【過去問演習(3)No.96-100_施工】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-20】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.96】

コンクリートの運搬機械,運搬方法の目安と特徴として,適当なものはどれか。
(1)コンクリートポンプはコンクリートの品質を損なうことなく,かつ長距離の運搬が可能な運搬機械である。
(2)コンクリートバケットはコンクリートの品質を損なう心配はないが,バケットの特性から,まずバケットにコンクリートを入れた後なんらかの方法でバケットを動かし打設箇所でバケットから排出する機構であるため,大量の輸送はできない。
(3)ベルトコンベアは連続的に運搬できるものの,軟練りのコンクリートでは移動に伴う振動により分離する傾向が高く,軟練りのコンクリートには不適である。
(4)シュートはその傾斜を利用してコンクリートを移動させる機構から,高速(大量)に運搬可能であるが,移動に伴い分離する傾向が高く注意を要する。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。コンクリートポンプはコンクリートの品質を損なうことなく,かつ長距離の運搬が可能な運搬機械です。
(2)○正しい。コンクリートバケットはコンクリートの品質を損なう心配はないですが,バケットの特性から,まずバケットにコンクリートを入れた後なんらかの方法でバケットを動かし打設箇所でバケットから排出する機構であるため,大量の輸送はできません。
(3)○正しい。ベルトコンベアは連続的に運搬できるものの,軟練りのコンクリートでは移動に伴う振動により分離する傾向が高く,軟練りのコンクリートには不適です。
(4)○正しい。シュートはその傾斜を利用してコンクリートを移動させる機構から,高速(大量)に運搬可能ですが,移動に伴い分離する傾向が高く注意を要します。

【No.97】

コンクリートポンプによる圧送に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)ベンド管の数が多い場合,圧送負荷が大きくなる。
(2)上向きの配管で圧送する場合,下向きの配管の場合に比べて閉塞することが多い。
(3)時間当たりの吐出量が多い場合,水平管1m当たりの管内圧力損失は大きくなる。
(4)スランプの小さいコンクリートを圧送する場合,スクイズ式ポンプより,ピストン式ポンプの方が適している。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。ベンド管を通過する際,コンクリートはせん断変形を受けるので直管に比べ圧送負荷が大きくなります。
(2)×誤り。上向きの配管で圧送する場合,コンクリートを重力に抗して上方へ引き上げる分だけ圧送に要するエネルギーは大きく圧送負荷は大きくなります。下向きの配管の場合には圧送負荷は小さくなりますが,コンクリートが自重により自然落下(先走り)して分離を生じ閉塞につながることが多いです。
(3)○正しい。時間当りの吐出量を多くすることは,同一径の圧送管の場合,コンクリートの移動速度を速くしなければなりません。移動速度が速いと,圧送管内面との摩擦および移動に要するエネルギーが大きくなり,圧送負荷は大きくなります。
(4)○正しい。スランプの小さいコンクリートは,スランプの大きいコンクリートに比べせん断変形に要するエネルギーが大きいです。また,ピストン式ポンプは管の後方よりコンクリートを押して移動させます。一方,スクイズ式ポンプはコンクリートの充填されたチューブを絞る要領でコンクリートを移動させる機構です。チューブを絞る機構はコンクリートにせん断変形を与えることになり,スクイズ式ポンプはスランプの小さいンクリートには不向きです。

【No.98】

コンクリートの締め固めおよび許容打ち重ね時間間隔(打ち重ね時間間隔の限度)に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)棒形振動機の挿入間隔は,1m程度とするのがよい。
(2)層状に打ち込む場合,棒形振動機を下層に10cm程度挿入するのがよい。
(3)コンクリート温度が高い場合,許容打ち重ね時間間隔を短くするのがよい。
(4)コンクリート表面に風が当たる場合,許容打ち重ね時間間隔を短くするのがよい。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。棒形振動機を使用して締め固める場合,一般に、棒形振動機の作用範囲は棒形振動機を中心に、直径1m程度の範囲といわれています。挿入間隔を1mとすると,その影響範囲の円は互いに接するのみで作用範囲外の部分が残ってしまいます。
(2)○正しい。層状に打ち込む場合,上層のコンクリートを締め固める際,先行して打ち込まれた下層のコンクリートと一体化させるため,下層のコンクリートが再振動可能な時間以内に棒形振動機を下層に10cm程度挿入します。
(3)○正しい。コンクリート温度が高い場合,コンクリートの凝結は速くなり,再振動によりコンクリートを流動化できる時間は短くなります。
(4)○正しい。コンクリート表面に風が当る場合,コンクリート表面の水分が失われ,表面はあたかも凝結が早まったかのような状態となり,再振動によりコンクリートを流動化できる時間は短くなります。

【No.99】

コンクリート打ち込み時の材料分離の防止策に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)シュートを用いて打ち込む際に,縦シュートを使用した。
(2)長いシュートを用いて打ち込む際に,シュートの先端に漏斗管を設けた。
(3)長い壁に打ち込む際に,打ち込み箇所を少なくした。
(4)背の高い壁に打ち込む際に,型枠や鉄筋への衝突を避けた。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。縦シュートはいずれも分離対策処置を施したものであり,硬軟を問わずコンクリートの分離を防止することが可能です。
(2)○正しい。斜めシュートを用いると分離する可能性が高くなります。シュートの先端に漏斗管や当て板などを設ける方法は分離防止に有効です。
(3)×誤り。打ち込み箇所が少いと型枠内での横流しの距離が長くなり,鉄筋の存在あるいは型枠との摩擦により分離が生じやすく,分離の原因となります。
(4)○正しい。コンクリートを型枠内で自由落下させると,コンクリートが鉄筋や型枠への衝突により分離しやすくなります。コンクリートポンプのホース先端等を型枠下部まで挿入し,打設箇所へ直接コンクリートを送ることは有効です。

【No.100】

コンクリートポンプによる圧送に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)コンクリートポンプによる圧送に関して,単位セメント量が少なくなると,閉塞が生じやすい。
(2)コンクリートポンプによる圧送に関して,輸送管の径を大きくすると,圧力損失は小さくなる。
(3)コンクリートポンプによる圧送に関して,圧送速度を大きくすると,圧送負荷は小さくなる。
(4)コンクリートポンプによる圧送に関して,単位長さ当たりの圧力損失は,直管よりもベンド管の方が大きい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。単位セメント量が少なくなると,コンクリート中のモルタルの粘性が低下し,モルタル分が先走りしてしまう等分離しやすくなり,閉塞につながりやすくなります。
(2)○正しい。コンクリートを輸送するエネルギーは,輸送管との摩擦,コンクリートのせん断変形,コンクリートの移動等により生じます。輸送管の径を大きくすると,コンクリート単位容積当りの輸送管との摩擦面積を減じるため,管圧力損失は小さくなります。
(3)×誤り。一般に,物を動かす際,その速度を大きくすると大きなエネルギーが必要となります。圧送速度を大きくすることは,コンクリートを速く動かすことであるため,大きなエネルギー,すなわち圧送機械には大きな負荷がかかることになります。
(4)○正しい。直管とベンド管を比較した場合,コンクリートの移動に要するエネルギーに加え,直管は管との摩擦による抵抗が加わります。ベンド管は管との摩擦およびコンクリートのせん断変形による抵抗も加わり,単位長さ当りの圧力損失は,直管よりもベンド管の方が大きくなります。
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