コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-6
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.26】
鉄筋腐食先行型のひび割れに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)中性化によるひび割れは,かぶり不足が原因であり,柱や梁では,主筋に沿って生じる。
(2)鉄筋腐食型のひび割れは,鉄筋腐食が進行した結果,生じたひび割れで,中性化や塩害などの原因で鉄筋に腐食が生じ,腐食の進行に伴い,かぶりコンクリートがひび割れ,その後短期間のうちに,かぶりコンクリートがはく落に至る。
(3)腐食ひび割れが生じた時点が,鉄筋腐食先行型の劣化限度となる。
(4)腐食ひび割れが生じた時点で既に鉄筋腐食は先行しており,劣化原因が内部にあることから,補修による機能回復は,ひび割れ先行型よりも難しい。
クリックで【No.26】の解答と解説をみる
正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。中性化によるひび割れは,かぶり不足が原因であり,柱や梁では,主筋よりも外側に配置されるせん断補強筋に沿って生じます。
(2)○正しい。鉄筋腐食が進行した結果,生じたひび割れで,中性化や塩害などの原因で鉄筋に腐食が生じ,腐食の進行に伴い,かぶりコンクリートがひび割れ,その後短期間のうちに,かぶりコンクリートがはく落に至る。
(3)○正しい。腐食ひび割れが生じた時点が,鉄筋腐食先行型の劣化限度となります。
(4)○正しい。腐食ひび割れが生じた時点で既に鉄筋腐食は先行しており,劣化原因が内部にあることから,補修による機能回復は,ひび割れ先行型よりも難しいです。
【No.27】
ひびわれ先行型のひび割れに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)ひび割れ先行型のひび割れは,鉄筋腐食を促進させる原因となるひび割れで,何らかの原因で生じたひび割れが鉄筋位置に達し,そのひび割れからの劣化因子の侵入により鉄筋の腐食が進行する。
(2)コンクリートの保護性能が失われたと見なされるひび割れ幅に至った段階がひび割れ先行型の劣化限度となる。
(3)ひび割れが先にあると鉄筋周辺に腐食による膨張圧が蓄積されにくく,鉄筋腐食先行型の場合と比べて,かぶりコンクリートのはく落は生じにくいため,比較的安全側の劣化形態である。
(4)ひび割れが部材性能に与える影響は,塩害腐食環境下,屋外環境下,土中および屋内環境下によって同一である。
クリックで【No.27】の解答と解説をみる
正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。ひび割れ先行型のひび割れは,鉄筋腐食を促進させる原因となるひび割れで,何らかの原因で生じたひび割れが鉄筋位置に達し,そのひび割れからの劣化因子の侵入により鉄筋の腐食が進行します。
(2)○正しい。コンクリートの保護性能が失われたと見なされるひび割れ幅に至った段階がひび割れ先行型の劣化限度となります。
(3)○正しい。ひび割れが先にあると鉄筋周辺に腐食による膨張圧が蓄積されにくく,鉄筋腐食先行型の場合と比べて,かぶりコンクリートのはく落は生じにくいため,比較的安全側の劣化形態です。
(4)×誤り。ひび割れが部材性能に与える影響は,塩害腐食環境下,屋外環境下,土中および屋内環境下によって異なります。
【No.28】
アルカリシリカ反応に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)アルカリシリカ反応によるひび割れは,鉄筋による拘束が小さい場合は網目状のひび割れが発生し,鉄筋による拘束が大きい場合は柱や梁の軸方向のひび割れとして発生する。
(2)アルカリシリカ反応により変状が認められても,部材としての耐力はある程度の鉄筋量が確保されていれば低下はしない。
(3)アルカリシリカ反応抑制対策として,コンクリート中のアルカリ総量を酸化ナトリウム換算で0.3kg/m3以下に抑える。
(4)アルカリシリカ反応抑制対策として,高炉セメントB種,C種またはフライアッシュセメントB種,C種などの混合セメントを使用する。
クリックで【No.28】の解答と解説をみる
