【ホップを使う意味とは?】苦みと香りが決め手です

ビール

海外のビール自作動画と本を読んで勉強

クラフトビール屋を開くことができるのは、いつになるかわからないので、まずはビールの製造について学んだことをこのブログにまとめていきます。

ビールの原材料で欠かせない【ホップ】の役割とは?

「ホップ」が使われ始めたのは、8世紀頃のドイツのバイエルン地方が最初といわれています。抗菌作用の強いホップは、アルコール度が低くて腐敗しやすいビールの醸造・保存に役立ちます。 また、ホップには苦みと独特の香りがあり、これがビールの苦味と香りに大きくかかわってきます。

ホップの中にあるルプリンが苦みと香りの決め手

ホップの花弁の根元には「ルプリン」と呼ばれる黄金色のカプセルのような部位が存在します。そのルプリンの中には”レズン”と呼ばれる樹脂とオイルが内包されています。 ビールの苦味はこの”レズン”から、独特の香りはオイルから生み出されます。

苦み成分は”α酸レズン”によって形成される

ホップには、αとβの2種類のレズンが含まれています。それぞれα酸とβ酸と呼ばれ、ともにホップの苦味に貢献しています。 そして、ビールの苦味成分のほとんどがα酸によって形成されているので、ホップの苦味を表わす際には「α酸が〇%」という表現が使われます。 参考までに、α酸と苦味の関係例を示します。

ホップ(α酸度) 3~5% 6~7% 8~9% 10~12%
苦味の感じ方 少し苦い 少し苦い~普通の苦み 普通の苦み 強い苦味

α酸の抽出方法

ホップから苦み成分を抽出するためには、煮込まなければなりません。 大体30分以上煮込めば、α酸とβ酸の苦味成分をホップから抽出することが出来ます。 レズンは液体に溶けにくいため、煮込む際には強く沸騰させ、対流するようにしっかりと煮込む必要があります。 強く沸騰させることによってα酸が溶けやすい状況を創り出します。 そのことにより、α酸は異性化(ある分子が原子の組成は全くそのままに、原子の配列が変化して別の分子に変換すること)と呼ばれる化学反応を起こし、液体の中に溶け込んでいきます 。一方、β酸は酸化させることでしか液体に溶け込ませることが出来ません。 しかも、苦みに対する貢献度はα酸よりずっと低く、むしろ”オフフレーバー”と呼ばれる雑味が出てしまい、ビールにとってはマイナスの効果のほうが強くなってしまいます。

IBU(International Bitterness Unit)

ビールの苦味を表わす指標として考案されたのがIBUという単位です。これは、1リットルのビールに1ミリグラムの異性化したα酸が含まれているとき、”1IBU”とすることに決められたものです。 ただし、IBUの値が同じでも、スタウト(いわゆる黒ビール)とラガーがあったとすると、人間の味覚ではラガーのほうが苦く感じられるということを念頭に置かなければなりません。

【ホップについて】まとめ

将来、クラフトビール工場を造ることを目標に、ビールについて学んでいます。まずは、ホップについて以下にまとめます。

  1. ビールの独特な香りを決める
  2. 苦味の強さを決める
  3. α酸とβ酸が抽出されるが、α酸がビールとしてのおいしい苦味を決定する

ビールの種類が多すぎて、どれが自分にとって一番おいしく感じるかと思い始めたのがきっかけです。

ビールは自分で造れるって知ってましたか?海外では盛んに自作ビールが造られ、youtubeの動画で「Home Brew」と検索すると、外国の方が家庭でビールを作る方法を配信している動画がいくらでも見つかります。 一方、日本国内では1パーセント以上のアルコールを含む飲料を醸造することはできませんので、自作ビールの動画は数が限られています。内容も、海外のものに比べると見劣りしてしまいます

日本国内の酒税法改正により、地ビールが増えた?

平成6年4月の酒税法改正により、ビールの製造免許を取得する際の要件である一つの製造場でのビールの年間の製造見込数量が、2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられましたが、60キロリットルとしても500ミリリットル缶のビールを1年間に12万本以上造ることができる製造所ということになりますので、個人が趣味で造れる量ではありません。 ヤッホーブルーイングのようなクラフトビールがコンビニの陳列棚に当たり前のように並ぶようになってから久しいですが、クラフトビール工場作って、レストランで提供したいという筆者の夢の達成は、なかなか長い道のりであることがわかりました。

おまけ

他にも、ホップには抗菌作用があるといったこともわかりましたが、現代におけるビールの醸造・保存時に菌が繁殖してビール造りが失敗してしまうことはほとんどないことがわかりました。 昔は殺菌技術・冷蔵保存技術がなかったため、アルコール度数を高くし、ホップの抗菌作用によってビールを長持ちさせていたようです。 18世紀頃、イギリスから植民地のインドへの長い船旅では、水分の確保が船員の命にかかわる問題だったため、常温でも保存の効くビールが造られていました。 それがI・P・A(India Pale Ale)という高アルコールで苦味の強いビールの特徴になったということです。ヤッホーブルーイングさんが販売している「インドの青鬼」はまさに歴史を感じる味がします。

海外のビール自作動画と本を読んで勉強

クラフトビール屋を開くことができるのは、いつになるかわからないので、まずはビールの製造について学んだことをこのブログにまとめていきます。

ビールの原材料で欠かせない【ホップ】の役割とは?

