【過去問演習(3)No.121-125_施工】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-25】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.121】

暑中コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)暑中コンクリートにおいて,コンクリート温度を下げるため,粗骨材に冷水を散布して骨材温度を下げた。
(2)暑中コンクリートにおいて,コンクリート温度を1℃程度下げるため,練り混ぜ水の温度を約4℃下げた。
(3)暑中コンクリートにおいて,プラスティック収縮ひび割れの発生を防止するため,仮設上屋を設置して直射日光を防いだ。
(4)暑中コンクリートにおいて,コールドジョイントの発生を防止するため,打ち重ね時間間隔の上限を150分として打ち込んだ。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。粗骨材への冷水散布はコンクリート温度を下げる方法の一つです。使用する材料や配合などによって異なりますが,コンクリートの温度を1℃下げるためには,おおむね,骨材温度を2℃下げればよいです。
(2)○正しい。使用する材料や配合などによって異なりますが,コンクリートの温度を1℃下げるためには,おおむね,セメント温度で8℃,水の温度で4℃,骨材温度で2℃,いずれかの材料の温度を下げればよいです。
(3)○正しい。若材齢では日光の直射や急激な乾燥にさらされると,コンクリート表面にプラスティック収縮ひび割れが生じたり,表層部がポーラスになるなどの可能性が生じます。仮設上屋設置は有効な対策の一つです。
(4)×誤り。土木学会示方書では,日平均気温が25℃をこえるような,暑中コンクリートにおける許容打ち重ね時間間隔の標準を2.0時間としています。

【No.122】

寒中コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)暑中コンクリートにおいて,緻密な組織のコンクリートとし,凍結融解抵抗性を確保するために空気量を3%と指定した。
(2)暑中コンクリートにおいて,初期凍害防止のために単位水量をできるだけ少なくした。
(3)暑中コンクリートにおいて,配管したスチームにより,貯蔵中の粗骨材を50℃に加熱した。
(4)暑中コンクリートにおいて,打ち込み時のコンクリート温度が15℃となるように計画した。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。土木学会示方書では,寒冷地等で長期的に凍結融解作用を受けるような場合には,所要の強度を満足することを確認した上で,6%程度の空気量とするのがよいとしています。
(2)○正しい。単位水量が大きくなると,材料分離抵抗性の低下や乾燥収縮が大きくなるなど,コンクリートの品質低下につながるため,作業ができる範囲で,できるだけ単位水量を小さくするのがよいです。
(3)○正しい。コンクリートの練り上がり温度を確保する方法として,材料を加熱する場合があり,粗骨材の加熱も一つの方法です。ただし,骨材を65℃以上に熱するとセメントを急結させる場合があります。
(4)○正しい。打ち込み後の凍結を避けるためには,打ち込み温度として,10℃程度を確保する必要がありますが,打ち込み温度を上げると,マスコンクリートでは温度ひび割れが発生する可能性も生じます。土木学会示方書では,打ち込み時のコンクリート温度を5~20℃としています。

【No.123】

寒中でコンクリート橋脚を施工する場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)寒中でコンクリート橋脚を施工する場合,水和熱の低いセメントを用いるので,セメントを加熱する計画とした。
(2)寒中でコンクリート橋脚を施工する場合,コンクリート製造時の練り混ぜ水と骨材の混合物の温度は,50℃になるように計画した。
(3)寒中でコンクリート橋脚を施工する場合,加熱養生を行う場合にコンクリート表面の乾燥を防ぐために散水する計画とした。
(4)寒中でコンクリート橋脚を施工する場合,型枠の取り外し直後から,コンクリート表面が水で飽和される頻度が高い部位では,水で飽和される頻度が低い部位より,養生期間を短くする計画とした。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。土木学会コンクリート標準示方書施工編では,水または骨材を加熱することとし,セメントを直接,熱してはならないとしています。
(2)×誤り。寒中コンクリートでは,練り上がり温度を確保するため,材料を加熱する方法がありますが,高温の水とセメントが接触することでセメントが急結することがないよう,水と骨材の温度を40℃以下とするのがよいです。
(3)○正しい。急激な乾燥や局部的な加熱はコンクリートの品質に大きな影響を及ぼします。寒中コンクリートの加熱養生においては,コンクリート表面の乾燥による品質低下を避けるため,散水養生を行うのがよいです。
(4)×誤り。初期凍害に対する抵抗性を確保する上で,十分な期間の養生が不可欠であり,環境条件が厳しい場合には,養生期間を長くする必要があります。

