【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.79)総合問題7

コンクリート診断士 問題と解説Vol.79

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問381_すり減り】

 コンクリートのすり減りに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)圧縮強度が同一の場合、普通コンクリートは軽量コンクリートより、すり減り抵抗性が高い。
(2)圧縮強度が同一の場合、細骨材率が38%のコンクリートは細骨材率が43%のコンクリートより、すり減り抵抗性が高い。
(3)流水中に、混在する気泡が圧潰されてキャビテーションが生じた場合、コンクリートのすり減り量が大きくなる。
(4)流速が一定の場合、流水中のコンクリートのすり減り量は、経過時間の平方根に比例して大きくなる。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。軽量コンクリートには、軽量骨材が使用されています。軽量骨材は吸水率が高く、骨材強度が小さいため、軽量コンクリートのすり減り抵抗性は普通コンクリートより小さくなります。
(2)〇:問題のとおりです。細骨材率が少ないほど、粗骨材が多くなります。粗骨材が多いコンクリートほど、すり減り抵抗性は高くなります。
(3)〇:問題のとおりです。キャビテーションとは、流水中の圧力差により、短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象です。キャビテーションにより発生する気泡は、圧潰され、コンクリート面に衝撃を与え、すり減り量は大きくなります。
(4)×:誤りです。流水中のコンクリートのすり減り量は、コンクリート表面の状態や、形状に大きく左右されます。そのため、すり減り量は経過時間の平方根に比例するといった、単純化はできません。

【問382_凍害】

 コンクリートのすり減りに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリートの細孔中における、水分の凍結温度は細孔径が大きいほど低くなる。
(2)コンクリートの細孔中における、未凍結水の移動に伴う水圧が原因となり、ひび割れが生じる。
(3)海岸際に立地するコンクリート構造物で、海水の飛沫を受ける面と受けない面を比較した場合、飛沫を受ける面のほうがスケーリングは発生しやすい。
(4)コンクリート構造物の日射を受ける面と受けない面を比較した場合、日射を受ける面のほうがスケーリングは発生しやすい。
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正解(1)

(1)×:誤りです。コンクリートの細孔中における、水分の凍結温度は細孔径が小さいほど低くなります。
(2)〇:問題のとおりです。外気温の効果に伴って、コンクリート中では径の大きい細孔中の水から凍結し始め、続いて径の小さい細孔中の水が凍結します。水は凍結すると体積が約9%増加します。膨張により、未凍結水による水圧が高くなることが凍害の主因とされています。
(3)〇:問題のとおりです。スケーリングはコンクリート表面がはく離する現象です。海岸際に立地するコンクリート構造物で、海水の飛沫を受ける面と受けない面を比較した場合、飛沫を受ける面のほうが海水の凍結・融解作用および、塩害環境であるため、スケーリングが発生しやすくなります。
(4)〇:問題のとおりです。日射を受ける面のほうが、夜間の凍結と日中の温度上昇による融解による影響が大きく、凍害は発生しやすくなります。

【問383_凝結時間】

 暑中コンクリートの初期欠陥を防止するための配(調)合を計画する際、コンクリートの凝結時間を測定することとした。JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)の規定に照らして、次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)凝結時間を求めるための時刻の起点は、試料を円筒容器に入れた時刻とした。
(2)試料表面のブリーディング水を取り除いて貫入試験を行った。
(3)貫入抵抗値が、3.5N/mm2になるまでの時間を始発時間とした。
(4)貫入抵抗値が、28N/mm2になるまでの時間を終結時間とした。
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正解(1)

(1)×:誤りです。凝結時間の時刻の起点は、試料を円筒容器に入れ、貫入試験を開始した時刻とします。
(2)〇:問題のとおりです。ブリーディング水がある場合、貫入試験を行う直前に試料の表面のブリーディング水をピペットなどで吸い取ります。
(3)〇:問題のとおりです。貫入抵抗値が3.5N/mm2になるまでの時間を始発時間とします。
(4)〇:問題のとおりです。貫入抵抗値が28N/mm2になるまでの時間を終結時間とします。

【問384_アルカリシリカ反応】

 アルカリシリカ反応の可能性が高い変状の原因を調べるための調査方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コアを採取し、目視で骨材の反応リムの有無を調べた。
(2)原子吸光光度法でコンクリート中の水溶性アルカリ量を調べた。
(3)電位差滴定法で白色析出物中のシリカの含有量を調べた。
(4)白色析出物がアルカリシリカゲルであることを特定するために酢酸ウラニル蛍光法を用た。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。アルカリシリカ反応の調査では、まず、外観の目視調査を行い、その後、コアを採取してコア周面や骨材周辺に反応リムが見られるかどうか、目視調査を行います。反応リムとはアルカリシリカ反応によって骨材周辺に形成された薄い層です。
(2)〇:問題のとおりです。アルカリシリカ反応はアルカリ環境で起こります。水溶性アルカリ量を調べる方法として原子吸光光度法があります。
(3)×:誤りです。電位差滴定法は塩化物イオン量を化学分析により計測する方法です。塩害調査などで用いられます。シリカの含有量の測定には原子吸光光度法が用いられます。
(4)〇:問題のとおりです。酢酸ウラニル溶液中のウラニルイオンはアルカリシリカゲル中のアルカリイオンと置換する性質をもっており、そのウラニルイオンがコンクリート中のアルカリシリカゲルと置換されることでアルカリシリカゲル部分が発光します。これにより、目視でアルカリシリカゲルの存在を確認することが出来ます。

【問385_アルカリシリカ反応】

 ポップアウトが生じた橋脚に対して原因を特定するための調査方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)現地調査では、ポップアウトが骨材を起点に生じているかどうかを確認する。
(2)寒冷地であれば凍害が疑われるため、現地の気象条件および使用骨材の吸水率を確認する。
(3)骨材の吸水率が低く軟石混入の可能性がない場合、凍害の多能性は小さくなる。
(4)ポップアウトを誘発する岩質として沸騰石や花崗岩がある。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。現地調査ではポップアウトが骨材を起点に生じているかどうかが重要な確認事項です。
(2)〇:問題のとおりです。寒冷地であれば凍害が疑われるため、現地の気象条件および使用骨材の吸水率を確認します。骨材の吸水率が大きいと骨材中の水の凍結膨張により、ポップアウトが生じやすくなります。
(3)〇:問題のとおりです。骨材の吸水率が低く軟石混入の可能性がない場合、凍害の可能性は小さくなります。
(4)×:誤りです。ポップアウトを誘発する岩質として吸水膨張しやすい沸騰石や蛇紋岩があります。
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