【過去問演習(2)No.16-20_材料】コンクリート技士 問題と解説

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【No.16】

骨材の品質とコンクリートの性状に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)細骨材の微粒分量が多いと,コンクリートのブリーディング量は増加する。
(2)細骨材の有機不純物量が多いと,コンクリートの凝結時間は長くなる。
(3)粗骨材の弾性係数が小さいと,コンクリートの乾燥収縮は大きくなる。
(4)粗骨材の安定性試験の損失質量分率が高いと,コンクリートの耐凍害性は低下する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。微粒分の多い細骨材を用いるとコンクリートの粘性が大きくなるので,ブリーディング量は減少します。
(2)○正しい。有機不純物(糖類や腐植土など)はセメントの水和反応を遅延または阻害させるため,細骨材中に有機不純物が多く含まれるとコンクリートの凝結時間は長くなります。
(3)○正しい。一般に,弾性係数の小さい骨材を使用したコンクリートほど乾燥収縮は大きくなる傾向があります。
(4)○正しい。安定性試験は,骨材の空隙中に硫酸ナトリウムの結晶を生じさせ,その結晶圧によって骨材が崩壊する程度を調べる方法であり,凍結融解作用と同じような作用を骨材に与えます。一般的に,安定性試験の質量損失分率が高い粗骨材を用いるとコンクリートの耐凍害性は低下する傾向があります。

【No.17】

粗骨材最大寸法および粗粒率に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)粗粒率は80,40,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの10個の各ふるいにとどまる骨材の全試料に対して算出する。
(2)粗粒率は各ふるいの呼び寸法の内,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmのふるいにとどまる質量分率の総和を100で除する。
(3)粗骨材の最大寸法とは,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法である。
(4)ふるいの呼び寸法25mmにとどまる質量分率が2%である場合,粗骨材の最大寸法は25mmである。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。粗粒率は80,40,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの10個の各ふるいにとどまる骨材の全試料に対して算出します。
(2)○正しい。粗粒率は各ふるいの呼び寸法の内,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmのふるいにとどまる質量分率の総和を100で除します。
(3)○正しい。粗骨材の最大寸法とは,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法です。
(4)○正しい。ふるいの呼び寸法25mmにとどまる質量分率が2%である場合,通過する質量分率は98%です。粗骨材の最大寸法は,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法であることから,粗骨材の最大寸法は25mmとなります。

【No.18】

吸水率および表面水率に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)吸水率は,表乾状態の質量と絶乾状態の質量の差を,絶乾状態の質量で除した値の百分率である。
(2)絶乾状態とは,骨材を100~110℃の温度で定質量となるまで乾燥し,骨材粒の内部に含まれている自由水が取り去られた状態をいう。
(3)表面水率は,表面水量を表乾状態の質量で除し値の百分率である。
(4)表乾状態とは,表面乾燥飽水状態のことで,骨材の表面水がなく,骨材粒の内部の空げきがすべて水で満たされている状態をいう。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。吸水率は,表乾状態の質量と絶乾状態の質量の差を,絶乾状態の質量で除した値の百分率です。
(2)○正しい。絶乾状態とは,骨材を100~110℃の温度で定質量となるまで乾燥し,骨材粒の内部に含まれている自由水が取り去られた状態をいいます。
(3)○正しい。表面水率は,表面水量を表乾状態の質量で除し値の百分率です。
(4)○正しい。表乾状態とは,表面乾燥飽水状態のことで,骨材の表面水がなく,骨材粒の内部の空げきがすべて水で満たされている状態をいいます。

【No.19】

骨材に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)JISAl145(骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法))では,反応により消費された水酸化ナトリウムの量と溶出したシリカの量の大小関係から骨材の反応性を判定する。
(2)粗骨材の最大寸法が大きいほど,単位水量は小さくなる。
(3)細骨材の吸水率が低いと,コンクリートのスランプの経時変化は大きくなる。
(4)粗粒率の大きい細骨材を用いると,ブリーディング量は増加し,粗骨材の粒形判定実積率が低くなると,スランプは大きくなる。
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正解は(3)(4)

【解説】
(1)○正しい。アルカリシリカ反応性試験(化学法)は,試料の溶解シリカ量(Sc)とアルカリ濃度減少量(Rc)を化学分析によって求め,「無害」または「無害でない」を判定する試験です。反応に消費された水酸化ナトリウムの量はRcに相当し,溶出したシリカの量はScに相当します。溶解シリカ量とアルカリ濃度減少量の大小関係から骨材の反応性を判定します。ちなみに,溶解シリカ量(Sc)が10mmol/L以上で,アルカリ濃度減少量(Rc)が700mmol/L未満のとき,溶解シリカ量(Sc)がアルカリ濃度減少量(Rc)以上となる場合,この骨材を無害でないものと判定し,それ以外の場合を無害と判定します。
(2)○正しい。粗骨材の最大寸法が変化した場合,同一のスランプを得る最適な細骨材率が異なることを理解しておくことです。粗骨材の最大寸法が大きくなると細骨材率が小さくなるので,同一のスランプを得る単位水量は小さくなります。
(3)×誤り。一般的に,吸水率が低い細骨材は骨材中の空隙が少ないため,コンクリート中の水を吸水しにくいので,スランプなど経過時間に伴うフレッシュ性状の変化に与える影響は小さいです。吸水率の高い細骨材を用いるとスランプの経時変化は大きくなります。
(4)×誤り。粗粒率の大きい細骨材は細粒分か少ないので,コンクリートの粘性が小さくなり,材料分離が生じやすくなるので,ブリーディング量は増加します。前半部分は適当です。粗骨材の粒形判定実積率は,骨材形状の良否を判断する指標です。粒形が角張っている砕石の実積率は50~65%程度,砂利は60~70%程度です。一般的に同一スランプのコンクリートを得るための単位水量は,実積率の低い砕石を用いた場合,砂利の場合より増加させる必要があります。したがって実積率の低い粗骨材を用いるとスランプは小さくなります。

