【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.83)総合問題11

コンクリート診断士 問題と解説Vol.83

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問401_覆工コンクリート】

 山間部に位置する道路トンネルの、覆工コンクリートに関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)1968年に完成されたトンネルは、NATM工法で施工されたと判断される。
(2)矢板工法で施工されたトンネルは、鋼アーチ支保工や矢板が支承となって、覆工と背面の地山との間に、空隙が残ることが多い。
(3)覆工コンクリートの背面を調査し、空洞が確認された場合は、裏込め注入を実施する。この時、背面空洞に湧水が存在し、空洞が数㎡に及ぶ場合は、裏込め注入材として、覆工コンクリート以上の強度を有する無収縮モルタルを用いる。
(4)覆工コンクリートに、第三者被害を与えるような浮きが発見されたので、直ちに、ハンマーにより浮き部分を撤去した。
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正解(2)

(1)×:誤りです。日本初の、NATM工法を用いて施工されたトンネルは、上越新幹線の中山トンネルです。1977年に、熊谷組によって施工されました。
(2)〇:問題のとおりです。矢板工法で施工されたトンネルは、鋼アーチ支保工や矢板が支承となって、覆工と背面の地山との間に、空隙が残ることが多いです。
(3)×:誤りです。背面空洞に湧水が存在し、空洞が、数㎡に及ぶ場合は、裏込め注入材として、材料分離抵抗性を有するエアモルタルに、可塑剤を添加した可塑状注入材を用います。
(4)×:誤りです。覆工コンクリートに、第三者被害を与えるような浮きが発見された場合、直ちに、ハンマーにより浮き部分を撤去して、第三者に被害を与えないように対策を行います。

【問402_電気防食】

 電気防食に関する次の記述のうち、適当なものはいくつあるか
(1)RC構造物に定電流方式の電気防食工法を長期間にわたって適用すると、通電により、コンクリート中の鉄筋表面の塩化物イオン濃度が上昇する。
(2)通電により、コンクリート中の鉄筋表面の水酸化物イオン濃度が上昇するため、分極量または復極量が、経時的に減少することがある。
(3)防食管理指標において、鋼材の分極量あるいは復極量の水準を、基本的に100mV以上としている。
(4)電気防食工法では、コンクリートにアルカリシリカ反応性を有する骨材が使用されていないことを確認する。
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正解2つ

(1)×:誤りです。RC構造物に定電流方式の電気防食工法を長期間にわたって適用すると、通電によりコンクリート中の鉄筋表面の水酸化物イオン濃度が上昇します。
(2)×:誤りです。通電により、コンクリート中の、鉄筋表面の、水酸化物イオン濃度が上昇するため、分極量または復極量が経時的に増加することがあります。
(3)〇:問題のとおりです。防食管理指標において鋼材の分極量あるいは復極量の水準を、基本的に100mV以上としています。
(4)〇:問題のとおりです。電気防食工法を適用すると、コンクリート内部の水の電気分解により、水酸化物イオンが発生するため、鉄筋付近でペーハーが高くなります。アルカリシリカ反応は、発生した水酸化物イオンとアルカリ反応性骨材が反応するため、アルカリシリカ反応を有する骨材には、適用できません。

【問403_電気防食】

 コールドジョイントの、発生原因に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コールドジョイントの発生原因に、打重ね時間間隔が長いことが挙げられる。
(2)コールドジョイントの、発生原因に、コンクリート打込み時の自由落下高さが低いことが挙げられる。
(3)コールドジョイントの、発生原因に、内部振動機の挿入深さが浅いことが挙げられる。
(4)コールドジョイントの、発生原因に、コンクリート打設時の気温が高く、凝結時間が短いことが挙げられる。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。コールドジョイントの発生原因に、打重ね時間間隔が長いことが挙げられます。
(2)×:誤りです。コンクリート打設時の、自由落下高さは、低いほうが材料分離を生じにくくなります。コールドジョイントの発生原因になりません。
(3)〇:問題のとおりです。コールドジョイントの、発生原因に、内部振動機の挿入深さが浅いことが挙げられます。打重ね前のコンクリートと、打重ね後のコンクリートの一体化がなされないことにより、コールドジョイントが発生します。
(4)〇:問題のとおりです。コールドジョイントの発生原因に、コンクリート打設時の気温が高く、凝結時間が短いことが挙げられます。

【問404_表面変色】

 脱型直後の、コンクリート表面の、変色に関する次の記述のうち、不適当なものはどれとどれか
(1)脱型直後に青緑色の呈色が見られたため、フライアッシュを用いたコンクリートであると判断した。
(2)高炉スラグ微粉末に含まれる鉄やマンガンは、酸化数が小さい状態で存在する。そして、高炉スラグ微粉末が含有する硫化物に起因して酸化状態となり、青緑色になる。
(3)脱型直後に青緑色の呈色が見られたが、強度や耐久性への影響は小さいと判断した。
(4)脱型直後に青緑色の呈色が見られたが、一週間程度が過ぎると硫化物が酸化し、色が薄くなる。
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正解(1)と(2)

(1)×:誤りです。高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートは脱型直後に、青緑色に呈色する場合があります。
(2)×:誤りです。高炉スラグ微粉末に含まれる鉄やマンガンは、酸化数が小さい状態で存在する。そして、高炉スラグ微粉末が含有する硫化物に起因して、還元状態となり青緑色になります。
(3)〇:問題のとおりです。脱型直後の青緑色の呈色は、強度や耐久性への影響は小さいです。
(4)〇:問題のとおりです。青緑色の呈色は一週間程度が過ぎると硫化物が酸化し、色が薄くなります。

【問405_分極】

 アノード分極と、カソード分極に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート中の鉄筋腐食速度は、一般に、アノード部の塩化物イオン濃度の影響が大きい。
(2)コンクリート中の鉄筋腐食速度は、一般に、カソード部の酸素供給量の影響が大きい。
(3)コンクリート中の鉄筋腐食速度は、一般に、海中部よりも飛沫帯のほうが大きい。
(4)カソード分極曲線において、飛沫帯などの酸素供給量が多い場合、電流密度が小さくなる。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。アノード分極は塩化物イオン濃度の影響が大きいです。
(2)〇:問題のとおりです。カソード分極は酸素供給量の影響が大きいです。
(3)〇:問題のとおりです。コンクリート中の鉄筋腐食速度は、一般に、海中部よりも飛沫帯のほうが大きいです。
(4)×:誤りです。カソード分極曲線は飛沫帯などの酸素供給量が多い場合、電流密度が大きくなります。
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