商品有高帳(しょうひんありだかちょう)とは?
商品有高帳は、商品の仕入・売上・在庫を管理する帳簿です。
商品有高帳への記入は、商品の種類ごとに行います。
記入するための欄は大きく3つに分けることができます。
- 受入欄
- 払出欄
- 残高欄
受入欄(うけいれらん)
仕入れた(受入れた)商品の数量、単価、金額を記入します。
払出欄(はらいだしらん)
売上げた(払出した)商品の数量、単価、金額を記入します。
残高欄(ざんだからん)
残っている商品の数量、単価、金額を記入します。
商品有高帳の記入欄
商品有高帳の記入欄は、次のようになります。
商品有高帳 | |||||||||||
商品の種類 | |||||||||||
日付 | 摘要 | 受 入 | 払 出 | 残 高 | |||||||
数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | |||
商品有高帳の記入例
単価について
同じ商品を扱う場合でも、商品の仕入れ時期により、仕入単価が異なる場合があります。
ここで、商品有高帳で扱う場合の「単価」とは、仕入単価(原価)のことを差します。売り上げたときの価格ではないことに注意してください。
つまり、受入単価=払出単価=残高単価というルールとなります。
さて、商品の仕入れ単価が異なる場合の記入方法として、次の2つがあります。
- 先入先出法(さきいれさきだしほう)
- 移動平均法(いどうへいきんほう)
先入先出法(さきいれさきだしほう)とは?
先入先出法とは、先に仕入れた(受入れた)ものから払出すと仮定して、払出し単価を決める方法です。
先入先出法の記入例
次のように、コップ(商品)の取引を行ったとします。
10月1日:前月に単価10円で受入れたコップが10個繰り越された
10月4日:コップを新たに20個、単価12円で仕入れた
10月10日:コップを15個売り上げた
商品有高帳 | |||||||||||
コップ | |||||||||||
日付 | 摘要 | 受 入 | 払 出 | 残 高 | |||||||
数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | |||
10 | 1 | 前月繰越 | 10 | 10 | 100 | 10 | 10 | 100 | |||
4 | 仕 入 | 20 | 12 | 240 | 10 | 10 | 100 | ||||
20 | 12 | 240 | |||||||||
10 | 売 上 | 10 | 10 | 100 | |||||||
5 | 12 | 60 | 15 | 12 | 180 | ||||||
31 | 次月繰越 | 15 | 12 | 180 | |||||||
30 | – | 340 | 30 | – | 340 | ||||||
11 | 1 | 前月繰越 | 15 | 12 | 180 | 15 | 12 | 180 |
移動平均法の記入例
同じように、コップ(商品)の取引を行ったとします。
10月1日:前月に単価10円で受入れたコップが10個繰り越された
10月4日:コップを新たに20個、単価13円で仕入れた
10月10日:コップを15個売り上げた
商品有高帳 | |||||||||||
コップ | |||||||||||
日付 | 摘要 | 受 入 | 払 出 | 残 高 | |||||||
数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | 数 量 | 単 価 | 金 額 | |||
10 | 1 | 前月繰越 | 10 | 10 | 100 | 10 | 10 | 100 | |||
4 | 仕 入 | 20 | 13 | 260 | 30 | 12 | 360 | ||||
10 | 売 上 | 15 | 12 | 180 | 15 | 12 | 180 | ||||
31 | 次月繰越 | 15 | 12 | 180 | |||||||
30 | – | 340 | 30 | – | 340 | ||||||
11 | 1 | 前月繰越 | 15 | 12 | 180 | 15 | 12 | 180 |
利益を確認するには?
商品有高帳に記載される単価は、すべて原価(仕入単価)で行います。
そのため、払出金額の合計は、利益ではなく、売上原価と言います。
上の記入例では、10月10日に売り上げた分である、払出し欄の180円が売上原価に該当します。
売上高ー売上原価=売上総利益(利益)
という関係になります。
売上高は「売上帳(うりあげちょう)」の記載を確認することで分かります。
売上帳に関する記事は、こちらを参考にしてください。
以上、商品有高帳について学習しました。
商品の仕入れの際の単価と在庫状況を確認するのに必要であるということが分かりました。