【過去問演習(3)No.16-20_材料】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.16】

AE剤の使用量を一定とした場合,AEコンクリートの空気量が減少する要因として,適当なものはどれか。
(1)コンクリートの練上がり温度が低くなると,AEコンクリートの空気量が減少する。
(2)細骨材率を大きくすると,AEコンクリートの空気量が減少する。
(3)単位セメント量を小さくすると,AEコンクリートの空気量が減少する。
(4)練り混ぜ水に含まれるスラッジ固形分が多くなると,AEコンクリートの空気量が減少する。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートの温度が低くなるとコンクリートの粘性が小さくなるので,空気は連行されやすくなり,空気量は増大します。
(2)×誤り。コンクリートの細骨材率が大きくなるとモルタル分が多くなるので,AE剤の使用量が同一の場合,空気量は増大します。
(3)×誤り。単位セメント量を小さくするとコンクリートの粘性が小さくなるので,空気量は増大します。
(4)○正しい。練り混ぜ水に含まれるスラッジ分が多くなると微粒分が多くなるので,AE剤がその微粒分に吸着され,空気量は減少します。

【No.17】

混和材の使用に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)高炉スラグ微粉末を,硬化コンクリートへの塩化物イオンの浸透を抑制するために用いた。
(2)フライアッシュを,コンクリートのアルカリシリカ反応を抑制するために用いた。
(3)シリカフュームを,高強度コンクリートの自己収縮を低減するために用いた。
(4)膨張材を,コンクリートにケミカルプレストレスを導入するために用いた。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。高炉スラグ微粉末を用いると,塩化物イオンの浸透が抑制されます。また,コンクリートの長期強度の増進,アルカリシリカ反応の抑制等の使用効果があります。
(2)○正しい。フライアッシュを用いると,アルカリシリカ反応が抑制されます。また,コンクリートの温度ひび割れの抑制,流動性の向上等の使用効果があります。
(3)×誤り。シリカフュームを高強度コンクリートに用いると,緻密化により細孔径が小さくなり,空隙に発生する毛細管張力が大きくなるため,自己収縮が大きくなります。
(4)○正しい。膨張材は,乾燥収縮によるひび割れの発生の抑制を目的とした収縮補償コンクリートと,ケミカルプレストレスの積極的な導入を目的としたケミカルプレストレスコンクリートに使用されます。ケミカルプレストレスとは,コンクリートの膨張を鉄筋などの拘束体で拘束することにより,コンクリートに導入される圧縮応力です。

【No.18】

JISA6204(コンクリート用化学混和剤)の規定に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)化学混和剤からもたらされるコンクリート中の全アルカリ量(Na2Oeq)は,0.30kg/m3以下とされている。
(2)化学混和剤の形式評価試験は製品を開発した当初に行う試験であり,性能確認試験はその後に定期的に行う試験である。
(3)AE減水剤を用いたコンクリートの凍結融解に対する抵抗性は,凍結融解の繰返し300サイクルにおける相対動弾性係数で60%以上とされている。
(4)高性能AE減水剤は,標準形,遅延形および促進形に区分されている。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。全アルカリ量は,JISA6204に規定されている試験コンクリート中に含まれる量として0.30kg/m3以下でなければなりません。試験コンクリートとは,化学混和剤の品質を試験する場合に試験の対象とする化学混和剤を用いたコンクリートのことです。
(2)○正しい。形式評価試験は,製品を開発した当初に性能確認として行う全項目試験であり,性能確認試験は,形式評価試験で確認された性能と同等の性能をもつことを定期的に確認するために,その一部項目について行う試験です。
(3)○正しい。AE剤,AE減水剤,高性能AE減水剤,および流動化剤には,凍結融解に対する抵抗性の性能として相対動弾性係数で60%以上とされています。
(4)×誤り。高性能AE減水剤は空気連行性能をもち,AE減水剤よりも高い減水性能およびスランプ保持性能をもつ化学混和剤です。標準形と遅延形の区分はありますが促進形はありません。

【No.19】

混和材の使用に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)フライアッシュは,アルカリシリカ反応の抑制に適している。
(2)高炉スラグ微粉末は,塩化物イオンの浸透抑制に適している。
(3)膨張材は,収縮ひび割れ抵抗性の向上に適している。
(4)石灰石微粉末は,長期強度発現性の向上に適している。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。フライアッシュは,コンクリートの温度ひび割れの抑制,流動性の向上,アルカリシリカ反応の抑制,海水に対する化学抵抗性の向上等の使用効果があります。
(2)○正しい。高炉スラグ微粉末は,コンクリートの長期強度の増進,塩化物イオンの浸透抑制,アルカリシリカ反応の抑制,海水に対する化学抵抗性の向上等の使用効果があります。
(3)○正しい。膨張材は,水和反応によってコンクリートを膨張させるので,コンクリートの乾燥収縮ひび割れを抑制する使用効果があります。
(4)×誤り。石灰石微粉末は,材料分離抵抗性の向上,水和熱の低減等の使用効果はありますが,長期強度を増進する効果は有していません。

【No.20】

コンクリートの性質に与える各種混和材の効果に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)フライアッシュには,ポゾラン活性によって,強度を長期にわたって増加させる効果がある。
(2)高炉スラグ微粉末には,アルカリシリカ反応を抑制する効果がある。
(3)シリカフュームには,潜在水硬性によって,自己収縮を低減させる効果がある。
(4)膨張材には,エトリンガイトまたは水酸化カルシウムの結晶を生成して膨張し,乾燥収縮ひび割れを低減させる効果がある。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。フライアッシュは,セメントの水和により生成される水酸化カルシウムと反応して不溶性のけい酸カルシウム水和物を生成するので,湿潤養生を十分行えば長期強度が増進します。
(2)○正しい。高炉スラグ微粉末は,潜在水硬性を有しておりコンクリートが緻密化され,長期強度の増大,海水に対する耐久性が向上するとともに,アルカリ骨材反応も抑制されます。
(3)×誤り。シリカフュームは,潜在水硬性は有していません。また,低水結合材比の場合,自己収縮が無混入の場合より大きくなります。
(4)○正しい。膨張材は,水和反応によりエトリンガイトまたは水酸化カルシウムの結晶を生成して膨張します。
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