【コンクリート主任技士過去問解説】平成23年度No21~25

主任技士過去問解説

コンクリート主任技士過去問 問題と解説

【平成23年度―問題21】

下図のような円筒状の壁コンクリート構造物(高さ2m、厚さ1m、外径20m)の施工を行う場合に、下表に示す4つの施工計画のうち、適当なものはどれか

施工計画
打込み1層の高さ 1時間当たりの施工量
(1) 50cm 10m3/時間
(2) 50cm 25m3/時間
(3) 1m 10m3/時間
(4) 1m 25m3/時間
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正解(2)

1層の打込み厚さは、棒形振動機の長さ以下とします。一般的に60cm~80cmですので、1層の高さは50cmが正解です。

コンクリートのボリュームを計算します。
$$V=(\frac{20}{2})^{2}×\pi×2-(\frac{19}{2})^{2}×\pi×2=61.26$$

外気温が25度を越えているため、打重ね時間間隔の限度は120分です。
練混ぜから打込み終了までの許容時間は90分となります。

<1層分のボリューム>

2層打ちの場合:61.26/2=30.63m3

4層打ちの場合:61.26/4=15.31m3

<10m3/時間で1層打つのにかかる時間>

2層打ちの場合:30.63/10=3.063=183分

4層打ちの場合:15.31/10=1.531=91分

<25m3/時間で1層打つのにかかる時間>

2層打ちの場合:30.63/25=3.063=73分

4層打ちの場合:15.31/10=1.531=37分

上記の条件から答えは(2)とわかります。

【平成23年度―問題22】

コンクリートの養生に関する次の記述のうち、適当なものはどれか

(1)外気温が20℃程度の時期に、使用するセメントを早強ポルトランドセメントから普通ポルトランドセメントに変更したので、湿潤養生期間を2日間延長した。

(2)養生温度が高いと強度発現は早くなり長期強度の伸びも大きくなるため、養生温度をできるだけ高く保った。

(3)寒中コンクリートの施工において、温度上昇後の急冷を防止するため、木製型枠に比べて熱伝導率が高い鋼製型枠を使用した。

(4)マスコンクリートの施工において、部材内の温度差を小さくするために型枠表面の冷却を行ってコンクリート温度を下げた。

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正解(1)

(1)問題のとおりです。コンクリートの湿潤養生は、外気温が20度程度の場合、早強ポルトランドセメントは3日以上、普通ポルトランドセメントは5日以上とします。なお、高炉セメントを使用したコンクリートでは、7日以上の湿潤養生期間をとります。

(2)誤りです。養生温度が高いと強度発現は早くなりますが、長期強度の伸びは小さくなります。また、コンクリート温度が65℃以上の高温となると、強度低下を起こす可能性があります。

(3)誤りです。鋼製型枠の方が木製型枠よりも熱伝導率が高いため、外気温により急冷されてしまいます。

(4)誤りです。マスコンクリートの施工において、水和熱によるコンクリート中央内部の温度上昇と、コンクリート表面の温度差を小さくすることで、温度応力によるひび割れを防ぐ必要があります。型枠表面を急冷すると、内部と表面の温度差が大きくなり、温度応力によるひび割れが生じやすくなります。

【平成23年度―問題23】

寒い時期に施工するコンクリートの養生に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか

(1)水に飽和されにくいコンクリートにおいては、圧縮強度を5N/mm2が得られる前で、コンクリートが凍結しないように初期養生を行う。

(2)断熱シートによる断熱(保温)養生は、水和熱の大きいマスコンクリートよりも、床スラブなどの薄い部材に有効である。

(3)養生期間中の最低気温が0℃以下になることが予想される場合の養生として、加熱(給熱)養生が適している。

(4)加熱(給熱)養生を行う場合は、コンクリートが計画された温度に保たれるようにするとともに、乾燥を防ぐためコンクリート面が湿っている程度に散水を行う。

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正解(1)

(1)問題のとおりです。所定の空気量が含まれているコンクリートは5N/mm2に達すると、施工中に考えられる数回の凍結融解に耐えられるようになります。水に飽和されにくい、寒中コンクリートの養生においては、初期凍害を防ぐために、圧縮強度55N/mm2が得られるまで、加温養生を行うこととされています。

(2)誤りです。保温養生では、水和反応による発熱を期待します。薄い部材では、充分な発熱量が得られないため、保温養生は、マッシブなコンクリートに適しています。スラブなどの薄い部材は、必要に応じて、加温養生が必要です。

(3)問題のとおりです。寒中コンクリートは、強度が55N/mm2に達するまで5℃以上で,その後2日間は0℃以上に保つことが必要です。

(4)問題のとおりです。加熱、給熱養生を行う場合、コンクリート表面が乾燥しやすくなり、硬化不良を起こす可能性があるため、散水などで湿潤状態に保つことが必要です。

【平成23年度―問題24】

マスコンクリートに関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか

(1)内部拘束による温度ひび割れは、コンクリートの表面と内部の温度差による応力によって生じ、内部温度が最高となる時点で発生することが多い。

(2)外部拘束による温度ひび割れは、断面を貫通する場合が多く、構造物の耐久性に影響を及ぼす。

(3)打込み温度を低くすることは、内部拘束応力の低減には有効であるが、外部拘束応力の低減効果は小さい。

(4)鉄筋量を増やすことは、ひび割れ幅の低減には有効であるが、温度応力の低減効果は小さい。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。内部の温度が高いほど、コンクリートの膨張量が増えます。外部のコンクリートは、膨張とは反対に、収縮しようとして形を保とうとします。その収縮により、ひび割れが発生することになります。

(2)問題のとおりです。拘束部分から断面を貫通するように、ひび割れが発生することで、構造物の耐久性に影響を及ぼします。

(3)誤りです。内部・外部共に低減に有効です。

(4)問題のとおりです。鉄筋量を増やしても、温度応力自体を低減することはできません。

【平成23年度―問題25】

場所打ち杭および地下連続壁(地中壁)に使用する水中コンクリートに関する次の記述のうち、土木学会示方書およびJASS5の規定に照らして、不適当なものはどれか

(1)場所打ち杭における単位セメント量は、土木学会示方書では350kg/m3以上を、JASS5では330kg/m3以上を標準としている。

(2)場所打ち杭におけるスランプは、土木学会示方書では18~21cmを標準とし、JASS5では調合管理強度が33N/mm2未満の場合は21cm以下、22N/mm2以上の場合は23cm以下としている。

(3)地下連続壁(地中壁)における水セメント比は、55%以下を標準としている。

(4)地下連続壁(地中壁)におけるトレミー先端のコンクリート中への挿入深さは、1m以上を原則としている。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。なお、場所打ち杭における水セメント比に関しては、土木学会示方書では50%以下を、JASS5では60%以下を標準としています。

(2)問題のとおりです。トレミー管による場所打ち杭のコンクリート打設では、スランプが大きすぎても小さすぎても不具合の原因になります。大体21cm前後が標準と覚えてください。

(3)問題のとおりです。場所打ち杭における、水セメント比とは異なる点に注意してください。

(4)誤りです。杭のコンクリート打設時、トレミー先端のコンクリート中への挿入深さは、2m以上を原則としています。

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