【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.49)塩害、ASR

コンクリート診断士 問題と解説Vol.49

【問241_塩害】

 建設後10年が経過した海岸沿いに位置する道路橋の鉄筋コンクリート桁の調査を行った。鉄筋腐食の評価・判定に関する記述(A)~(C)の次の正誤の組合せのうち、適当なものはどれか

(A)自然電位が-500mV(銅・飽和硫酸銅電極:CSE)であったため、鉄筋腐食の可能性は小さいと判断した。

(B)曲げひび割れが発生していたが、幅が0.3mm程度であったので内部の鉄筋腐食の可能性は小さいと判断した。

(C)軸方向の鉄筋に沿ったひび割れが見つかったため、内部の鉄筋腐食の可能性は大きいと判断した。

(A) (B) (C)
(1)
(2)
(3)
(4)
クリックで【問題241】の解答と解説をみる

正解(4)

(A)誤りです。自然電位は-200mV以上で90%以上の確率で腐食無し、-350mV以下では、90%以上の確率で腐食ありと判定されます。

(B)誤りです。曲げひび割れで幅0.3mm以下のものは鉄筋腐食の可能性が低いとの判断は、海岸沿いの厳しい環境条件から不適当になります。

(C)問題のとおりです。軸方向の鉄筋に沿ったひび割れが見つかった場合、内部の鉄筋腐食の可能性は大きいと判断します。

【問242_ASR】

 アルカリ骨材反応による劣化の評価に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)アルカリ骨材反応が発生したポストテンション方式のPC・T桁において、主ケーブルと平行にひび割れが発生する場合が多い。

(2)アルカリ骨材反応により生じたひび割れや色調の変化は、降雨後に構造物が湿潤状態から乾燥状態に移る過程で強調される。

(3)採取したコアの促進膨張試験においてほとんど膨張を示さない場合、その構造物はアルカリ骨材反応によって劣化したものでない。

(4)アルカリ骨材反応によって発生したひび割れには、白色のゲルが滲出している場合が多い。

クリックで【問題242】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)問題のとおりです。PC部材でアルカリシリカ反応によるひび割れが発生した場合、ケーブル、緊張材と平行にひび割れが発生することが多くなります。アルカリシリカ反応によるひび割れは、無筋コンクリートであれば、単純な膨張により、ひび割れは亀甲状に発生しますが、PC部材は、緊張材で圧縮応力を与えているため、緊張材の直交方向にはひび割れが生じにくくなります。結果的に緊張材と平行にひび割れが生じる場合が多くなります。

(2)問題のとおりです。降雨後に表面が乾燥すると、ひび割れ部分に水分が残り、ひび割れ部分が濃い色に強調されます。

(3)誤りです。促進膨張試験において、アルカリシリカ反応による膨張が終了したコンクリートは、膨張を示さなくなります。

(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応によって発生するアルカリシリカゲルは、ゲル状の白色物質です。ひび割れから白色のゲルが滲出する場合が多いです。

【問243_ASR】

 コンクリート構造物の劣化の評価・判定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)凍害のおそれのない鉄筋コンクリート擁壁に、互いに120度の角度で発生した網目状のひび割れが見られた。ひび割れの形状から、劣化原因をアルカリシリカ反応と判断した。

(2)竣工後5年経った鉄筋コンクリートボックスカルバートから採取した骨材に対し、アルカリシリカ反応性試験を行った結果、「無害でない」と判定された。しかしこれまでの観察で外観の変状が見られなかったので、将来にわたって劣化が顕在化することはないものと判断した。

(3)4斜線道路の橋梁下部工で、暫定2車線供用のため、その半分にだけ桁が載っている。桁下の下部工には異常がないが、桁の載っていない下部工部分ではアルカリシリカ反応によるひび割れが見られた。両者の差は、雨がかりの差に起因すると判断した。

(4)高圧送電線の無筋コンクリートの基礎ブロック部分にアルカリシリカ反応による劣化が生じている。今後の劣化の進行を予測するために、1年間の膨張挙動の計測が必要であると判断した。

