コンクリート診断士 問題と解説Vol.37
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このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【問181_中性化】
中性化深さの測定に関する次の記述のうち、JIS A 1152:2002(コンクリートの中性化深さの測定方法)に照らして、不適当なものはどれか。
(1)はつり面に付着しているコンクリート小片や粉を除去した後、直ちにフェノールフタレイン溶液を噴霧した。
(2)測定面が乾燥していたため、フェノールフタレイン溶液を調整する際に、加える水を2倍にした。
(3)鮮明な赤紫色に着色した部分より浅い部分にうす赤紫色の部分が現れたので、うす赤紫色の部分までの距離を中性化深さとした。
(4)はつり面において、10mm間隔ごとに5箇所で中性化深さを測定し、平均中性化深さを求めた。
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正解(3)
(1)問題のとおりです。コンクリートの中性化深さの測定方法では、はつり面に付着しているコンクリート小片や粉を除去した後、直ちにフェノールフタレイン溶液を噴霧します。
(2)問題のとおりです。測定面が乾燥してる場合は、フェノールフタレイン溶液調整の水を増やすことができます。
(3)誤りです。フェノールフタレイン溶液による測定は、鮮明な赤紫色に着色した部分を中性化深さとします。
(4)問題のとおりです。はつり面の大きさに応じて、10~15mm間隔ごとに、4~8か所程度で中性化深さを測定し、平均中性化深さを求めます。また、コア供試体の側面を測定面とする場合は、5か所以上とするのがよいとされています。
【問182_中性化】
コンクリート供試体の割裂面を測定面としてフェノールフタレイン溶液を用いて中性化深さを測定した。(A)~(C)の記述に関する次の(1)~(4)の正誤の組合せのうち、JIS A 1152:2002(コンクリートの中性化深さの測定方法)に照らして、適当なものはどれか。
(A)コンクリートの割裂面にフェノールフタレイン溶液を噴霧し、ドライヤーで乾燥させた。(B)鮮明な赤紫色に着色した部分より浅い部分にうす赤紫色の部分が現れた場合、コンクリートの表面から鮮明な赤紫色の部分までの距離を測定して、中性化深さとした。
(C)測定位置に粗骨材の粒子があった場合、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線状で中性化深さを測定した。
(A) | (B) | (C) | |
(1) | 誤 | 誤 | 誤 |
(2) | 正 | 誤 | 正 |
(3) | 誤 | 正 | 誤 |
(4) | 正 | 正 | 正 |
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正解(4)
(A)問題のとおりです。フェノールフタレイン溶液を噴霧した後の測定面は、1~3日放置するか、ドライヤーなどで測定面を乾燥させると呈色した部分が安定します。
(B)問題のとおりです。コンクリート表面から鮮明な赤紫色を呈した部分までの距離を中性化深さとします。
(C)問題のとおりです。測定位置に粗骨材の粒子があった場合、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線状で中性化深さを測定します。
【問183_中性化】
コンクリート構造物から採取したコアの供試体を用いて中性化深さを測定した。次の記述のうち、JIS A 1152:2011(コンクリートの中性化深さの測定方法)に照らして、不適当なものはどれか。
(1)コアの側面を水洗いし、表面が濡れている状態でフェノールフタレイン溶液を噴霧し、測定を行った。
(2)赤紫色の呈色が不鮮明だったので、フェノールフタレイン溶液を再度噴霧して、発色が鮮明になってから測定を行った。
(3)測定箇所に粗骨材の粒子があったので、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線上で測定を行った。
(4)コンクリート表面から赤紫色に呈色した部分までの距離を0.5mmの単位で測定した。
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正解(1)
(1)誤りです。測定面が濡れている状態でフェノールフタレイン溶液を噴霧すると、精確な測定ができません。
(2)問題のとおりです。赤紫色の呈色が不鮮明な場合は、再度フェノールフタレイン溶液を噴霧します。
(3)問題のとおりです。測定位置に粗骨材の粒子があった場合、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線状で中性化深さを測定します。
(4)問題のとおりです。赤紫色に呈色した部分までの距離は0.5mm単位で測定します。
【問184_中性化】
コンクリート構造物から採取したコアの供試体を用いて中性化深さを測定した。このとき実施した方法に関する次の記述のうち、JIS A 1152:2011(コンクリートの中性化深さの測定方法)に照らして、適当なものはどれか。
(1)測定面にのろが付着していたため、水洗いによってこれを除去し、濡れた測定面を自然乾燥させた。
(2)測定面が乾燥していたため、フェノールフタレイン溶液を調整する際に、加えるエタノールの量を多くした。
(3)フェノールフタレイン溶液を噴霧したところ、時間の経過とともに呈色した部分の面積が拡大したため、水を噴霧して測定した。
(4)鮮明な赤紫色に呈色した部分とこれより浅い部分に薄赤紫色の部分が現れたので、薄赤紫色の部分を中性化していないものとして、中性化深さを測定した。
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正解(1)
(1)問題のとおりです。測定面に付着したのろは、水洗により除去します。その後、測定面を十分に乾燥させてから測定を行います。
(2)誤りです。測定面が乾燥している場合は、水を増やすのは適当ですが、エタノールを増やすと相対的に水が減少するので不適当です。
(3)誤りです。測定面に水を直接噴霧するのは不適当です。
(4)誤りです。鮮明な赤紫色部分に着色した部分で中性化深さを測定します。
【問185_塩化物イオン】
硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン量の測定原理による区分(A郡)と測定方法の名称(B郡)について、以下の(1)~(4)の組合せのうち、適当なものはどれか。
A郡 | B郡 |
a.重量法 | ア.塩化銀沈殿法 |
b.容積法 | イ.クロム酸銀法 |
c.吸光光度法 | ウ.電位差滴定法 |
d.電気化学的方法 | エ.モール法 |
a | b | c | d | |
(1) | ア | イ | エ | ウ |
(2) | イ | ア | ウ | エ |
(3) | ア | エ | イ | ウ |
(4) | イ | エ | ア | ウ |
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正解(3)
コンクリート中の塩化物イオンは、水溶液に塩化物イオンを溶かし、滴定を行うことで測定します。
a.重量法は、塩化物イオンと銀イオンを反応させて、塩化銀(沈殿物)を生じさせてその重量を測定する方法です。塩化銀沈殿法があります。
b.容積法は、クロム酸カリウム(クロム酸イオン)を指示薬とし、塩化物イオン濃度が不明な水溶液に硝酸銀水溶液を加え、塩化物イオンが先に塩化銀として沈殿し完全に反応が終わると、クロム酸銀が生じ、溶液が赤褐色に呈色した時点の、加えた硝酸銀水溶液の容積(体積)から塩化物イオンの量を測定する方法です。モール法があります。
c.吸光光度法は、塩化物イオンを含む水溶液にクロム酸銀を加えると、塩化物イオンが塩化銀として生成し、クロム酸イオンが遊離生成され、そのクロム酸イオンの吸光度(光を吸収する程度)を測定して、塩化物イオンの量を測定する方法です。クロム酸銀法があります。
d.電気化学的方法は、塩化物イオンを含む溶液に電極を設置し、電位差(単位:ボルト)を測定する方法です。塩化物イオンを含む溶液に硝酸銀溶液を滴定し、硝酸銀溶液の滴定量と電位差の変化から塩化物イオンの量を測定します。電位差滴定法があります。