【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.45)ASR、調査

コンクリート診断士 問題と解説Vol.45

【問221_ASR】

 竣工後10年が経過した時点で、変状が認められていないコンクリート橋脚がある。同時期に施工された近隣の橋梁でアルカリシリカ反応による劣化が生じていたので、この橋脚のコンクリートのアルカリシリカ反応性を調査することにした。この場合の調査方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)書類調査により、使用された骨材の産地や岩種を調べた。

(2)採取したコアから薄片を作製し、偏光顕微鏡観察によって反応性鉱物の有無を調べた。

(3)採取したコアから取り出した骨材のアルカリ量とシリカ量を測定した。

(4)採取したコアの膨張量を促進環境下で測定した。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応は、骨材中のシリカを起因とするため、書類調査により骨材の産地や岩種を調べます。

(2)問題のとおりです。偏光顕微鏡は光学顕微鏡の一種で、岩石や鉱物の観察に使用されます。顕微鏡に特殊な偏光レンズを配置し、試料に偏光をあて、結晶などの複屈折物質により変化した偏光を観察します。古くから鉱物や岩石の分析に用いられている方法です。

(3)誤りです。アルカリシリカ反応性の調査では、コンクリート中のアルカリ量と、骨材中のシリカ量を測定します。骨材中のアルカリ量の測定は不要です。

(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応による、コンクリートの残存膨張性を調査するため、コンクリートコアを塩化ナトリウム溶液中に浸せきして、コアの膨張量を促進膨張試験を行います。

【問222_ASR】

 構造物から採取したコアのアルカリシリカ反応に伴う残存膨張量の測定に関する次の記述のうち、適当なものはどれか

(1)試験開始まで、コアが乾燥しないように蒸留水に浸せきして保管した。

(2)アルカリが溶出した可能性がある構造物の表面部分を除いた範囲で測定を行った。

(3)湿気槽を用いる試験では、膨張率はコア供試体の寸法によって変わらない。

(4)外部から水酸化ナトリウムを供給する試験では、膨張率は反応性骨材の種類によって変わらない。

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正解(2)

(1)誤りです。コンクリートコアを水中に浸せきすると、コンクリート中のアルカリ分が溶出しアルカリシリカ反応の判定ができない可能性があります。

(2)問題のとおりです。残存膨張量試験では、アルカリが溶出した可能性がある構造物の表面部分、深さ50mm程度を除いた範囲で測定を行います。

(3)誤りです。湿気槽で実験する方法では、コアの寸法が異なると、コアからのアルカリの溶出量に違いが生じるため、膨張量の測定結果が変わります。

(4)誤りです。骨材の膨張率は、反応性骨材の種類により違いが生じます。微細な結晶粒や、歪んだ結晶格子をもつ石英が反応性鉱物として含まれるチャートなどの骨材では、膨張が非常にゆっくり進行します。

【問223_調査手法】

 光ファイバセンサによるコンクリート構造物のモニタリングに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)線的、面的に広範囲のひずみの測定ができる。

(2)通信回線を利用した遠距離からの監視ができる。

(3)電気ノイズの影響を受けない。

(4)雰囲気温度の影響を受けない。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。光ファイバは安価で、長距離区間による測定が可能です。光ファイバを長距離配線することで、広域での線的、面的な測定が可能です。

(2)問題のとおりです。光ファイバセンサで取得したデータを、通信回線を利用して送信することで、遠距離から監視ができます。

(3)問題のとおりです。光ファイバセンサは、電流値を読み取るひずみゲージなどと異なり、センサ類が電気的な影響を受けません。

(4)誤りです。光ファイバセンサは、温度により膨張・伸縮するため温度変化の影響を受けます。雰囲気温度とは、周囲の温度です。

【問224_調査手法】

 コンクリート表面からの硫酸イオンの浸透深さを測定するために、採取したコンクリートコアの割裂破断面で呈色反応試験を行った。噴霧した次の試薬のうち、不適当なものはどれか

(1)過マンガン酸カリウムと塩化バリウムの混合液

(2)ニトロアゾ化合物溶液

(3)トリフェニルメタン系化合物溶液

(4)フルオレセインナトリウム溶液

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正解(4)

硫酸塩浸食の場合、硫酸イオンの浸透深さは、過マンガン酸カリウムと塩化バリウムの混合液、ニトロアゾ化合物溶液、トリフェニルメタン系化合物溶液によって、簡易に測定できます。

覚えにくいため、「ニ(トロアゾ) トリ(フェニルメタン) に (過)マンガン(酸カリウムと塩化バリウム) 電池を買いに行く」

「ニトリにマンガン電池を買いに行く」と語呂合わせで覚えます。

(4)フルオレセインナトリウム溶液は、塩化物イオンの硝酸銀溶液による滴定を行う際の指示薬として用いられます。

【問225_調査手法】

 コンクリート構造物のひずみ測定に用いる電気抵抗線ひずみゲージに関する記述中の(A)~(C)にあてはまる次の語句の組合せのうち、適当なものはどれか

 電気抵抗線ひずみゲージは、ゲージ中にある金属線の(A)により電気抵抗が変化する特性に基づいてひずみを測定するものである。測定にあたっては、温度変化や(B)の影響を受けるのでブリッジ回路を形成しなければならない。さらに、粗骨材の最大寸法に応じて適切な(C)を選定することが重要である。

(A) (B) (C)
(1) 形状変化 リード線の長さ ゲージ長
(2) 温度変化 コンクリートのヤング係数 ゲージ長
(3) 形状変化 コンクリートのヤング係数 ゲージ幅
(4) 温度変化 リード線の長さ ゲージ幅
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正解(1)

金属などの導体の抵抗は、長さに比例、面積に反比例します。ひずみゲージは、この原理を用いて、鉄骨や鉄筋、コンクリート表面のひずみ測定に使用されます。
 微小な抵抗の変化を、大きな電圧変化として捉える回路をブリッジ回路と言います。ブリッジ回路の抵抗の一部をひずみゲージに置き換え、ゲージにひずみを加えると、抵抗値が変化し、電圧差が生じます。この電圧差を測定してひずみを求めることができます。
 ひずみゲージは、温度変化に影響を受けます。さらに、リード線の長さが長くなると抵抗が大きくなります。
 ひずみゲージの長さは、粗骨材の最大寸法の3倍以上の物を使用します。

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