レオロジー:流動学=物質の変形と流動に関する科学
ビンガムモデル:レオロジーの中で用いられる応力ーひずみの関係
レオロジー曲線は、大きく「ニュートン流体」と「非ニュートン流体」の二つに分けられ、「非ニュートン流体」は流体の性質によってさらに呼び方があります。
非ニュートン流体の種類
- ダイラタント流体
- 擬塑性流体
- ビンガム流体
フレッシュコンクリートの性質は、「非ニュートン流体」の中の「ビンガム流体」に属します。ほかの流体の具体例は割愛させていただきますが、化粧品や食品(でんぷんを溶かした液体等)の分野でレオロジー(流動学)の概念が使われることが多いそうです。
ニュートン流体と非ニュートン流体の表
呼び方 | ニュートン流体 | 非ニュートン流体 | ||
ダイラタント流体 | 擬塑性流体 | ビンガム流体 | ||
特徴 | せん断応力とせん断ひずみ速度が線形 | せん断応力とひずみ速度が非線形 | ||
レオロジー曲線 | ||||
数式 | せん断ひずみ速度=v0+η×せん断応力n | |||
係数の違い | v0=0,n=1 | v0=0,n<1 | v0=0,n>1 | v0<0,n=1 |
同じせん断ひずみ速度の場合
左に行くほど、さらさらした流体
右に行くほど、どろどろした流体というイメージです。
コンクリート主任技士過去問(H30.No.7)
下図は、フレッシュ性上の異なる4種類のコンクリートA,B,C,Dをビンガム流体と仮定した時のせん断応力とせん断ひずみ速度の関係を模式的に示したものである。次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)スランプは、AがBより大きい。
(2)材料分離抵抗性は、CがAより大きい。
(3)圧送時の圧力損失は、DがBより大きい。
(4)振動締固めに必要なエネルギーは、AがDより大きい。
正解(4)
右に行くほどドロドロな(固い)コンクリートだというイメージを持ってください。
(1)はスランプの大きさなので、スランプが大きいほど柔らかいということになります。
(2)は材料の分離しにくさですので、右側のCの方が分離しにくいです。
(3)は固いコンクリートの方がより多くの圧力が必要になることから、圧力損失は大きくなります。
(4)はDの方が固いコンクリートなので、必要なエネルギーが少なくて済むことが分かります。
以上、言葉の定義さえわかれば、難しくない問題ですね!