【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.100)総合問題28

コンクリート診断士 問題と解説Vol.100

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問471_表面変状】

 温暖な内陸部にある、鉄筋コンクリート壁に生じた変状に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鉄筋コンクリート壁の、鉛直方向の鉄筋があらわになり、鉄筋の腐食が認められたため、この変状の原因を推定するために、貝殻混入の有無を調査した。
(2)鉄筋コンクリート壁の、鉛直方向の鉄筋があらわになり、鉄筋の腐食が認められたため、この変状の原因を推定するために、かぶり厚さを調査した。
(3)鉄筋コンクリート壁の、鉛直方向の鉄筋があらわになり、鉄筋の腐食が認められたため、この変状の原因を推定するために、鉄筋の断面減少率を調査した。
(4)鉄筋コンクリート壁の、鉛直方向の鉄筋があらわになり、鉄筋の腐食が認められたため、この変状の原因を推定するために、中性化深さを調査した。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。貝殻混入の有無により、海砂の使用による塩分腐食を調査できます。
(2)〇:問題のとおりです。かぶり厚さ不足による、鉄筋の腐食が考えられます。
(3)×:誤りです。鉄筋の断面積減少率は、劣化の程度を測定をすることができますが、変状の原因は推定できません。
(4)〇:問題のとおりです。中性化による、鉄筋の腐食が考えられます。

【問472_電位差滴定法】

 高炉セメントが用いられているコンクリートの、電位差滴定法による、全塩化物イオンの測定に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)粗骨材を含めて、0.15mm以下に粉砕したものを、試料とした。
(2)試料に塩酸を加えて、煮沸し、塩化物イオンを抽出した。
(3)抽出時に炭酸カルシウムを加えて、高炉スラグを酸化した。
(4)想定される塩化物イオン濃度が低かったため、濃度が、0.1モルパーリットルの、硝酸銀溶液を滴定に用いた。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。電位差滴定法による全塩化物イオンの測定では、粗骨材を含めて0.15mm以下に粉砕したものを試料とします。
(2)×:誤りです。電位差滴定法による全塩化物イオンの測定では、微粉砕した試料をビーカーに量り取り硝酸を加えます。
(3)×:誤りです。抽出時に炭酸カルシウムを加えて高炉スラグを酸化するような手順はありません。

(4)×:誤りです。電位差滴定法では硝酸銀標準溶液を用いて電位差滴定します。溶液1リットル中に、1/200モルの、硝酸銀溶液が溶けている溶液を用います。

【問473_自然電位法】

 鉄筋コンクリート構造物の、自然電位法による、鉄筋腐食調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)電位の測定に、直流電位差計を用いた。
(2)入力抵抗が、充分小さい電位差計を用いた。
(3)散水により、湿潤状態としたコンクリート表面が、測定中に乾燥したため、再度散水した。
(4)異なる種類の、照合電極を用いた測定値と比較するため、電位の測定値を補正した。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。電位の測定には、直流電位差計を用います。自然電位法は、鉄筋が腐食することによって変化する、鉄筋表面の電位から、鉄筋腐食の有無を判断するものです。
(2)×:誤りです。入力抵抗が小さい抵抗を用いると、鉄筋に流れる電流が大きくなり、腐食が進行してしまいます。鉄筋に電流をできるだけ流さないようにするため、入力抵抗が、100mΩ以上で、分解能が1mV以下の、直流電位差計を用います。
(3)〇:問題のとおりです。自然電位法による鉄筋の腐食調査では、湿潤状態としたコンクリート表面が、測定中に乾燥した場合、再度散水し、湿潤状態をたもちます。
(4)〇:問題のとおりです。異なる種類の、照合電極を用いた測定値と比較する場合、電位の測定値を補正します。

【問474_調査】

 寒冷地の、ポストテンション方式PC桁のシース内へのグラウト充填不良調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)シース内への雨水の侵入は、上向きの定着部で生じやすい。
(2)シース内へ、定着部から侵入した、凍結防止剤を含んだ水が滞留することで、エトリンガイトによるコンクリートのひび割れが発生する。
(3)シース内へ、定着部から侵入した、凍結防止剤を含んだ水の影響により、PC鋼材の腐食が発生している可能性がある。
(4)シース内へ、定着部から侵入した、凍結防止剤を含んだ水の影響により、二水せっこうによるコンクリートのひび割れが発生する。
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正解(2)と(4)

(1)〇:問題のとおりです。シース内への雨水の侵入は、上向きの定着部で生じやすいです。
(2)×:誤りです。エトリンガイトは、硫酸塩により生じます。シース内へ、定着部から侵入した、凍結防止剤を含んだ水が滞留することで、水の凍結膨張によるコンクリートのひび割れが発生します。
(3)〇:問題のとおりです。シース内へ、定着部から侵入した、凍結防止剤を含んだ水の影響により、PC鋼材の腐食が発生している可能性があります。
(4)×:誤りです。二水せっこうは、硫酸塩により生じます。

【問475_調査】

 鉄筋コンクリート造建築物の壁に生じた、ひび割れに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)パラペット壁の仕上げモルタルに、亀甲状のひび割れが生じていたので、乾湿の繰り返しが原因であると推察した。
(2)壁開口部の入隅から斜めにひび割れが生じていたので、乾燥収縮が原因であると推察した。
(3)外壁のコンクリートおよび仕上げ材に、鉛直方向のひび割れが生じていたので、地震荷重が原因であると推察した。
(4)独立したコンクリート壁に斜め同一方向のひび割れが生じていたので、不動沈下が原因であると推察した。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。パラペット壁は、雨が掛かる部分であることに加え、直射日光を受けることで乾燥しやすい部位です。
(2)〇:問題のとおりです。壁開口部の入隅から斜めにひび割れが生じていた場合は、乾燥収縮が原因である可能性が高いです。
(3)×:誤りです。地震荷重によって生じる壁部分のひび割れは、鉛直方向ではなく、斜め方向に生じる可能性が高いです。
(4)〇:問題のとおりです。独立したコンクリート壁に斜め同一方向のひび割れが生じていた場合、不動沈下が原因である可能性が高いです。
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