【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.20)化学的浸食

コンクリート診断士 問題と解説Vol.20

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このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問96_化学的腐食】

コンクリートの化学的腐食に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)硫酸による劣化は、硫酸がセメント水和物の一部と反応して脆弱な物質を生成することにより生じる。

(2)硫酸塩による劣化では、硫酸塩がコンクリート中の水和物と反応し、収縮することによってひび割れを引き起こす。

(3)化学的腐食は無機酸によるものが多いが、遊離脂肪酸を含有する植物性油もコンクリートを腐食させる原因となる。

(4)強い酸性を示す温泉地帯では、コンクリート構造物の地面に接する部分の腐食が激しくなる。

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正解(2)

(1)問題のとおりです。硫酸が、セメント水和物の水酸化カルシウムと反応し、二水せっこうが生成され、その二水せっこうが脱落することで生じます。

(2)誤りです。硫酸塩による劣化は、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩水溶液がコンクリートの内部に侵入し、コンクリート内部の水酸化カルシウムと反応して二水せっこうを生成し、さらに、セメント中のアルミン酸三カルシウムと反応してエトリンガイトを生成し膨張を引き起こします。

(3)問題のとおりです。コンクリートは動植物油により劣化するといわれています。動植物油に少量含まれる、遊離脂肪酸は、酸として直接コンクリートを侵食します。浸食は、遊離脂肪酸と水酸化カルシウムが反応し、脂肪酸のカルシウム塩が生成され、脂肪酸カルシウム塩が膨張することにより生じます。

(4)問題のとおりです。硫酸塩を含む温泉地帯では、土壌中に含まれる硫酸塩がコンクリートの劣化原因となります。

【問97_化学的腐食】

コンクリートの化学的腐食に関する次の記述のうち、適当なものはどれか

(1)土壌と接触するコンクリートの硫酸腐食において、土壌中の硫酸を含む水の移動がない場合、移動がある場合に比べて腐食の進行は遅い。

(2)下水道コンクリートの化学的浸食において、環境温度は劣化の発生や劣化の程度に影響しない。

(3)コンクリートの硫酸腐食において、初期に生成される生成物は主にエトリンガイトである。

(4)コンクリートは強アルカリであり、非常に濃度の高い水酸化ナトリウムにも浸食されない。

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正解(1)

(1)問題のとおりです。腐食の進行は、土壌中の硫酸を消費します。移動がある場合は未反応の硫酸が供給されるため、腐食の進行が速くなります。

(2)誤りです。硫化水素を生成する嫌気性細菌(硫酸塩還元細菌)が増殖するためには、温度、水分、嫌気的環境が必要です。

(3)誤りです。コンクリートの硫酸腐食は、硫酸によるセメント水和物の分解により生じます。一方、硫酸塩による腐食は、エトリンガイトの生成により生じます。

(4)誤りです。コンクリートは強アルカリですが、濃度の高い水酸化ナトリウムには浸食されます。

【問98_化学的腐食】

次のうち、水に溶けてコンクリートを腐食させる気体として、適当なものはどれか

(1)塩化水素は、水に溶けてコンクリートを腐食させる。

(2)フッ化水素は、水に溶けてコンクリートを腐食させる。

(3)硫化水素は、水に溶けてコンクリートを腐食させる。

(4)二酸化イオウは、水に溶けてコンクリートを腐食させる。

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正解(全て)

(1)問題のとおりです。塩化水素は水に溶けて塩酸となり、コンクリートを腐食させます。

(2)問題のとおりです。フッ化水素は水に溶けてフッ化水素酸となり、コンクリートを腐食させます。

(3)問題のとおりです。硫化水素は水に溶けて硫酸となり、コンクリートを腐食させます。

(4)問題のとおりです。二酸化イオウは水に溶けて亜硫酸となり、コンクリートを腐食させます。

硫酸の化学式はH2SO4、亜硫酸の化学式はH2SO3です。硫酸の酸化数(Oの結合数)に着目すると、酸化数が高いものは「過」をつけ、低いものには「亜」をつけます。さらに低いものには「次亜」をつけるという法則があります。つまり過硫酸はH2SO5、次亜硫酸はH2SO2となります。

【問99_化学的腐食】

コンクリートの化学的浸食に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)下水道管の内部の気中部では、微生物の作用によって硫化水素は硫酸に変化する。

(2)硫酸塩を含む土壌に接するコンクリートでは、水分移動とともに硫酸イオンが浸透する。

(3)海水から供給される硫酸塩によりフリーデル氏塩が生成される。

(4)硫酸の作用によって中性化した部分では、せっこうが生成される。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。下水道管の内部では、好気性細菌のはたらきにより、硫化水素は水と酸素と反応して硫酸になります。

(2)問題のとおりです。コンクリート組織の細孔中を拡散することで水分の移動とともに硫酸イオンも浸透します。

(3)誤りです。フリーデル氏塩は、コンクリート中のセメント水和物である、モノサルフェートの硫酸イオンが、塩酸イオンに置き換わることで、塩酸が固定化されたものです。

(4)問題のとおりです。コンクリート中の水酸化カルシウムが、硫酸の作用により中性化し、せっこうが生成されます。

【問100_化学的腐食】

コンクリートの構造物が硫酸塩による化学的浸食をうける可能性がある環境や施設として次のうち、不適当なものはどれか

(1)硫安の肥料工場

(2)上水施設の浄水池

(3)海成粘土層

(4)炭鉱周辺の土壌

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正解(2)

(1)問題のとおりです。硫安は硫酸アンモニアで硫酸塩です。

(2)誤りです。上水施設で使用されるのは塩素系の薬品です。硫酸塩による化学的浸食は受けません。

(3)問題のとおりです。海成粘土層には、硫酸塩が含まれている可能性があります。

(4)問題のとおりです。炭鉱周辺の土壌には、硫酸塩が含まれている可能性があります。

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