正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。アルカリシリカ反応によるひび割れは,鉄筋による拘束が小さい場合は網目状のひび割れが発生し,鉄筋による拘束が大きい場合は柱や梁の軸方向のひび割れとして発生します。
(2)○正しい。アルカリシリカ反応により変状が認められても,部材としての耐力はある程度の鉄筋量が確保されていれば低下はしません。
(3)×誤り。アルカリシリカ反応抑制対策として,コンクリート中のアルカリ総量を酸化ナトリウム換算で3.0kg/m3以下に抑えます。塩化物含有量の制限値である0.3kg/m3との混同に注意が必要です。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応抑制対策として,高炉セメントB種,C種またはフライアッシュセメントB種,C種などの混合セメントを使用することで,アルカリ総量が減り,アルカリシリカ反応が進行しにくくなります。
【No.29】
凍害によるひび割れ関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)凍害によるひび割れは,建築部では軒先,ベランダ,パラペットなどの突出部,外階段,屋上スラブ面など温度変化や融雪水の影響を受ける部分に発生しやすい。
(2)主要構造物が凍害を受けた場合,その影響はごく表面の劣化に限られることが多い。
(3)凍害は表面だけの影響であるため,内部への劣化の進行はほぼないため,美観上の問題が無ければ補修などの措置を行う必要はない。
(4)凍害によるひび割れの防止対策として,凍害を受ける骨材を使用しないこと,連行空気をコンクリートの導入して圧力の発生を抑制し,水セメント比を低くし,コンクリートの水密性を高めることが重要である。
クリックで【No.29】の解答と解説をみる
正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。凍害によるひび割れは,建築部では軒先,ベランダ,パラペットなどの突出部,外階段,屋上スラブ面など温度変化や融雪水の影響を受ける部分に発生しやすいです。
(2)○正しい。主要構造物が凍害を受けた場合,その影響はごく表面の劣化に限られることが多いです。
(3)×誤り。凍害は放置しておくと確実に進行するので,補修,鋼管処置が必要となります。
(4)○正しい。凍害によるひび割れの防止対策として,凍害を受ける骨材を使用しないこと,連行空気をコンクリートの導入して圧力の発生を抑制し,水セメント比を低くし,コンクリートの水密性を高めることが重要です。
【No.30】
疲労によるひび割れ,およびたわみに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)疲労によるひび割れは,車両走行荷重などによる繰り返し荷重の影響によりひび割れが発生し,はく落へとつながるものである。
(2)道路橋などの鉄筋コンクリート床版の疲労では,一方向のひび割れ,格子状のひび割れ,ひび割れの網細化,貫通,コンクリートのはく落へと進行し,主に床版の上面にひび割れが生じる。
(3)たわみとは,主に水平部材に荷重が作用した時の鉛直方向の変形量を表すものである。
(4)たわみは,構造物自体の変形だけでなく支持地盤や環境の変化に起因して発生する場合があるので,たわみの変状を調査して,変状が進行している場合にはその原因を追求し,早急に対応する。
クリックで【No.30】の解答と解説をみる
正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。疲労によるひび割れは,車両走行荷重などによる繰り返し荷重の影響によりひび割れが発生し,はく落へとつながるものです。
(2)×誤り。道路橋などの鉄筋コンクリート床版の疲労では,一方向のひび割れ,格子状のひび割れ,ひび割れの網細化,貫通,コンクリートのはく落へと進行し,主に床版の下面にひび割れが生じます。
(3)○正しい。たわみとは,主に水平部材に荷重が作用した時の鉛直方向の変形量を表すものです。
(4)○正しい。たわみは,構造物自体の変形だけでなく支持地盤や環境の変化に起因して発生する場合があるので,たわみの変状を調査して,変状が進行している場合にはその原因を追求し,早急に対応します。