【No.124】

暑中でコンクリート建物を施工する場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)暑中でコンクリート建物を施工する場合,コールドジョイントの発生を抑制するため,AE減水剤を標準形から遅延形に変更した。
(2)暑中でコンクリート建物を施工する場合,スランプの低下が予想されたため,現場において遅延形の流動化剤を使用する計画とした。
(3)暑中でコンクリート建物を施工する場合,練り上がり時のコンクリート温度を2℃下げるため,練り混ぜ水の温度を4℃下げる計画とした。
(4)暑中でコンクリート建物を施工する場合,プラスティック収縮ひび割れを抑制するため,仮設上屋を設けて直射日光を防ぐとともに打ち込み後に膜養生剤を用いる計画とした。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート凝結時間が早まることによる,コールドジョイント発生を抑制する対策として,遅延形混和剤を用い,凝結時間を遅らせる方法があります。
(2)○正しい。暑中コンクリートでは,施工性の改善や品質確保のため,流動化コンクリートを用いる場合があります。ただし,流動化コンクリートは,一般的に,スランプの経時変化が大きくなるので,遅延形流動化剤の使用や,ベースコンクリートに遅延形の減水剤やAE減水剤を用いることなどの注意が必要です。
(3)×誤り。コンクリートの温度を1℃下げるためには,おおむね,セメント温度で8℃,水の温度で4℃,骨材温度で2℃,いずれかの材料の温度を下げればよいです。練り混ぜ水を4℃下げるだけでは,コンクリート温度を2℃下げることは難しいです。
(4)○正しい。暑中コンクリートでは日光の直射や,風などによる急激な乾燥を避け,ひび割れ発生を防ぐため,露出面を速やかに湿潤養生することが重要です。仮設屋根の設置,膜養生剤は暑中コンクリートの養生対策となります。

【No.125】

寒中コンクリートの製造で,加熱した材料を用いる場合の次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)寒中コンクリートの製造で,加熱した材料を用いる場合,骨材と水の混合物の温度を50℃とした後,セメントを投入して練り混ぜた。
(2)寒中コンクリートの製造で,加熱した材料を用いる場合,骨材は,スチーム配管を用いて50℃まで加熱して用いた。
(3)寒中コンクリートの製造で,加熱した材料を用いる場合,荷卸し時のコンクリート温度は,15℃を目標とした。
(4)寒中コンクリートの製造で,加熱した材料を用いる場合,打ち込みまでの1時間当たりの温度低下を,コンクリートの練り上がり温度と,気温の差の15%として,コンクリートの練り上がり温度を管理した。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。寒中コンクリート対策として,材料を加熱する方法がありますが,土木学会示方書では,高温の水とセメントが接触することで,セメントが急結することのないよう,水と骨材の混合物の温度を40℃以下とするのがよいとしています。
(2)○正しい。土木学会示方書では,骨材を65℃以上に熱すると,セメントの急結の恐れが生じるとしています。50℃であれば、水と骨材の混合物の温度は40℃以下となります。
(3)○正しい。初期凍結を避けるため,打ち込み温度として10℃程度を確保する必要がありますが,打ち込み温度を上げると,温度ひび割れが発生する可能性も生じます。土木学会示方書では,打ち込み時のコンクリート温度を,5~20℃としています。打ち込みまでの時間を考慮し,荷卸し時の温度を10~20℃とするのがよいです。
(4)○正しい。土木学会示方書では,1時間あたりの温度低下は,コンクリート温度と周囲の気温との差の15%としています。
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