「ホップ」が使われ始めたのは、8世紀頃のドイツのバイエルン地方が最初といわれています。抗菌作用の強いホップは、アルコール度が低くて腐敗しやすいビールの醸造・保存に役立ちます。 また、ホップには苦みと独特の香りがあり、これがビールの苦味と香りに大きくかかわってきます。

ホップの中にあるルプリンが苦みと香りの決め手

ホップの花弁の根元には「ルプリン」と呼ばれる黄金色のカプセルのような部位が存在します。そのルプリンの中には”レズン”と呼ばれる樹脂とオイルが内包されています。 ビールの苦味はこの”レズン”から、独特の香りはオイルから生み出されます。

苦み成分は”α酸レズン”によって形成される

ホップには、αとβの2種類のレズンが含まれています。それぞれα酸とβ酸と呼ばれ、ともにホップの苦味に貢献しています。 そして、ビールの苦味成分のほとんどがα酸によって形成されているので、ホップの苦味を表わす際には「α酸が〇%」という表現が使われます。 参考までに、α酸と苦味の関係例を示します。

ホップ(α酸度) 3~5% 6~7% 8~9% 10~12%
苦味の感じ方 少し苦い 少し苦い~普通の苦み 普通の苦み 強い苦味

α酸の抽出方法

ホップから苦み成分を抽出するためには、煮込まなければなりません。 大体30分以上煮込めば、α酸とβ酸の苦味成分をホップから抽出することが出来ます。 レズンは液体に溶けにくいため、煮込む際には強く沸騰させ、対流するようにしっかりと煮込む必要があります。 強く沸騰させることによってα酸が溶けやすい状況を創り出します。 そのことにより、α酸は異性化(ある分子が原子の組成は全くそのままに、原子の配列が変化して別の分子に変換すること)と呼ばれる化学反応を起こし、液体の中に溶け込んでいきます 。一方、β酸は酸化させることでしか液体に溶け込ませることが出来ません。 しかも、苦みに対する貢献度はα酸よりずっと低く、むしろ”オフフレーバー”と呼ばれる雑味が出てしまい、ビールにとってはマイナスの効果のほうが強くなってしまいます。

IBU(International Bitterness Unit)

ビールの苦味を表わす指標として考案されたのがIBUという単位です。これは、1リットルのビールに1ミリグラムの異性化したα酸が含まれているとき、”1IBU”とすることに決められたものです。 ただし、IBUの値が同じでも、スタウト(いわゆる黒ビール)とラガーがあったとすると、人間の味覚ではラガーのほうが苦く感じられるということを念頭に置かなければなりません。

【ホップについて】まとめ

将来、クラフトビール工場を造ることを目標に、ビールについて学んでいます。まずは、ホップについて以下にまとめます。

  1. ビールの独特な香りを決める
  2. 苦味の強さを決める
  3. α酸とβ酸が抽出されるが、α酸がビールとしてのおいしい苦味を決定する

ビールの種類が多すぎて、どれが自分にとって一番おいしく感じるかと思い始めたのがきっかけです。

ビールは自分で造れるって知ってましたか?海外では盛んに自作ビールが造られ、youtubeの動画で「Home Brew」と検索すると、外国の方が家庭でビールを作る方法を配信している動画がいくらでも見つかります。 一方、日本国内では1パーセント以上のアルコールを含む飲料を醸造することはできませんので、自作ビールの動画は数が限られています。内容も、海外のものに比べると見劣りしてしまいます

日本国内の酒税法改正により、地ビールが増えた?

平成6年4月の酒税法改正により、ビールの製造免許を取得する際の要件である一つの製造場でのビールの年間の製造見込数量が、2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられましたが、60キロリットルとしても500ミリリットル缶のビールを1年間に12万本以上造ることができる製造所ということになりますので、個人が趣味で造れる量ではありません。 ヤッホーブルーイングのようなクラフトビールがコンビニの陳列棚に当たり前のように並ぶようになってから久しいですが、クラフトビール工場作って、レストランで提供したいという筆者の夢の達成は、なかなか長い道のりであることがわかりました。

おまけ

他にも、ホップには抗菌作用があるといったこともわかりましたが、現代におけるビールの醸造・保存時に菌が繁殖してビール造りが失敗してしまうことはほとんどないことがわかりました。 昔は殺菌技術・冷蔵保存技術がなかったため、アルコール度数を高くし、ホップの抗菌作用によってビールを長持ちさせていたようです。 18世紀頃、イギリスから植民地のインドへの長い船旅では、水分の確保が船員の命にかかわる問題だったため、常温でも保存の効くビールが造られていました。 それがI・P・A(India Pale Ale)という高アルコールで苦味の強いビールの特徴になったということです。ヤッホーブルーイングさんが販売している「インドの青鬼」はまさに歴史を感じる味がします。

タイトルとURLをコピーしました