【過去問演習(2)No.116-120_施工】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No2-24】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.116】

コンクリートの打ち込みおよび締め固めに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)外気温が30℃だったので,打ち重ね時間間隔の限度を150分とした。
(2)十分に締め固めを行うために打ち込みの1層の高さを50cmとした。
(3)振動機の挿入跡が残らないように棒形振動機を徐々に引き抜いた。
(4)直径50mmの棒形振動機を用いたので,振動機の挿入間隔を50cmとした。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。打ち重ね時間間隔はJASS5あるいは土木学会示方書何れも外気温25℃を境として,150分と120分を限度と規定されているので,30での場合120分以内に打ち重ねなければなりません。
(2)○正しい。1層の打ち込み高さは1m程度以下に抑えるのが望ましいです。さらに打ち込み高さを50cmとして十分に締め固めを行うことでよりよい締め固めが可能です。
(3)○正しい。内部振動機を使用して締め固めを行う場合,過度に(長時間にわたり)振動を加えてはなりません。しかし,過剰に振動を加えるのを恐れるあまり,棒形振動機を素早く引き抜き挿入跡が残るようでは締め固めたことになりません。
(4)○正しい。棒形振動機の水平面の作用範囲は,振動部分を中心としてその直径の10倍程度を半径とする円形の範囲といわれています。50mmの棒形振動機を用いて振動機の挿入間隔を50cmとした場合,重複部分を含めて振動が作用しない範囲がなくなります。

【No.117】

コンクリートの運搬機械について,運搬方法の特徴として,適当なものはどれか。
(1)コンクリートポンプはコンクリートの品質を損なうことなく,かつ長距離の運搬が可能な運搬機械である。
(2)コンクリートバケットはコンクリートの品質を損なう心配はないが,バケットの特性から,まずバケットにコンクリートを入れた後なんらかの方法でバケットを動かし,打設箇所でバケットから排出する機構であるため,大量の輸送はできない。
(3)ベルトコンベアは連続的に運搬できるものの,軟練りのコンクリートでは移動に伴う振動により分離する傾向が高く,軟練りのコンクリートには不適である。
(4)シュートはその傾斜を利用してコンクリートを移動させる機構から,高速(大量)に運搬可能であるが,移動に伴い分離する傾向が高く注意を要する。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。コンクリートポンプはコンクリートの品質を損なうことなく,かつ長距離の運搬が可能な運搬機械です。
(2)○正しい。コンクリートバケットはコンクリートの品質を損なう心配はないが,バケットの特性から,まずバケットにコンクリートを入れた後なんらかの方法でバケットを動かし,打設箇所でバケットから排出する機構であるため,大量の輸送はできません。
(3)○正しい。ベルトコンベアは連続的に運搬できるものの,軟練りのコンクリートでは移動に伴う振動により分離する傾向が高く,軟練りのコンクリートには不適です。
(4)○正しい。シュートはその傾斜を利用してコンクリートを移動させる機構から,高速(大量)に運搬可能ですが,移動に伴い分離する傾向が高く注意を要します。

【No.118】

コンクリートポンプによる圧送に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)ベンド管の数が多い場合,圧送負荷が大きくなる。
(2)上向きの配管で圧送する場合,下向きの配管の場合に比べて閉塞することが多い。
(3)時間当たりの吐出量が多い場合,水平管1m当たりの管内圧力損失は大きくなる。
(4)スランプの小さいコンクリートを圧送する場合,スクイズ式ポンプより,ピストン式ポンプの方が適している。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。ベンド菅を通過する際,コンクリートはせん断変形を受けるので直管に比べ圧送負荷が大きくなります。
(2)×誤り。上向きの配管で圧送する場合,コンクリートを重力に抗して上方へ引き上げる分だけ圧送に要するエネルギーは大きく圧送負荷は大きくなります。下向きの配管の場合には圧送負荷は小さくなりますが,コンクリートが自重により自然落下(先走り)して分離を生じ閉塞につながることが多いです。
(3)○正しい。時間当りの吐出量を多くすることは,同一径の圧送管の場合,コンクリートの移動速度を速くしなければなりません。移動速度が速いと,圧送管内面との摩擦および移動に要するエネルギーが大きくなり,圧送負荷は大きくなります。
(4)○正しい。スランプの小さいコンクリートは,スランプの大きいコンクリートに比べせん断変形に要するエネルギーが大きいです。また,ピストン式ポンプは管の後方よりコンクリートを押して移動させます。一方,スクイズ式ポンプはコンクリートの充填されたチューブを絞る要領でコンクリートを移動させる機構です。チューブを絞る機構はコンクリートにせん断変形を与えることに他ならず,スクイズ式ポンプはスランプの小さいンクリートには不向きです。

