【過去問演習(3)No.151-155_施工】コンクリート技士 問題と解説

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【No.151】

舗装コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)舗装コンクリートに関し,スランプ6.5cmのコンクリートの運搬にダンプトラックを用いた。
(2)舗装コンクリートに関し,凍結融解がしばしば繰り返される環境において,水セメント比の最大値を45%とした。
(3)舗装コンクリートに関し,一般的な交通量であることを考慮して,材齢28日における設計基準曲げ強度を4.5N/mm2とした。
(4)舗装コンクリートに関し,養生期間は,現場養生供試体の曲げ強度が配合強度の7割に達するまでとした。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。土木学会舗装標準示方書では,スランプが5cm未満の場合にはダンプトラックを用い,5cm以上の場合には,かくはん設備をつけたトラックミキサやトラックアジデータ車を用いるのがよいとしています。
(2)○正しい。耐久性から水セメント比を定める場合,土木学会舗装標準示方書では,凍結融解がしばしば繰り返される条件では45%,凍結融解がときどき起る条件では50%を水セメント比の最大値としています。
(3)○正しい。国土交通省「舗装の構造に関する技術基準」では,セメントコンクリート版に用いるコンクリートの設計基準曲げ強度として,4.4MPaと3.9MPaが規定されています。またJISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)においても舗装用コンクリートとして,曲げ強度4.5N/mm2(4.4MPa)が規定されています。
(4)○正しい。一般に曲げ強度が配合強度の7割に達するまで湿潤養生を行えば,その後の繰り返し曲げ作用や乾燥条件による強度発現の影響はないとされます。

【No.152】

舗装コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)舗装コンクリートに関し,凍結融解がしばしば繰り返されることが予想されたので,水セメント比が45%のAEコンクリートとした。
(2)舗装コンクリートに関し,スランプが2.5cmのコンクリートを,トラックアジテータで運搬した。
(3)舗装コンクリートに関し,振動台式コンシステンシー試験によるコンクリートの沈下度を,コンシステンシーの指標とした。
(4)舗装コンクリートに関し,湿潤養生期間は,現場養生供試体の曲げ強度が配合強度の7割に達するまでとした。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。耐久性を基として水セメント比を定める場合,土木学会舗装標準示方書では,凍結融解がしばしば繰り返される条件では45%,凍結融解がときどき起る条件では50%を水セメント比の最大値としています。
(2)×誤り。土木学会舗装標準示方書では,スランプが5cm未満の場合にはダンプトラックを用い,5cm以上の場合には,かくはん設備をつけたトラックミキサや,トラックアジデータ車を用いるのがよいとしています。
(3)○正しい。舗装コンクリートは,一般のコンクリートに比べ,硬練りであり,施工性を評価するには,スランプ試験ではなく振動台式コンシステンシー試験による沈下度を用いるのが適当です。
(4)○正しい。土木学会舗装標準示方書によれば,一般にはコンクリートの曲げ強度が配合強度の7割に達するまで湿潤養生を行えば,その後の荷重や環境作用はコンクリートの曲げ強度には事実上影響しないと解説されています。

【No.153】

舗装コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)舗装コンクリートに関し,すりへり減量が30%の粗骨材を用いた。
(2)舗装コンクリートに関し,荷卸し時の目標スランプを2.5cmとした。
(3)舗装コンクリートに関し,材齢28日における曲げ強度を設計の基準とした。
(4)舗装コンクリートに関し,ダンプトラックでの運搬時間の限度を1.5時間とした。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。土木学会舗装標準示方書では,すりへり減量の限度は,35%を標準としています。ただしタイヤチェーンなどによる,大きなすりへり作用を受ける積雪寒冷地の道路では,限度を25%以下とすることが望ましいとされています。
(2)○正しい。コンクリートのコンシステンシーは,スランプを2.5cmとするのが標準です。スリップフォームを用いる場合は4cm程度とする場合が多く,プレストレストコンクリートで版厚が小さい場合には8cmが標準的です。
(3)○正しい。舗装では,コンクリート版の荷重支持性能やひび割れ抵抗性に対し,圧縮強度より曲げ強度が重要な強度特性であり,設計では圧縮強度ではなく曲げ強度が設定されます。
(4)×誤り。JISA5308ー2009(レディーミクストコンクリート)によれば,ダンプトラックで運搬する場合の運搬時間は1時間以内と規定されています。

【No.154】

プレストレストコンクリートに関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)プレストレストコンクリートに関し,プレテンション方式で導入するプレストレスは,PC鋼材とコンクリートの付着によって導入される。
(2)プレストレストコンクリートに関し,ポストテンション方式で導入するプレストレスは,コンクリートが硬化した後にシース内のPC鋼材を緊張することによって導入される。
(3)プレストレストコンクリートに関し,導入したプレストレスは,コンクリートのクリープやPC鋼材のリラクセーションによって増加する。
(4)プレストレストコンクリートに関し,プレストレスを導入する材齢が若いほど,コンクリートのクリープ変形が大きくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。プレテンション方式では,アバット(固定アンカー)の間でPC鋼材を緊張し,アバットに定着します。その状態で鉄筋を組み立て,コンクリートを打ち込み,コンクリートが所要の強度に達した後,定着していたPC鋼材を緩め,コンクリートと鋼材の付着によって,プレストレスが導入されます。
(2)○正しい。ポストテンション方式とは鉄筋の組み立て時にPC鋼材を通すためのシースを配置し,コンクリートを打ち込み,所定の強度が発現したことを確認の後,ジャッキによってPC鋼材に引張力を与え,その状態でPC鋼材の両端部を定着具で固定し,コンクリートに圧縮力を与える方法。
(3)×誤り。プレストレス量は,クリープや乾燥収縮,PC鋼材のリラクゼーションによって減少します。
(4)○正しい。コンクリートの材齢が若いほどコンクリートのクリープ変形は大きくなります。コンクリートの基本的な性質です。

【No.155】

プレストレストコンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)梁部材よりも柱部材に多く用いられる。
(2)プレテンション方式は,定着具によりPC鋼材を部材端部に定着する工法である。
(3)ポストテンション方式は,鋼材とコンクリートの付着により定着する工法である。
(4)コンクリートのクリープが大きいほど,プレストレスの低下量は大きい。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。プレストレスの導入は,曲げモーメントによって生じる曲げ引張に抵抗する手段として有効であり,軸圧縮力が作用している柱では,プレストレスの導入でさらに圧縮力を増加させることによる構造的な効果は小さいです。
(2)×誤り。プレテンション方式では,アバット(固定アンカー)の間でPC鋼材を緊張し,アバットに定着します。その状態で鉄筋を組み立て,コンクリートを打ち込み,コンクリートが所要の強度に達した後,定着していたPC鋼材を緩め,コンクリートと鋼材の付着によって,プレストレスが導入されます。
(3)×誤り。ポストテンション方式とは,鉄筋の組み立て時にPC鋼材を通すためのシースを配置しコンクリートを打ち込み,所定の強度が発現したことを確認の後,ジャッキによってPC鋼材に引張力を与え,その状態でPC鋼材の両端部を定着具で固定し,コンクリートに圧縮力を与える方法。
(4)○正しい。プレストレス量は,クリープや乾燥収縮によって,コンクリートが時間の経過とともに収縮することにより減少します。クリープが大きいほど,プレストレスの低下量は大きくなります。
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