『決算整理-売上原価の処理②』-簿記3級-学習記録

簿記3級

期首に商品がある場合

前回は、前期からの繰越商品(資産)が残されていない場合についての学習でしたが、今回は、前期からの繰越商品(資産)が残されている場合の精算表の作成です。

決算において、期末に残っている商品の仕入原価(期末商品棚卸高(きまつしょうひんたなおろしだか)といいます)を仕入(費用)から繰越商品(資産)に振り替えました。

では、開始した時点で、前期からの繰越商品(資産)があり、期末においても手もとに商品が残った場合、どのように処理されるのでしょうか。

期首に商品がある場合の期末時点の精算表への記入例

例として、当期に仕入れた商品は1,000円ですが、このうち100円は期末において手もとに残っています。また、期首において前期から残っている商品が200円ある場合を考えます。

これを、勘定科目で言い換えると・・・。

期末商品棚卸高は100円で、期首の商品仕入高は1,000円、期首商品棚卸高は200円の場合を考えます。

試算表 修正記入 損益計算書 貸借対照表
借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方
繰越商品 200
売 上 2,000
仕 入 1,000

ここから、期末時点での売れ残りの100円分を精算表で処理していきます。

前期の繰越商品があるうえで、当期の期末に商品が残った場合の仕訳

例題では、当期の商品仕入高1,000円のうち、100円が期末に資産として残ってます。そこで、100円について、仕入(費用)から繰越商品(資産)に振り替えます。

また、前期からの繰越商品(資産)200円を仕入(費用)に振り替えます。

仕   訳
借方 金額 貸方 金額
(仕  入) 200 (繰越商品) 200
(繰越商品) 100 (仕  入) 100

この仕訳により、仕入(費用)は1,100円(1,000円+200円-100円)となります。この1,100円は、当期に売り上げた商品の仕入原価なので売上原価(うりあげげんか)になります。

前期の繰越商品があるうえで、当期の期末に商品が残った場合の精算表の記入

上記、期末の決算整理の仕訳を、精算表の修正記入欄に記入し、損益計算書欄と貸借対照表欄を埋めます。

試算表 修正記入 損益計算書 貸借対照表
借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方
繰越商品 200 100 200 100
売 上 2,000 2,000
仕 入 1,000 200 100 1,100

売上原価と売上総利益

以上より、売上原価は次の計算式で算定できます。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
(1,100円=200円+1,000円-100円)

売上総利益は、次の計算式で算定できます。

売上総利益=売上高-売上原価
(900円=2,000円-1,100円)

以上、前期の繰越商品があるうえで、当期の期末に商品が残った場合の精算表の記入例を学習しました。

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