【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.87)総合問題15

コンクリート診断士 問題と解説Vol.87

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問416_JIS改正】

 JIS改正に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)1980年代にコンクリート中の塩化物イオンの総量が規定された。
(2)1980年代にアルカリシリカ反応に関して無害と判定されない骨材を使用する条件が規定された。
(3)1990年代に生産者と協議して購入者が指定できる事項に単位水量の上限値が規定された。
(4)1990年代に普通ポルトランドセメントの塩化物イオン量が0.035%以下と規定された。
クリックで【問題416】の解答と解説をみる

正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。1986年にコンクリート中の塩化物イオンの総量が規定されました。
(2)〇:問題のとおりです。1986年にアルカリシリカ反応に関して無害と判定されない骨材を使用する条件が規定されました。
(3)〇:問題のとおりです。1993年に生産者と協議して購入者が指定できる事項に、単位水量の上限値が規定されました。
(4)×:誤りです。2003年にJIS R 5310ポルトランドセメントに規定される、普通ポルトランドセメントの塩化物イオン量が0.035%以下と規定されました。

【問417_レディーミクストコンクリート】

 国内のレディーミクスト工場で製造されたコンクリートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)呼び強度、24~30Nにおける単位水量の地域別の違いでは、中国・四国地方では、単位水量が180kg/m3を超えている。
(2)呼び強度、24~30Nにおける単位水量の地域別の違いでは、関東・東海地方では、単位水量は180kg/m3未満である。
(3)地域別の使用骨材として、北海道・北陸・東海地方では、砂利が使われており、ほかの地区では砕石が使われている。
(4)砕石より砂利を使用した場合の単位水量は多くなる。
クリックで【問題417】の解答と解説をみる

正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。呼び強度24~30Nにおける単位水量の地域別の違いでは、中国・四国地方では単位水量が180kg/m3を超えているという論文発表がされています。
(2)〇:問題のとおりです。呼び強度24~30Nにおける単位水量の地域別の違いでは、関東・東海地方では単位水量は180kg/m3未満であるという論文発表がされています。
(3)〇:問題のとおりです。調査した39工場のうち、北海道・北陸・東海地方の4工場では、砂利が使われており、ほかの地区では砕石が使われているという結果が論文発表されています。
(4)×:誤りです。砂利より砕石を使用した場合の単位水量は多くなります。これは、骨材の形状が、角張っているほど、コンクリートの流動性が悪くなるため、単位水量を大きくしなければならないためです。

【問418_補修】

 ボックスカルバートの厚さ60cmの側壁の、コンクリート表面に発生した変状の補修方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)表面気泡が発生していたので、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りし、ポリマーセメントモルタルを充填した。
(2)色違いと縁切れのある、コールドジョイントが発生していたので、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りした。
(3)ジャンカ部分を、強くたたいても、粗骨材が剥落することが無かったので、ポリマーセメントモルタルを充填した。
(4)ジャンカ部分を、強くたたくと、粗骨材が剥落して、こぶしだいの空洞が発見されたので、その周辺のコンクリートを斫りとり、ポリマーセメントモルタルを充填した。
クリックで【問題418】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。表面気泡が発生していた場合、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りし、ポリマーセメントモルタルを充填します。
(2)×:誤りです。縁切れのあるコールドジョイントは、ポリマーセメントペーストを刷毛塗りしただけでは、隙間の内部まで充填することができないため、縁切れの補修として不十分です。必要により、注入工法や、Uカット充填工法をもちいます。
(3)〇:問題のとおりです。ジャンカ部分を、強くたたいても、粗骨材が剥落することが無かった場合、ポリマーセメントモルタルを充填します。
(4)〇:問題のとおりです。ジャンカ部分を、強くたたくと、粗骨材が剥落して、こぶしだいの空洞が発見された場合、その周辺のコンクリートを斫りとり、ポリマーセメントモルタルを充填で充填します。

【問419_凍害】

 山間部の道路に設置された、PCスノージェットの変状の抑制に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)凍結防止剤の散布がある道路のPCスノージェットの柱に、さび汁を伴わない、方向性のないひび割れが生じていた。対策として、コンクリート表面の被覆を実施した。
(2)凍結防止剤の散布がある道路のPCスノージェットの柱に、さび汁を伴わない、方向性のないひび割れが生じていた。対策として、混合セメントを使用した。
(3)凍結防止剤の散布がある道路のPCスノージェットの柱に、さび汁を伴わない、方向性のないひび割れが生じていた。対策として、エポキシ樹脂被膜鋼材を使用した。
(4)凍結防止剤の散布がある道路のPCスノージェットの柱に、さび汁を伴わない、方向性のないひび割れが生じていた。対策として、高炉スラグ骨材を使用した。
クリックで【問題419】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。塩害と、凍害によるひび割れに対しては、コンクリート表面を被覆し、劣化因子である塩化物イオン、および水分を遮断します。
(2)〇:問題のとおりです。混合セメントを用いると、潜在水硬性により、コンクリート組織が緻密化することで、塩化物イオンや水分の侵入が抑制されます。
(3)×:誤りです。さび汁を伴わない、方向性のないひび割れであることから、鉄筋の腐食による影響は小さい推察されるため、エポキシ樹脂被膜鋼材の使用は不適当です。
(4)〇:問題のとおりです。高炉スラグ骨材を用いると、潜在水硬性により、コンクリート組織が緻密化することで、塩化物イオンや水分の侵入が抑制されます。

【問420_凍害】

 凍害対策に用いる塗布材・含浸材に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)凍害による劣化を防止するため、エチレン酢酸ビニル系エマルジョンをコンクリート表面に塗布した。
(2)凍害による劣化を防止するため、ルキルアルコキシシラン含浸材をコンクリート表面に塗布した。
(3)凍害による劣化を防止するため、低級アルコールアルキレンオキシサイド含浸材をコンクリート表面に塗布した。
(4)凍害による劣化を防止するため、亜硝酸リチウムをコンクリート表面に塗布した。
クリックで【問題420】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)×:誤りです。エチレン酢酸ビニル系エマルジョンは、接着剤として用いられます。凍害対策には適しません。
(2)〇:問題のとおりです。アルキルアルコキシシラン含浸材は、コンクリート面に塗布すると、アルキル基が固着します。アルキル基の間隔は、水滴より小さく、水蒸気より大きいため、吸水が抑制されます。水の他に、塩分の侵入も抑制されるため、塩害・凍害対策として用いられます。
(3)×:誤りです。低級アルコールアルキレンオキシサイド含浸材は、乾燥収縮抑制効果がありますが、凍害対策には適しません。
(4)×:誤りです。亜硝酸リチウムは、アルカリシリカ反応の抑制効果がありますが、凍害対策には適しません。
タイトルとURLをコピーしました