【No.20】

各種混和材料に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)高炉スラグ微粉末を用いると,硫酸塩や海水の作用によるコンクリートの劣化に対する抵抗性が高くなる。
(2)フライアッシュを用いると,その未燃炭素含有量が少ないほど,コンクリートに所要の空気量を連行するのに必要なAE剤の量が多くなる。
(3)シリカフュームを用いると,高性能AE減水剤を用いた低水結合材比のコンクリートの流動性が高くなる。
(4)膨張材を用いると,エトリンガイトあるいは水酸化カルシウムの結晶の成長あるいは生成量の増大により,コンクリートが膨張する。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高炉スラグ微粉末は二替在水硬性を有しているので,コンクリートの組織が緻密化され,硫酸塩に対する抵抗性の向上,塩化物イオンの浸透の抑制,アルカリシリカ反応,長期強度の増進等の効果があります。
(2)×誤り。フライアッシュに含有される未燃焼炭素量が少ないと,吸着されるAE剤の量が少なくなるので,コンクリートに所要の空気量を連行するのに必要なAE剤の量が小さくなります。
(3)○正しい。シリカフュームを用いたコンクリートは,高性能AE減水剤を用いて水結合材比を低下させて.25%程度以下とした場合には,流動性は向上します。これは,高性能AE減水剤により分散された球形粒子であるシリカフュームのボールベアリング効果といわれています。
(4)○正しい。膨張材は,水和反応によりエトリンガイトまたは水酸化カルシウムの結晶を生成して,その結晶成長あるいは生成量の増大によりモルタルまたはコンクリートを膨張させます。

【No.16】

骨材の品質とコンクリートの性状に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)細骨材の微粒分量が多いと,コンクリートのブリーディング量は増加する。
(2)細骨材の有機不純物量が多いと,コンクリートの凝結時間は長くなる。
(3)粗骨材の弾性係数が小さいと,コンクリートの乾燥収縮は大きくなる。
(4)粗骨材の安定性試験の損失質量分率が高いと,コンクリートの耐凍害性は低下する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。微粒分の多い細骨材を用いるとコンクリートの粘性が大きくなるので,ブリーディング量は減少します。
(2)○正しい。有機不純物(糖類や腐植土など)はセメントの水和反応を遅延または阻害させるため,細骨材中に有機不純物が多く含まれるとコンクリートの凝結時間は長くなります。
(3)○正しい。一般に,弾性係数の小さい骨材を使用したコンクリートほど乾燥収縮は大きくなる傾向があります。
(4)○正しい。安定性試験は,骨材の空隙中に硫酸ナトリウムの結晶を生じさせ,その結晶圧によって骨材が崩壊する程度を調べる方法であり,凍結融解作用と同じような作用を骨材に与えます。一般的に,安定性試験の質量損失分率が高い粗骨材を用いるとコンクリートの耐凍害性は低下する傾向があります。

【No.17】

粗骨材最大寸法および粗粒率に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)粗粒率は80,40,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの10個の各ふるいにとどまる骨材の全試料に対して算出する。
(2)粗粒率は各ふるいの呼び寸法の内,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmのふるいにとどまる質量分率の総和を100で除する。
(3)粗骨材の最大寸法とは,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法である。
(4)ふるいの呼び寸法25mmにとどまる質量分率が2%である場合,粗骨材の最大寸法は25mmである。
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【解説】
(1)○正しい。粗粒率は80,40,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの10個の各ふるいにとどまる骨材の全試料に対して算出します。
(2)○正しい。粗粒率は各ふるいの呼び寸法の内,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmのふるいにとどまる質量分率の総和を100で除します。
(3)○正しい。粗骨材の最大寸法とは,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法です。
(4)○正しい。ふるいの呼び寸法25mmにとどまる質量分率が2%である場合,通過する質量分率は98%です。粗骨材の最大寸法は,質量分率で骨材の90%以上が通過するふるいのうち,最小寸法の呼び寸法であることから,粗骨材の最大寸法は25mmとなります。

