【過去問演習(2)No.81-85_配合・調合設計】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.81】

JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されている普通コンクリートの製造に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されている普通コンクリートの製造において,JISA5011ー3(コンクリート用スラグ骨材一第3部:銅スラグ骨材)に適合した銅スラグ細骨材を使用できる。
(2)JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されている普通コンクリートの製造において,JISA5021(コンクリート用再生骨材H)に適合した再生骨材Hを使用できる。
(3)JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されている普通コンクリートの製造において,高強度コンクリートの荷卸しを完了したトラックアジテータのドラム内に付着したモルタルを使用できる。
(4)JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されている普通コンクリートの製造において,スラッジ固形分率が3%を超えないように調整したスラッジ水を使用できる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。JISA5308では,骨材は附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)に適合するものを用いるとし,附属書Aには,砕石および砕砂,スラグ骨材,人工軽量骨材,再生骨材Hならびに砂利および砂について規定しています。よってJISA5011ー3(コンクリート用スラグ骨材一第3部:銅スラグ骨材)に適合した銅スラグ衵骨材,およびJISA5021(コンクリート用再生骨材H)に適合した再生骨材を普通コンクリートの製造に使用することができます。
(2)○正しい。JISA5308では,骨材は附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)に適合するものを用いるとし,附属書Aには,砕石および砕砂,スラグ骨材,人工軽量骨材,再生骨材Hならびに砂利および砂について規定しています。よってJISA5011ー3(コンクリート用スラグ骨材一第3部:銅スラグ骨材)に適合した銅スラグ衵骨材,およびJISA5021(コンクリート用再生骨材H)に適合した再生骨材を普通コンクリートの製造に使用することができます。
(3)×誤り。JISA5308では,「普通コンクリートの場合は,トラックアジテータから全量排出した後,トラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを付着モルタル安定剤を用いて再利用してよい。軽量コンクリート,舗装コンクリートおよび高強度コンクリートの場合は,付着モルタルの再利用は行わない。」と規定しています。よって,高強度コンクリートの荷卸しを完了したトラックアジテータのドラム内に付着したモルタルを普通コンクリートの製造に使用することができません。
(4)○正しい。JISA5308では,水は附属書Cに適合するものを用いるとし,附属書Cには,上水道水,上水道水以外の水および回収水を規定しています。なお,スラッジ水を用いる場合は,スラッジ固形分率が3%を超えてはならないと規定しています。よって,スラッジ固形分率が3%を超えないように調整したスラッジ水を普通コンクリートの製造に使用することができます。

【No.82】

JISA5308(レディーミクストコンクリート)における呼び方「高強度60,60,20,N」のコンクリートの製造および施工に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)「60,60,20,N」の高強度コンクリートの製造時における細骨材の表面水率の測定は,一般のコンクリートよりも頻度を多くする計画とした。
(2)「60,60,20,N」の高強度コンクリートの圧送時の管内圧力損失は,一般のコンクリートより小さいものとしてコンクリートポンプ車を選定した。
(3)「60,60,20,N」の高強度コンクリートの型枠に作用する側圧は,一般のコンクリートより大きいものとして型枠を設計した。
(4)「60,60,20,N」の高強度コンクリートの受入れ検査の項目としてスランプフローを用いた。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高強度コンクリートの品質は,通常のコンクリートに比べて使用材料の品質変動を受けやすい。とくに細骨材の表面水率の安定化がもっとも重要であるので,骨材の貯蔵設備は上屋を設けるものとします。また,細骨材表面水率の測定頻度を多くすること等の配慮が必要です。JISA5011(適合性評価一日本工業規格への適合性の認証一分野別認証指針(レディーミクストコンクリート))では,細骨材の表面水率の測定頻度を普通・舗装コンクリートにあっては1回以上/午前,1回以上/午後,高強度コンクリートにあっては始業前,1回以上/午前,1回以上/午後と規定しています。
(2)×誤り。高強度コンクリートは,低水セメント比で単位セメント量も多く,通常のコンクリートに比べて粘性が高く,高強度コンクリートのポンプ圧送時の圧力損失は,通常のコンクリートに比べて2~4倍と大きいです。したがって,充分な圧送能力を有するコンクリートポンプ機種や管径を選定する必要があります。
(3)○正しい。高強度コンクリートには高性能AE減水剤が多く使用されており,スランプフローで管理するものは,流動性も大きいうえに,一般に凝結も遅い傾向にあるため,打ち込み後も長時間にわたって側圧が減少しにくいです。したがって,型枠に作用する側圧は,通常のコンクリートに比べてより大きいものとして型枠を設計する必要があります。
(4)○正しい。スランプフロー60cmの高強度コンクリートであるので,受入検査の項目としてスランプフローを用います。

