【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.90)総合問題18

コンクリート診断士 問題と解説Vol.90

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問431_受熱温度推定】

 火災を受けたコンクリートの受熱温度の推定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)UVスペクトル法はコンクリートに使用されている化学混和剤に着目する。
(2)UVスペクトル法は分析試料の吸光度と加熱温度との関係で表される検量線から、受熱温度を推定する方法である。
(3)UVスペクトル法における吸光度とは、試料に吸収される光の量である。検量線は、吸光度の測定値を使って履歴温度を推定するために作成する測定値と履歴温度の関係である。
(4)UVスペクトル法において分析試料の検量線が作成できない場合は、化学的酸素要求量により有機物を定量することで、受熱温度を推定することもできる。
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正解 なし

(1)〇:問題のとおりです。UVスペクトル法は、コンクリートに使用されている化学混和剤の熱による変化に着目します。
(2)〇:問題のとおりです。UVスペクトル法は分析試料の吸光度と加熱温度との関係で表される検量線から、受熱温度を推定する方法です。
(3)〇:問題のとおりです。UVスペクトル法における吸光度とは、試料に吸収される光の量です。検量線は吸光度の測定値を使って履歴温度を推定するために作成する測定値と履歴温度の関係です。
(4)〇:問題のとおりです。UVスペクトル法において分析試料の検量線が作成できない場合は、化学的酸素要求量により有機物を定量することで、受熱温度を推定することもできます。

【問432_コア強度】

 コンクリート構造物から採取したコアの圧縮強度試験に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)粗骨材の最大寸法が20mmであったので、コア供試体の直径を65mmとした。
(2)コア供試体高さの中央付近で、互いに直交する2方向について直径を測定し、その平均値を供試体の平均直径とした。
(3)コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度が90.7°であったので、そのまま圧縮強度試験に供した。
(4)コア供試体の高さと直径との比が1.85であったので、圧縮強度の補正は行わなかった。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。コア供試体の直径は粗骨材の最大寸法の3倍以上とします。
(2)×:誤りです。直径の測定はコア供試体高さの上下端付近および中央付近で互いに直交する2方向について±1%以内の精度で測定し、その平均値を供試体の平均直径とします。
(3)×:誤りです。コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度は90°±0.5°以内とします。
(4)×:誤りです。コア供試体の高さと直径との比は、1.9~2.1以外は補正係数kを、圧縮強度に乗じます。

【問433_弾性波法】

 超音波法による、ひび割れ深さの推定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)超音波法は、コンクリート中を伝播する弾性波がひび割れ先端において、回折する現象を利用している。
(2)超音波法による、ひび割れ深さの推定方法には、弾性波の伝播時間を利用する方法と、受信波の振幅に着目する方法の2種類がある。
(3)超音波法において、受信波の振幅に着目する方法では、発振子および受振子を等間隔でひび割れから遠ざけるように走査しながら測定する。
(4)超音波法において、受信波の振幅に着目する方法では、位相が初めて反転する直前の発振子と受振子の間隔をLとすると、ひび割れ深さはL/2として推定される。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。超音波法はコンクリート中を伝播する弾性波が、ひび割れ先端において回折する現象を利用しています。
(2)×:誤りです。超音波法による、ひび割れ深さの推定方法には弾性波の伝播時間を利用する方法と受信波の位相変化に着目する方法の2種類があります。
(3)〇:問題のとおりです。超音波法において、受信波の振幅に着目する方法では、発振子、および、受振子を、等間隔でひび割れから遠ざけるように走査しながら測定します。
(4)〇:問題のとおりです。弾性波は、回折する際に、波形の位相が変化する性質を持ちます。特に、位相が反転する角度のことを臨界角と呼びます。コンクリートの臨界角は、約90°です。つまり、発振子と受振子の間隔をLとすると、ひび割れ深さはL/2として推定されます。

【問434_アルカリ量推定】

 コンクリート構造物から採取したコアによる、アルカリ量の推定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)アルカリ量の測定において、コアを粉砕して得られた粉末試料を用い、硫酸で抽出した場合には、全アルカリ量を、温水で抽出した場合は、水溶性アルカリ量を求めることができる。
(2)アルカリ量の測定において、粉末試料から、アルカリを抽出後、ろ過中のアルカリ金属イオンの濃度を、原子吸光で定量し、コンクリート中のアルカリ量を求める。
(3)原子吸光分析は、試料を加熱して、原子化し、その原子に光を当てて、吸光度を測定することで、元素を分析する手法である。
(4)アルカリを抽出後、ICP発光分析装置にかけることで、、コンクリート中のアルカリ量を求めることができる。ICP発光分析装置は、アルゴンプラズマを発光光源として使用し、霧状にした試料を、プラズマに導入することで、元素固有のスペクトルを発光させ、これらのスペクトルから、元素の存在を明らかにし、光の発光強度から、元素の濃度を求める方法である。
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正解(1)

(1)×:誤りです。アルカリ量の測定において、コアを粉砕して得られた粉末試料を用い、塩酸で抽出した場合には、全アルカリ量を、温水で抽出した場合は、水溶性アルカリ量を求めることができます。
(2)〇:問題のとおりです。アルカリ量の測定において、粉末試料から、アルカリを抽出後、ろ過中のアルカリ金属イオンの濃度を、原子吸光で定量し、コンクリート中のアルカリ量を求めることができます。
(3)〇:問題のとおりです。原子吸光分析は、試料を加熱して、原子化し、その原子に光を当てて、吸光度を測定することで、元素を分析する手法です。
(4)〇:問題のとおりです。ICP発光分析装置は、アルゴンプラズマを発光光源として使用し、霧状にした試料を、プラズマに導入することで、元素固有のスペクトルを発光させ、これらのスペクトルから、元素の存在を明らかにし、光の発光強度から、元素の濃度を求める方法である。

【問435_セメント協会法】

 セメント協会法による硬化コンクリートの配合推定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート塊の前処理として、105μmふるいを全部通過する程度に微粉砕した。
(2)微粉砕した試料を塩酸で処理し、不溶残分の量から骨材量を計算した。
(3)微粉砕した試料を塩酸で処理し、炭酸カルシウムの量からセメント量を計算する。
(4)微粉砕した試料から、600℃における強熱減量を測定し、測定値から結合水量を求める。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。セメント協会法において、コンクリート塊の前処理として、105μmふるいを全部通過する程度に微粉砕します。
(2)〇:問題のとおりです。微粉砕した試料を塩酸で処理し、不溶残分の量から骨材量を計算します。
(3)×:誤りです。微粉砕した試料を塩酸で処理し、酸化カルシウムの量からセメント量を計算します。
(4)〇:問題のとおりです。微粉砕した試料から、600℃における強熱減量を測定し、測定値から結合水量を求めます。
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