【No.18】

吸水率および表面水率に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)吸水率は,表乾状態の質量と絶乾状態の質量の差を,絶乾状態の質量で除した値の百分率である。
(2)絶乾状態とは,骨材を100~110℃の温度で定質量となるまで乾燥し,骨材粒の内部に含まれている自由水が取り去られた状態をいう。
(3)表面水率は,表面水量を表乾状態の質量で除し値の百分率である。
(4)表乾状態とは,表面乾燥飽水状態のことで,骨材の表面水がなく,骨材粒の内部の空げきがすべて水で満たされている状態をいう。
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【解説】
(1)○正しい。吸水率は,表乾状態の質量と絶乾状態の質量の差を,絶乾状態の質量で除した値の百分率です。
(2)○正しい。絶乾状態とは,骨材を100~110℃の温度で定質量となるまで乾燥し,骨材粒の内部に含まれている自由水が取り去られた状態をいいます。
(3)○正しい。表面水率は,表面水量を表乾状態の質量で除し値の百分率です。
(4)○正しい。表乾状態とは,表面乾燥飽水状態のことで,骨材の表面水がなく,骨材粒の内部の空げきがすべて水で満たされている状態をいいます。

【No.19】

骨材に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)JISAl145(骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法))では,反応により消費された水酸化ナトリウムの量と溶出したシリカの量の大小関係から骨材の反応性を判定する。
(2)粗骨材の最大寸法が大きいほど,単位水量は小さくなる。
(3)細骨材の吸水率が低いと,コンクリートのスランプの経時変化は大きくなる。
(4)粗粒率の大きい細骨材を用いると,ブリーディング量は増加し,粗骨材の粒形判定実積率が低くなると,スランプは大きくなる。
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正解は(3)(4)

【解説】
(1)○正しい。アルカリシリカ反応性試験(化学法)は,試料の溶解シリカ量(Sc)とアルカリ濃度減少量(Rc)を化学分析によって求め,「無害」または「無害でない」を判定する試験です。反応に消費された水酸化ナトリウムの量はRcに相当し,溶出したシリカの量はScに相当します。溶解シリカ量とアルカリ濃度減少量の大小関係から骨材の反応性を判定します。ちなみに,溶解シリカ量(Sc)が10mmol/L以上で,アルカリ濃度減少量(Rc)が700mmol/L未満のとき,溶解シリカ量(Sc)がアルカリ濃度減少量(Rc)以上となる場合,この骨材を無害でないものと判定し,それ以外の場合を無害と判定します。
(2)○正しい。粗骨材の最大寸法が変化した場合,同一のスランプを得る最適な細骨材率が異なることを理解しておくことです。粗骨材の最大寸法が大きくなると細骨材率が小さくなるので,同一のスランプを得る単位水量は小さくなります。
(3)×誤り。一般的に,吸水率が低い細骨材は骨材中の空隙が少ないため,コンクリート中の水を吸水しにくいので,スランプなど経過時間に伴うフレッシュ性状の変化に与える影響は小さいです。吸水率の高い細骨材を用いるとスランプの経時変化は大きくなります。
(4)×誤り。粗粒率の大きい細骨材は細粒分が少ないので,コンクリートの粘性が小さくなり,材料分離が生じやすくなるので,ブリーディング量は増加します。前半部分は適当です。粗骨材の粒形判定実積率は,骨材形状の良否を判断する指標です。粒形が角張っている砕石の実積率は50~65%程度,砂利は60~70%程度です。一般的に同一スランプのコンクリートを得るための単位水量は,実積率の低い砕石を用いた場合,砂利の場合より増加させる必要があります。したがって実積率の低い粗骨材を用いるとスランプは小さくなります。

【No.20】

各種混和材料に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)高炉スラグ微粉末を用いると,硫酸塩や海水の作用によるコンクリートの劣化に対する抵抗性が高くなる。
(2)フライアッシュを用いると,その未燃炭素含有量が少ないほど,コンクリートに所要の空気量を連行するのに必要なAE剤の量が多くなる。
(3)シリカフュームを用いると,高性能AE減水剤を用いた低水結合材比のコンクリートの流動性が高くなる。
(4)膨張材を用いると,エトリンガイトあるいは水酸化カルシウムの結晶の成長あるいは生成量の増大により,コンクリートが膨張する。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高炉スラグ微粉末は潜在水硬性を有しているので,コンクリートの組織が緻密化され,硫酸塩に対する抵抗性の向上,塩化物イオンの浸透の抑制,アルカリシリカ反応,長期強度の増進等の効果があります。
(2)×誤り。フライアッシュに含有される未燃焼炭素量が少ないと,吸着されるAE剤の量が少なくなるので,コンクリートに所要の空気量を連行するのに必要なAE剤の量が小さくなります。
(3)○正しい。シリカフュームを用いたコンクリートは,高性能AE減水剤を用いて水結合材比を低下させて,25%程度以下とした場合には,流動性は向上します。これは,高性能AE減水剤により分散された球形粒子であるシリカフュームのボールベアリング効果といわれています。
(4)○正しい。膨張材は,水和反応によりエトリンガイトまたは水酸化カルシウムの結晶を生成して,その結晶成長あるいは生成量の増大によりモルタルまたはコンクリートを膨張させます。
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