【No.83】

コンクリート材料の計量に関する次の記述のうちJISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,正しいものはどれか。
(1)袋詰めされたセメントを使用する場合,袋の数で量って使用した。
(2)セメントを,あらかじめ計量してある混和材に累加して計量した。
(3)粒度の異なる2種類の粗骨材を累加して計量した。
(4)高炉スラグ微粉末の計量値と目標値との差が+2%だったので許容した。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308では,“セメント,骨材および混和材の計量は質量による。混和材は,購人者の承認があれば袋の数で量ってもよい。ただし1袋未満のものを用いる場合には,必ず質量で計量しなければならない”と規定しています。セメントは計量器で計算し,袋の数では計量できません。
(2)×誤り。JISA5308では,“セメント,骨材,水および混和材料は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければならない。なお,水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に計量してもよい”と規定しています。したがって,セメントと混和材を累加計量できません。
(3)○正しい。骨材は,累加計量してもよいです。
(4)×誤り。JISA5308では,“1回計量分量の計量値の許容差をセメント,水にあっては±1%,骨材,混和剤にあっては±3%,混和材にあっては±2%(高炉スラグ微粉末は±1%)”と規定しています。

【No.84】

レディーミクストコンクリート製造時の目標とする1回計量分量と量り取られた計量値に関する記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定される計量値の許容差に照らして,適当なものはどれか。
(1)セメントの計量値が目標値のー2%であったため,合格とした。
(2)混和材(フライアッシュ)の計量値が目標値の+3%であったため,合格とした。
(3)粗骨材の計量値が目標値の+1%であったため,合格とした。
(4)混和剤(AE減水剤)の計量値が目標値の+4%であったため,合格とした。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308では,材料の計量値の許容差は,1回計量分量の計量値の許容差として,セメントおよび水にあっては±1%と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308では,材料の計量値の許容差は,1回計量分量の計量値の許容差として,混和材(フライアッシュ)にあっては±2%(高炉スラグ微粉末にあっては±1%)と規定しています。
(3)○正しい。JISA5308では,材料の計量値の許容差は,1回計量分量の計量値の許容差として,骨材にあっては±3%と規定しています。
(4)×誤り。JISA5308では,材料の計量値の許容差は,1回計量分量の計量値の許容差として,混和剤(AE減水剤)にあっては±3%と規定しています。

【No.85】

コンクリートの練り混ぜ時間を決定するために,JISA1119(ミキサで練り混ぜたコンクリート中のモルタルの差及び粗骨材量の差の試験方法)に関する記述のうち,適当なものはどれか。
(1)ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,JISA1119によって試験した値がコンクリート中のモルタルの単位容積質量の差にあっては0.8%以下であれば,コンクリートは均一に練り混ぜられている。
(2)ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,JISA1119によって試験した値がコンクリート中の単位粗骨材量の差にあっては5%以下であれば,コンクリートは均一に練り混ぜられている。
(3)コンクリートの練り混ぜ時間を決定するために,練り混ぜ時間を3点選び,あるスランプの配合について3回試験を行う。
(4)コンクリートの練り混ぜ時間を決定するために,95%信頼隕界線を書き,規格値との交点の練り混ぜ時間を求めて,長い時間の方に定める。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,JISA1119によって試験した値がコンクリート中のモルタルの単位容積質量の差にあっては0.8%以下であれば,コンクリートは均一に練り混ぜられていると判定します。
(2)○正しい。ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,JISA1119によって試験した値がコンクリート中の単位粗骨材量の差にあっては5%以下であれば,コンクリートは均一に練り混ぜられていると判定します。
(3)○正しい。コンクリートの練り混ぜ時間を決定するために,練り混ぜ時間を3点選び,あるスランプの配合について3回試験を行います。
(4)○正しい。コンクリートの練り混ぜ時間を決定するために,95%信頼隕界線を書き,規格値との交点の練り混ぜ時間を求めて,長い時間の方に定めます。
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