【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.11)塩害

コンクリート診断士 問題と解説Vol.11

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このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問51_塩害】

コンクリートの塩害に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)コンクリート中の鋼材に塩化物イオンが作用すると、鋼材表面の不動態被膜が破壊されて鋼材が腐食する。

(2)外部環境から供給される塩化物は、使用材料から供給される塩化物と異なり、フリーデル氏塩として固定されない。

(3)高炉セメントを使用したコンクリートでは、普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートに比べ、塩化物イオンの拡散係数が小さい。

(4)コンクリート中にフリーデル氏塩として固定された塩化物イオンは、中性化の進行により溶出し、中性化部分より内部に濃縮する。

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正解(2)

(1)問題のとおりです。塩害は、塩化物イオンがコンクリート中に侵入し、アノード(陽極)と カソード(陰極)が形成され、アノード部分で鋼材の不動態被膜が破壊され腐食を生じる現象です。

(2)誤りです。フリーデル氏塩は供給経路に関係なく、一般に、セメント量の0.4%程度固定化します。

(3)問題のとおりです。高炉セメントを使用したコンクリートでは、高炉スラグ微粉末の置換率が高いほど、拡散係数が小さく、塩害に対する耐久性が向上します。

(4)問題のとおりです。コンクリートの中性化領域で、フリーデル氏塩として固化されていた塩化物イオンが分解され、塩化物濃度が大きくなる現象です。
塩化物濃度が高くなると、濃度拡散により、中性化部の細孔溶液中の塩化物イオンが内部へ移動します。
その結果、鉄筋の不動態皮膜を破壊し、塩害が生じることになります。この現象を、中性化フロントと呼びます。

【問52_塩害】

コンクリート中の鋼材腐食に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

(1)鋼材の腐食反応ではアノード反応とカソード反応が同時に進行するが、カソード反応の部分での鋼材の断面減少が大きい。

(2)鋼材の腐食で生じたサビの体積はもとの鋼材より小さくなるので、その体積減少により鋼材に沿ってコンクリート表面にひび割れが発生する。

(3)鋼材腐食によって発生したひび割れは腐食生成物が充填されるため、その後の鋼材の腐食進行速度は大幅に低下する。

(4)鋼材腐食が進行してかぶりにひび割れが発生すると、かぶりのコンクリートのはく離・はく落の原因となる。

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正解(4)

(1)誤りです。アノード(陽極)反応の部分で鋼材の断面減少が大きくなります。

(2)誤りです。鋼材は腐食により酸素イオンと結合することで、体積が2~4倍に膨張し、膨張圧で鉄筋に沿ったひび割れを生じます。

(3)誤りです。鋼材腐食によって生じたひび割れにより、腐食の原因となる酸素と水の供給が促進され、腐食の進行速度が大きくなります。

(4)問題のとおりです。鉄筋腐食が進行すると、ひび割れが徐々に大きくなり、やがてはく離・はく落の原因となります。

【問53_塩害】

塩害に関する次の記述中の(A)~(D)に入る用語の組合せのうち、適当なものはどれか
コンクリート中の塩化物イオンにより鋼材表面の不動態被膜が破壊され、鋼材表面から鉄イオンが細孔溶液中に溶けだす反応を(A)反応という。
同時に、鋼材から供給された電子と(B)および(C)との反応を(D)反応という。
(A) (B) (C) (D)
(1) カソード 水酸化カルシウム 水素 アノード
(2) アノード 酸素 カソード
(3) カソード 酸素 アノード
(4) アノード 水酸化カルシウム 水素 カソード
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正解(2)

塩害は、塩化物イオンがコンクリート中に侵入し、アノード(陽極)と カソード(陰極)が形成され、アノード部分で鋼材の不動態被膜が破壊され腐食を生じる現象です。カソード部分では、酸素と水が反応し、水酸化物イオンを生じます。

【問54_塩害】

コンクリートの塩害に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)一般に、鋼材の腐食発生限界となる(腐食が発生し始める)塩化物イオン量(濃度)はコンクリート1m3に対して約0.3kgである。

(2)塩害による鋼材腐食は、マクロセルを形成する腐食が起こり、局部的に著しい腐食になることが多い。

(3)コンクリート中の塩化物イオンの移動は、コンクリートの細孔構造や乾湿繰返しによる水の移動に影響される。

(4)塩化物イオンの拡散係数は、水セメント比によって異なる。

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正解(1)

(1)誤りです。腐食発生限界の塩化物イオン量は、1.2kg/m3です。

(2)問題のとおりです。塩害による腐食は、非常に狭い範囲で局所的に生じる場合が多いです。

(3)問題のとおりです。塩化物イオンは水に溶解するため、塩化物イオンの移動は、コンクリートの細孔構造や乾湿繰返しによる水の移動に影響されます。

(4)問題のとおりです。塩化物イオンの拡散係数は、水セメント比によって異なります。水セメント比が小さなコンクリートほど、コンクリート内部の組織が緻密となり、塩化物イオンが侵入しにくくなるため、拡散係数が小さくなります。

【問55_塩害】

塩害によるコンクリート内部の鉄筋腐食に関する次の記述のうち、適当なものはどれか

(1)硬化コンクリート内部に生成されるフリーデル氏塩は化学的に安定であり、いったん生成すれば鉄筋の腐食に関与しない。

(2)コンクリート中の鉄筋の腐食は、その表面に形成される腐食セルのカソード部分で進行する。

(3)コンクリート中の鉄筋に酸素の供給がなくても、鉄筋近傍の塩化物イオン量(濃度)が高くなれば鉄筋の腐食は進行する。

(4)コンクリートの塩化物イオン量(濃度)が限界値を超えると、鉄筋表面の不動態被膜が破壊されて腐食が発生する。

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正解(4)

(1)誤りです。コンクリートの中性化により、コンクリート内部に固化されているフリーデル氏塩が分解されます。

(2)誤りです。鉄筋の腐食は、アノード(陽極)部分で進行します。

(3)誤りです。腐食反応には、酸素と水の両方が必要です。いずれかがない環境であれば、腐食は進行しません。

(4)問題のとおりです。腐食限界塩化物イオン量である1.2kg/m3を超えると不動態被膜が破壊されて腐食が発生します。

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