【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-11)基本問題11_表面変状、自己収縮、すり減り、中性化

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-11

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.51】

コンクリートの表面の変状に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリート表面に繁殖した藻類や真菌類などが死滅すると,黒色や茶色の汚れとなる。
(2)一次エフロレッセンスが発生すると,コンクリート表面近くの細孔溶液中の水酸化カルシウムの濃度は、発生していない箇所より高くなる。
(3)火害を受けたコンクリートの表面は、受熱温度が600℃に達するまで変色しない。
(4)雨が流れやすいパラペットの壁面では,コンクリート表面に汚れが付着しない。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート表面の汚れは,かび類,藻類,地衣類,こけ類などが付着して発生するもので,黒色や茶色の汚れとなります。
(2)×誤り。一次エフロレッセンスは練り混ぜ水など元来コンクリート中に含まれる水分によるものであり,セメントの水和物である水酸化カルシウムを消費するため濃度は低下します。
(3)×誤り。火害を受けたコンクリートの表面は、300℃まではすすの付着のみ、300~600℃ではピンク色に変色します。
(4)×誤り。パラペット上部の水平部に堆積した汚染物質が雨水とともに流下しますが,よだれ状の汚れが付着しやすいです。

【No.52】

コンクリートの自己収縮に関する次の記述中のうち、不適当なものはどれか。
(1)自己収縮とは,外部からの水の供給がなく,セメントの水和反応によりペースト中の水分の蒸発によりコンクリートが収縮するものである。
(2)水セメント比が小さいと自己収縮量は小さくなる。
(3)けい酸二カルシウム含有量が多いと水和反応が遅く,化学抵抗性が大きくなり自己収縮量は小さくなる。
(4)結合材の比表面積の多い高炉スラグの含有量が大きいものほど,自己収縮は大きくなる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。自己収縮とは,外部からの水の供給がなく,セメントの水和反応によりペースト中の水分の蒸発によりコンクリートが収縮するものです。
(2)×誤り。水セメント比が小さいと自己収縮量は大きくなります。
(3)○正しい。けい酸二カルシウム含有量が多いと水和反応が遅く,化学抵抗性が大きくなり自己収縮量は小さくなります。
(4)○正しい。結合材の比表面積の多い高炉スラグの含有量が大きいものほど,自己収縮は大きくなります。

【No.53】

コンクリートのすり減りに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)圧縮強度が同一の場合、普通コンクリートは、軽量コンクリートよりすり減り抵抗性が高い。
(2)圧縮強度が同一の場合、細骨材率が38%のコンクリートは、細骨材率が43%のコンクリートよりすり減り抵抗が高い。
(3)流速が一定の場合、流水中のコンクリートのすり減り量は,時間の平方根に比例する。
(4)コンクリート水路では、落差のある箇所の水叩き部におけるすり減り量は、落差のない箇所におけるすり減り量より大きい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。すり減り抵抗性はコンクリートの骨材の種類により異なり,普通コンクリートは,軽量コンクリートより高いです。
(2)○正しい。圧縮強度が同一ならば、細骨材率の小さい方がモルタル分が少ないため,すり減り抵抗性は高いです。
(3)×誤り。流速が一定ならば、流水中のコンクリートのすり減り量は経過時間に正比例します。
(4)○正しい。コンクリート水路において,落差工の水叩き部分におけるすり減り量は落差がない場所より,落差が高いほど大きいです。

【No.54】

コンクリートの中性化に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)中性化とは,大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入し,炭酸化反応を起こすことにより,細孔溶液のpHが低下する現象である。
(2)コンクリートは主成分がセメントであり,内部がアルカリ性であるが,外部からの炭酸ガスの侵入によって中性になると鋼材の不動態被膜が失われ,耐腐食性が低下する。
(3)鋼材腐食の進行により,ひび割れの発生,かぶりコンクリートのはく離,はく落,鋼材の断面欠損による耐荷力の低下等,構造物や部材の性能低下が生じる。
(4)水セメント比が小さいほど,二酸化炭素の拡散速度,中性化速度が大きくなり,ひび割れやジャンカなどの欠陥部の存在が中性化を早める。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。中性化とは,大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入し,炭酸化反応を起こすことにより,細孔溶液のpHが低下する現象です。
(2)○正しい。コンクリートは主成分がセメントであり,内部がアルカリ性ですが,外部からの炭酸ガスの侵入によって中性になると鋼材の不動態被膜が失われ,耐腐食性が低下します。
(3)○正しい。鋼材腐食の進行により,ひび割れの発生,かぶりコンクリートのはく離,はく落,鋼材の断面欠損による耐荷力の低下等,構造物や部材の性能低下が生じます。
(4)×誤り。水セメント比は大きいほど,二酸化炭素の拡散速度,中性化速度が大きくなり,ひび割れやジャンカなどの欠陥部の存在が中性化を早めます。

【No.55】

コンクリートの中性化に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートが乾燥状態で,細孔溶液量が少ないと中性化は進行せず,逆にコンクリートが湿潤状態で空隙が少なく二酸化炭素の侵入が少ない場合でも中性化は進行しない。
(2)屋内と屋外では,二酸化炭素濃度の高い屋内の方が,中性化速度が大きい。
(3)は温度が高いほど,相対湿度が低いほど進みやすくなる。
(4)海砂を用いた塩化物が多いコンクリートは炭酸化が進行しやすい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートが乾燥状態で,細孔溶液量が少ないと中性化は進行せず,逆にコンクリートが湿潤状態で空隙が少なく二酸化炭素の侵入が少ない場合でも中性化は進行しません。
(2)○正しい。屋内と屋外では,二酸化炭素濃度の高い屋内の方が,中性化速度が大きいです。
(3)×誤り。中性化は温度が高いほど,相対湿度が50%前後で最も進みやすくなります。
(4)○正しい。海砂を用いた塩化物が多いコンクリートは炭酸化が進行しやすいです。
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