【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.58)補修

コンクリート診断士 問題と解説Vol.58

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問286_補修】

 ボックスカルバートの側壁(厚さ:60cm)のコンクリート表面に発生した変状の補修方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)表面気泡が発生していたので、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りしたうえで、ポリマーセメントモルタルを充てんした。
(2)色違いと縁切れのあるコールドジョイントが発生していたので、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りした。
(3)豆板(ジャンカ)部分を強くたたいても粗骨材がはく落することが無かったので、ポリマーセメントモルタルを充てんした。
(4)豆板(ジャンカ)部分をたたくと粗骨材がはく落して、こぶし大の空隙が発見されたので、その周辺のコンクリートをはつり取り、ポリマーセメントモルタルを充てんした。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。表面気泡は、ポリマーセメントモルタルを充てんして補修します。
(2)誤りです。色違いと縁切れは、耐久性の低下が考えられます。コンクリートをはつり取るなど、健全な状態に回復する補修をします。
(3)問題のとおりです。ジャンカ部分を強くたたいても粗骨材がはく落することが無ければ、ポリマーセメントモルタルを充てんします。
(4)問題のとおりです。たたくとはく落するジャンカ部分は、周辺をはつり取り、ポリマーセメントモルタルや無収縮モルタルを充てんします。

【問287_補修】

 乾燥収縮によって生じたひび割れの補修に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
(1)ひび割れ幅が0.2mm以下であったので、コンクリート表面に弾力性のある被覆材を塗布した。
(2)セメント系の注入材を注入する前に、コンクリートを十分に乾燥させた。
(3)ひび割れ幅が0.5mmであったが鉄筋には腐食が認められなかったので、コンクリートをカットしてその部分に補修材を充てんした。
(4)進行性の比較的大きなひび割れがあったので、コンクリートをカットした部分にウレタン樹脂のシーリング材を充てんした。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。乾燥収縮による、幅の狭いひび割れには、追従性のある被覆材を塗布します。
(2)誤りです。セメント系の材料は接着面を湿潤状態とします。
(3)問題のとおりです。鉄筋は腐食が認められない場合、0.5mm程度の比ひび割れは、コンクリートをカットしてその部分に補修材を充てんします。
(4)問題のとおりです。進行性の比較的大きなひび割れには、コンクリートをカットした部分に、追従性のあるウレタン樹脂のシーリング材を充てんします。

【問288_補修】

 JIS A 6024「建築補修用注入エポキシ樹脂」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
(1)エポキシ樹脂には、引張破壊伸びの大きさによって硬質形と軟質形がある。
(2)低粘度形のものは、主としてひび割れの補修に用いられている。
(3)アンカーピンの固定には、高粘度形で硬質系の物を用いる。
(4)引張強さの規定値は、硬質形も軟質形も同じである。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。エポキシ樹脂には、引張破壊伸びの大きさによって硬質形と軟質形に分類されます。
(2)問題のとおりです。硬質形、軟質形、それぞれ低粘度形、中粘度形、高粘度形に分類されます。低粘度形はひび割れの補修に用いられます。高粘度形は、浮きの補修やアンカーピンの固定に用いられます。中粘度形はその間です。
(3)問題のとおりです。高粘度形は、浮きの補修やアンカーピンの固定に用いられます。上向きや横向きでも高粘度のため、液だれが起きにくいためです。
(4)誤りです。引張強さは、高粘度形で15.0MPa以上、軟質形で1.0MPa以上と規定されています。

【問289_補修】

 ひび割れの補修に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)ひび割れ幅は0.1mm程度であり、ひび割れ幅の変動がなかったので、Uカットした後にウレタン樹脂を充てんした。
(2)ひび割れ幅は0.6mm程度であるが、補強筋が腐食していなかったので、コンクリート表面にひび割れ追従性の良い表面被覆材を塗布した。
(3)ひび割れ幅が0.6mm程度であり、ひび割れが進行性であったので、Uカットした後にポリマーセメントモルタルを充てんした。
(4)ひび割れ幅が1.2mm程度であり、ひび割れ幅の変動があったので、Uカットした後にシーリング材を充てんした。
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正解(4)

(1)誤りです。ひび割れ幅が0.1mm程度と小さく、ひび割れ幅の変動がないことから、ひび割れ被覆工法で良いと判断します。
(2)誤りです。ひび割れ幅が0.6mm程度と大きいため、表面被覆では不十分で、注入工法や充填工法を採用します。
(3)誤りです。ポリマーセメントモルタルは追従性がありません。進行性のひび割れには不適です。
(4)問題のとおりです。ひび割れ幅が大きく、変動があることから、弾性があり、ひび割れに追従するシーリング材を使用します。

【問290_補修】

 ひび割れの補修材料に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)セメント系注入材を注入するためには、注入箇所を乾燥させる。
(2)エポキシ樹脂系注入材は、湿潤状態にあるコンクリートには接着しにくい。
(3)アクリル樹脂系注入材は、ひび割れ幅の変動がある箇所への注入に適している。
(4)シリコン系シーリング材は、耐汚染性に優れる。
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正解(2)

(1)誤りです。セメント系の材料は接着面を湿潤状態とします。
(2)問題のとおりです。エポキシ系の材料は接着面が湿潤状態であると、接着しにくくなります。
(3)誤りです。アクリル系樹脂はひび割れ追従性がないため、ひび割れ幅の変動がある箇所への注入には適しません。
(4)誤りです。シリコン系シーリング材は紫外線や雨など、耐候性に劣り、色の変化や汚染が生じやすいです。
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