【過去問演習(2)No.21-25_材料】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.21】

混和材の種類,主な作用機構および付与される性能に関する記述のうち,正しいものはどれか。
(1)フライアッシュは,ポゾラン反応を有し,長期強度の増進およびアルカリシリカ反応の抑制が期待できる。
(2)膨張材はエトリンガイトや水酸化カルシウムの生成により,収縮補償やケミカルプレストレス導入といった効果が期待できる。
(3)高炉スラグ微粉末は,潜在水硬性を有し,硫酸塩に対する抵抗性の向上およびアルカリシリカ反応の抑制が期待できる。
(4)シリカフュームは,マイクロフィラー効果を有し,高強度化および水密性の向上といった効果が期待できる。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。フライアッシュは,ポゾラン反応を有し,長期強度の増進およびアルカリシリカ反応の抑制が期待できます。
(2)○正しい。膨張材はエトリンガイトや水酸化カルシウムの生成により,収縮補償やケミカルプレストレス導入といった効果が期待できます。
(3)○正しい。高炉スラグ微粉末は,潜在水硬性を有し,硫酸塩に対する抵抗性の向上およびアルカリシリカ反応の抑制が期待できます。
(4)○正しい。シリカフュームは,マイクロフィラー効果を有し,高強度化および水密性の向上といった効果が期待できます。

【No.22】

各種混和材料の品質規格に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)高性能AE減水剤は,JISA6204(コンクリート用化学混和剤)において,スランプの経時変化量の上限値が規定されている。
(2)高性能減水剤は,JISA6204(コンクリート用化学混和剤)において,凍結融解に対する抵抗性が規定されている。
(3)フライアッシュは,JISA6201(コンクリート用フライアッシュ)において,未燃炭素含有量の目安となる強熱減量の上限値が規定されている。
(4)高炉スラグ微粉末は,JISA6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)において,比表面積の大きさにより4つに区分されている。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高性能AE減水剤は,優れたスランプ保持性能を有しており,スランプの経時変化量の上限値として,経時60分後で6.0cm以下と規定されています。
(2)×誤り。高性能減水剤は高性能AE減水剤と同様な優れた減水性能を有していますが,空気連行性能はないので,凍結融解に対する抵抗性の規定はありません。
(3)○正しい。フライアッシュは,I種,Ⅱ種,Ⅲ種,IV種に区分されており,強熱減量(%)は,それぞれ3.0以下.5.0以下,8.0以下5.0以下と上限値が規定されています。
(4)○正しい。高炉スラグ微粉末は,3000,4000,6000,8000の4種類があり,比表面積(cm2/g)はそれぞれ2750以上3500未満,3000以上5000未満,5000以上7000未満,7000以上10000未満と規定されています。

【No.23】

AE剤の使用量を一定とした場合,AEコンクリートの空気量が減少する要因として,適当なものはどれか。
(1)コンクリートの練上がり温度が低くなる。
(2)細骨材率を大きくする。
(3)単位セメント量を小さくする。
(4)練り混ぜ水に含まれるスラッジ固形分が多くなる。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートの温度が低くなるとコンクリートの粘性が小さくなるので,空気は連行されやすくなり,空気量は増大します。
(2)×誤り。コンクリートの細骨材率が大きくなるとモルタル分か多くなるので,AE剤の使用量が同一の場合,空気量は増大します。
(3)×誤り。単位セメント量を小さくするとコンクリートの粘性が小さくなるので,空気量は増大します。
(4)○正しい。練り混ぜ水に含まれるスラッジ分が多くなると微粒分か多くなるので,AE剤がその微粒分に吸着され,空気量は減少します。

【No.24】

混和材の使用に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)高炉スラグ微粉末を,硬化コンクリートへの塩化物イオンの浸透を抑制するために用いた。
(2)フライアッシュを,コンクリートのアルカリシリカ反応を抑制するために用いた。
(3)シリカフュームを,高強度コンクリートの自己収縮を低減するために用いた。
(4)膨張材を,コンクリートにケミカルプレストレスを導入するために用いた。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。高炉スラグ微粉末を用いると,塩化物イオンの浸透が抑制されます。また,コンクリートの長期強度の増進,アルカリシリカ反応の抑制等の使用効果があります。
(2)○正しい。フライアッシュを用いると,アルカリシリカ反応が抑制されます。また。コンクリートの温度ひび割れの抑制,流動性の向上等の使用効果があります。
(3)×誤り。シリカフュームを高強度コンクリートに用いると,緻密化により細孔径が小さくなり,空隙に発生する毛細管張力が大きくなるため,自己収縮が大きくなります。
(4)○正しい。膨張材は,乾燥収縮によるひび割れの発生の抑制を目的とした収縮補償コンクリートと,ケミカルプレストレスの積極的な導入を目的としたケミカルプレストレスコンクリートに使用されます。ケミカルプレストレスとは,コンクリートの膨張を鉄筋などの拘束体で拘束することにより,コンクリートに導入される圧縮応力です。

【No.25】

JISA6204(コンクリート用化学混和剤)の規定に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)化学混和剤からもたらされるコンクリート巾の全アルカリ量(Na2Oeq)は,0.30kg/m3以下とされている。
(2)化学混和剤の形式評価試験は製品を開発した当初に行う試験であり,性能確認試験はその後に定期的に行う試験である。
(3)AE減水剤を用いたコンクリートの凍結融解に対する抵抗性は,凍結融解の繰返し300サイクルにおける相対動弾性係数で60%以上とされている。
(4)高性能AE減水剤は,標準形,遅延形および促進形に区分されている。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。全アルカリ量は,JISA6204に規定されている試験コンクリート中に含まれる量として0.30kg/m3以下でなければなりません。試験コンクリートとは,化学混和剤の品質を試験する場合に試験の対象とする化学混和剤を用いたコンクリートのことです。
(2)○正しい。形式評価試験は,製品を開発した当初に性能確認として行う全項目試験であり,性能確認試験は,形式評価試験で確認された性能と同等の性能をもつことを定期的に確認するために,その一部項目について行う試験です。
(3)○正しい。AE剤,AE減水剤,高性能AE減水剤,および流動化剤には,凍結融解に対する抵抗性の性能として相対動弾性係数で60%以上とされています。
(4)×誤り。高性能AE減水剤は空気連行|生能をもち,AE減水剤よりも高い減水性能およびスランプ保持性能をもつ化学混和剤です。標準形と遅延形の区分はありますが促進形はありません。
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