【R1_No.16~20】コンクリート主任技士 問題と解説

主任技士過去問解説

【R1_No.16~20】コンクリート主任技士 問題と解説

【(R1)-No.16】

 最大理論吐出圧力4.5N/mm1のコンクリートポンプを用い、コンクリートを吐出量35m3/hで圧送する計画とした。圧送可能な水平換算距離として、、適当なものはどれか。ただし、コンクリート吐出量と館内圧力損失の関係は図に示すとおりで、コンクリートポンプの最大圧送負荷は、コンクリートの品質変動や機械的損失を考慮して算出するものとする。
(1)最大160m
(2)最大240m
(3)最大300m
(4)最大375m
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正解(2)

コンクリートの圧送負荷に関する式を示します。
P(N/mm2)=K(N/mm2/m)×L(m)P:圧送能力
K:管内圧力損失
L:圧送距離ここで、圧送計画では、圧送能力に余裕を持たせるため1.25倍の逆数を乗ずる。
P’=P/1.25

L=P’/K=4.5/1.5×10-2/1.25=240(m)

【(R1)-No.17】

 下図に示す海岸線に建設される高さ10.0mの橋脚の下部工について、橋脚を対象として(フーチングは含まない)、フーチング天端から橋脚天端までを2回に分けてコンクリートを打ち込み、打ち継ぐ計画としている。図中のa~dの破線のうち、打継目の個所として適当なものはどれか
(1)a
(2)b
(3)c
(4)d
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正解(2)

 問題の条件より、打ち込み高さ=(打ち込み量25m3×撃込み時間6時間)/(幅6.0m×奥行き4.0m)=6.25mとなります。aは6.25mを超えているため、選択肢から外れます。 次に、干満帯は、塩害等の劣化を生じやすいため、最高潮位から上に50cm、最低潮位から下に50cmは打継目を設けてはいけません。

以上を考慮すると、干満帯から一番遠く、かつ、打設可能高さ以内となる(b)が正解となります。

【(R1)-No.18】

 コンクリートの表面仕上げおよび養生に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか
(1)高流動コンクリートは、ブリーディングが少なくコンクリート表面にこわばりが生じやすいため、水を噴霧して表面仕上げ(こて均し)を行うのが良い。
(2)軽量骨材コンクリートは、コンクリート表面に人工軽量粗骨材が浮き出ることがあるため、こて押えやタンピングによって内部に押し込むのがよい。
(3)マスコンクリートは、部材内部の温度が高くなるため、湿潤養生する場合にはコンクリート表面を急冷するような放水を避けるのがよい。
(4)暑中コンクリートは、打込み直後からのコンクリートの放熱を促すため、コンクリート表面には膜養生剤の散布を避けるのがよい。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。高流動コンクリートは、強度を高めるために、単位セメント量を増やしています。単位水量が少なく、低水セメント比であるため、ブリーディングが少なくコンクリート表面にこわばりが生じやすいため、水を噴霧して表面仕上げ(こて均し)を行うのが良いです。
(2)〇:問題のとおりです。軽量骨材コンクリートは、モルタルよりも比重が小さいことから、コンクリート表面に人工軽量粗骨材が浮き出ることがあるため、こて押えやタンピングによって内部に押し込むのがよいです。
(3)〇:問題のとおりです。マスコンクリートは、水和熱を放出しにくく、部材内部の温度が高くなるため、湿潤養生する場合にはコンクリート表面を急冷するような放水を避けるのがよいです。マスコンクリート表面を急冷すると、温度応力によるひび割れが生じやすくなります。
(4)×:誤りです。暑中コンクリートは、打込み直後からのコンクリートの表面からの水分逸散(乾燥)を抑制するため、、コンクリート表面には膜養生剤の散布を行うか、シート等で覆うなどの処置が必要です。

【(R1)-No.19】

 一般のコンクリートの型枠および支保工に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。ただし、空気量の指定はないものとする。
(1)JASS5および土木学会示方書では、型枠に作用するコンクリートの側圧を計算する場合、打込み箇所の鉄筋量や配筋の状態は計算結果に影響しない。
(2)打込み時に型枠に作用する側圧は、気温が高いほど、コンクリートの打込み速度が遅いほど、コンクリートの単位容積質量が小さいほど小さくなる。
(3)水平部材の支保工の設計では、打ち込まれるコンクリートの自重などによる沈下量を考慮して上げ越し(むくり)をつける。
(4)高層建物の施工では、各階の梁とスラブの重量が下階で順次分散されるようにするため、支柱の位置を各階ごとにずらして配置する。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。JASS5および土木学会示方書では、型枠に作用するコンクリートの側圧を計算する場合、打込み箇所の鉄筋量や配筋の状態は計算には影響しません。
(2)〇:問題のとおりです。打込み時に型枠に作用する側圧は、気温が高いほど、コンクリートの打込み速度が遅いほど、コンクリートの単位容積質量が小さいほど小さくなります。
(3)〇:問題のとおりです。水平部材の支保工の設計では、打ち込まれるコンクリートの自重などによる沈下量を考慮して上げ越し(むくり)をつけます。
(4)×:誤りです。高層建物の施工では、各階の梁とスラブの重量を、支柱によって支えます。支柱の位置は、各階ごとに揃えて配置します。支柱の位置がずれると、梁とスラブに、過大な曲げやせん断が加わることになります。

【(R1)-No.20】

 鉄筋の継手に関する次の記述のうち、正しいものはどれか
(1)SD345のD32の鉄筋とSD490のD32の鉄筋を、鉄筋を突き合わせて継手部の加熱と加圧の工程を自動的に制御する自動ガス圧接継手により接合した。
(2)表面形状をねじ状にしたSD390のD32の鉄筋同士を、鋼製カプラによってつなぎ合わせる機械式継手により接合した。
(3)SD390のD32の鉄筋同士を、それぞれの鉄筋の端部に開先をとり、突き合わせて加熱しながら圧力を加えて接合するガス圧接継手により接合した。
(4)SD345のD22の鉄筋同士を、平行に重ね合わせる長さを220mmとして重ね継手により継ぎ合わせた。
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正解(2)

(1)×:誤りです。鉄筋のガス圧接は、強度が同じか、隣り合う強度の種類のみ適用できます。SD345の場合、SD295と、SD390が圧接可能です。また、鉄筋の呼び名の差が7mm以内の鉄筋同士であれば圧接が可能です。
(2)〇:問題のとおりです。鋼製カプラによってつなぎ合わせる機械式継手は、同一種類、同一径の接合が可能です。
(3)×:誤りです。ガス圧接継手は、接合面を鉄筋軸に対して垂直にかつ平滑面で接合します。鉄骨のように開先は取りません。
(4)×:誤りです。鉄筋の重ね継手の長さは、呼び名の20倍以上を基準としています。D22の場合、440m以上の重ね合わせ長さが必要です。
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