある場合より、中性化速度係数が大きい。
(4)コンクリートが相対湿度90%の環境にある場合は、相対湿度60%の環境にある場合より、中性化速度係数が大きい。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。湿潤養生期間が短いほうが、コンクチート表面の硬化が不充分となり、中性化しやすくなります。つまり、中性化速度係数が大きくなります。
(2)〇:問題のとおりです。水セメント比が大きいほうが、中性化速度係数が大きくなります。
(3)〇:問題のとおりです。コンクリートが屋内にある場合は、屋外にある場合より、中性化速度係数が大きくなります。
(4)×:誤りです。コンクリートは、相対湿度が50から、60%の環境で、中性化速度係数が最大となります。

【問465_アルカリシリカ反応】

 コンクリートのアルカリシリカ反応に関する次の記述のうち、不適当なものはいくつか
(1)セメントに含有される、硫酸ナトリウム、および、硫酸カリウムは、セメントの水和反応の過程で、コンクリートのサイコウ溶液中に溶けだし、強アルカリ性を呈する、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムを生成する。
(2)アルカリシリカ反応性鉱物を含有する骨材は、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムと反応して、アルカリシリカゲルを生成する。
(3)アルカリシリカ反応による劣化は、アルカリシリカゲルの熱膨張に起因して、コンクリートにひび割れが発生することがある。
(4)フライアッシュの混合率が高いほど、アルカリ骨材反応によるコンクリートの膨張量は大きくなる。
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正解 2つ

(1)〇:問題のとおりです。セメントに含有される、硫酸ナトリウム、および、硫酸カリウムは、セメントの水和反応の過程で、コンクリートのサイコウ溶液中に溶けだし、強アルカリ性を呈する、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムを生成します。
(2)〇:問題のとおりです。アルカリシリカ反応性鉱物を含有する骨材は、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムなどのアルカリと反応して、アルカリシリカゲルを生成します。
(3)×:誤りです。アルカリシリカ反応による劣化は、アルカリシリカゲルの吸水膨張に起因して、コンクリートにひび割れが発生することがあります。
(4)×:誤りです。混合セメントを用いることで、水和反応時にアルカリが消費され、アルカリシリカ反応の進行が抑制されます。
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