【No.119】

コンクリートの締め固めおよび許容打ち重ね時間間隔(打ち重ね時間間隔の限度)に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)棒形振動機の挿入間隔は,1m程度とするのがよい。
(2)層状に打ち込む場合,棒形振動機を下層に10cm程度挿入するのがよい。
(3)コンクリート温度が高い場合,許容打ち重ね時間間隔を短くするのがよい。
(4)コンクリート表面に風が当たる場合,許容打ち重ね時間間隔を短くするのがよい。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。掉形振動機を使用して締め固める場合,一般に棒形振動機の作用範囲は棒形振動機を中心に直径1m程度の範囲といわれています。挿入間隔を1mとすると,その影響範囲の円は互いに接するのみで作用範囲外の部分が残ってしまいます。
(2)○正しい。層状に打ち込む場合,上層のコンクリートを締め固める際,先行して打ち込まれた下層のコンクリートと一体化させるため,下層のコンクリートが再振動可能な時間以内に棒形振動機を下層に10cm程度挿入します。
(3)○正しい。コンクリート温度が高い場合,コンクリートの凝結は速くなり,再振動によりコンクリートを流動化できる時間は短くなります。
(4)○正しい。コンクリート表面に風が当る場合,コンクリート表面の水分が失われ,表面はあたかも凝結が早まったかのような状態となります。

【No.120】

コンクリートの施工に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)鉄骨鉄筋コンクリート梁において,鉄骨のフランジ下端ヘコンクリートを確実に充填させるために鉄骨のフランジ下端へ両側から同時に打ち込んだ。
(2)外気温が30℃になると予想されたので,打ち重ね時間間隔を90分以内になるように計画した。
(3)一般に型枠振動機は棒形振動機より締め固め効果が大きい。
(4)スクイズ式コンクリートポンプは,高強度コンクリートの圧送に適している。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。鉄骨鉄筋コンクリート梁には,中心部にH形断面等の鉄骨があります。とくに下部にはフランジがあり,フランジ下端ヘコンクリートを確実に充填させなければなりません。しかしフランジの両側から同時にコンクリートを打ち込むとフランジ下端に残った空気の逃げ場が無くなり,空隙が残ることとなります。
(2)○正しい。コンクリートを打ち重ねる際の時間間隔の限度は,下層のコンクリートに再振動を加え上層のコンクリートと一体化しコールドジョイントの発生を防ぐために決められています。このため,時間間隔の限度は外気温によって決められていて,25℃を境界として低い場合は150分,高い場合は120分を目安としています。30℃になると予想されるとき余裕をもって90分以内になるように計画するのは正しいです。
(3)×誤り。コンクリートの締め固めに使われる振動機には,コンクリート内で直接振動を加える棒形振動機と,型枠に取り付けて型枠を介してコンクリートに振動を加える型枠振動機とがあります。振動効果はコンクリートを直接加振することができる棒形振動機の方が高いです。また外部から加振するという機構から,型枠振動機は断面の大きいコンクリート部材では効果が小さいです。
(4)×誤り。スクイズ式コンクリートポンプは,コンクリートが充填されたチューブを絞りながらコンクリートを移動させる機構です。チューブが絞られる際,内部のコンクリートはせん断変形を受ける。このため,せん断変形に対する抵抗性の高い高強度コンクリート,高流動コンクリート等の高粘性のコンクリートや,硬練りコンクリートを圧送するには困難を伴います。
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