クリックで【問題243】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)問題のとおりです。網目状のひび割れが疑われる原因は、凍害とアルカリシリカ反応です。

(2)誤りです。アルカリシリカ反応性試験を行った結果、「無害でない」つまり、有害である可能性があるため、アルカリシリカ反応性を有しています。アルカリ骨材反応は、反応性骨材の種類によって、反応の速度が非常にゆっくりと進行する場合もあります。

(3)問題のとおりです。アルカリシリカ反応による劣化は、シリカ分を含むアルカリ反応性骨材、アルカリ、水が存在する条件で生じます。水の有無は、劣化の程度に大きく影響します。

(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応による劣化が生じてい場合、今後の劣化の進行を予測するために、1年間の膨張挙動の計測が必要であると判断するのは適当です。

【問244_ASR】

 温暖な地域のコンクリート構造物において、反応性骨材の使用が疑われる場合の劣化評価に関する記述のうち、不適当なものはどれか

(1)無筋コンクリート構造物全体に比較的幅の広い網目状のひび割れが発生していたので、アルカリシリカ反応による劣化の可能性が高いと判断した。

(2)擁壁のコンクリート表面が茶褐色に変色し、ひび割れから白色のゲルが滲出していたので、アルカリシリカ反応による劣化の可能性が高いと判断した。

(3)橋脚から採取したコアの圧縮試験をしたところ、ヤング係数が圧縮強度との相関を考えると著しく低い値であったので、アルカリシリカ反応による劣化の可能性が高いと判断した。

(4)建物床スラブの中で、常時乾燥している箇所のひび割れが他の箇所に比較して顕著であったので、アルカリシリカ反応による劣化の可能性が高いと判断した。

クリックで【問題244】の解答と解説をみる

正解(4)

(1)問題のとおりです。網目状のひび割れが疑われる原因は、凍害とアルカリシリカ反応です。温暖な地域のため、アルカリシリカ反応による劣化の可能性が高いです。

(2)問題のとおりです。ひび割れからの白色ゲルは、アルカリシリカ反応によって生じたアルカリシリカゲルである可能性が高いと判断します。

(3)問題のとおりです。アルカリシリカ反応による膨張劣化により、ヤング係数が著しく低い値となる可能性があります。

(4)誤りです。アルカリシリカ反応による劣化は、シリカ分を含むアルカリ反応性骨材、アルカリ、水が存在する条件で生じます。乾燥しており、水がない状態ではアルカリシリカ反応は抑制されます。

【問245_ASR】

 アルカリ骨材反応による劣化に関する次の判断のうち、不適当なものはどれか

(1)配合計画書から計算して、コンクリート中のアルカリ総量が2.0kg/m3で、アルカリ骨材反応による劣化の可能性は低いと判断した。

(2)骨材の岩種が堆積岩であったので、アルカリ骨材反応による劣化の可能性は低いと判断した。

(3)高炉スラグの分量が質量で55%の高炉セメントB種を用いていたので、アルカリ骨材反応による劣化の可能性は低いと判断した。

(4)フライアッシュを、普通ポルトランドセメントに対して質量で30%置換して用いていたので、アルカリ骨材反応による劣化の可能性は低いと判断した。

クリックで【問題245】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)問題のとおりです。アルカリ骨材反応抑制対策として、コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とすることが挙げられます。

(2)誤りです。チャートに代表される、堆積岩は、アルカリシリカ反応性骨材です。

(3)問題のとおりです。アルカリ骨材反応抑制対策として、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメントを使用することが挙げられます。高炉セメントは、セメント中の高炉スラグの比率を40%以上とすることで、アルカリシリカ反応の抑制対策になるとされています。

(4)問題のとおりです。セメント中のフライアッシュの比率を15%以上とすることで、アルカリシリカ反応の抑制対策になるとされています。

タイトルとURLをコピーしました