【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.96)総合問題24

コンクリート診断士 問題と解説Vol.96

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問451_中性化】

 コンクリート構造物から採取したコア供試体の、中性化深さの測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)測定面の準備として、測定面が水で濡れていたのでドライヤで乾燥させた。
(2)測定面の準備が終了した後、直ちに測定ができなかったので、ラッピングフィルムで測定面を密封した。
(3)フェノールフタレイン溶液を噴霧した後、呈色した部分が安定してから測定した。
(4)鮮明な赤紫色に呈色した部分と、これより浅い部分に、うす赤紫色の部分が現れたので、コンクリート表面から、うす赤紫色の部分までの距離を中性化深さとした。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。コア供試体の中性化深さの測定の前に、測定面が水で濡れていた場合は、測定面の準備としてドライヤで乾燥させます。
(2)〇:問題のとおりです。測定面の準備が終了した後、直ちに測定ができなかった場合、空気中の二酸化炭素による中性化を防止するため、ラッピングフィルムで測定面を密封します。
(3)〇:問題のとおりです。中性化深さの測定では、フェノールフタレイン溶液を噴霧した後、呈色した部分が安定してから測定します。
(4)×:誤りです。コンクリート表面から鮮明な赤紫色に呈色した部分までの距離を、中性化深さとします。

【問452_アルカリシリカ反応】

 アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)白色ゲル状物質の化学成分を調べるために、蛍光X線分析を行った。
(2)骨材の岩種を調べるために、偏光顕微鏡による観察を行った。
(3)コンクリート中のアルカリ総量を調べるために、水酸化ナトリウム水溶液による滴定を行った。
(4)コンクリートの弾性係数を調べるために、超音波伝播速度の測定を行った。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。蛍光X線分析を行い、発行の有無により、白色ゲル状物質がアルカリシリカゲルであるか調査します。
(2)〇:問題のとおりです。偏光顕微鏡による観察により、表面状態から、岩種を特定することができます。
(3)×:誤りです。コンクリート中のアルカリ総量の測定には、原子吸光光度法により、ナトリウム、カリウムを測定し、水酸化物イオンの調査は、塩酸による滴定で行います。
(4)〇:問題のとおりです。超音波伝播速度の測定により、コンクリートの弾性係数を調べることができます。アルカリシリカ反応が進行したコンクリートは膨張により、コンクリート組織が粗になることで、伝播速度が低下し弾性係数が低下します。

【問453_分極抵抗法】

 分極抵抗法に関する次の記述のうち、適当なものはどれとどれか
(1)分極抵抗法(交流インピーダンス法)は、鉄筋の腐食速度の推定に用いる方法である。
(2)分極抵抗法は、コンクリート表面と鉄筋との間に高周波の交流電流を印加した時に測定される、分極抵抗を測定する。
(3)分極抵抗法は、コンクリート表面と鉄筋との間に低周波の交流電流を印加した時に測定される、分極抵抗を測定する。
(4)分極抵抗法は、高周波と、低周波の交流電流を印加した時に測定される抵抗に差分から、分極抵抗を求め、分極抵抗は腐食速度に反比例する。
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正解(1)と(4)

(1)〇:問題のとおりです。分極抵抗法は鉄筋を自然電位から⊿E変化させたとき生じた、微小電流⊿Iを計測し、鉄筋の腐食速度を測定する方法です。
(2)×:誤りです。分極抵抗法はコンクリート表面と鉄筋との間に、高周波の交流電流を印加した時に測定される、溶液抵抗を測定します。
(3)×:誤りです。分極抵抗法はコンクリート表面と鉄筋との間に、低周波の交流電流を印加した時に測定される、溶液抵抗と分極抵抗の和を測定します。
(4)〇:問題のとおりです。分極抵抗法は高周波と低周波の交流電流を印加した時に測定される、溶液抵抗と分極抵抗の和と、高周波の交流電流を印加した時に測定される、溶液抵抗の差分から、分極抵抗を求めます。分極抵抗は腐食速度に反比例します。

【問454_変状調査】

 鉄筋コンクリート構造物の変状に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)鉄筋コンクリート壁にジャンカが見られたが、ジャンカ部をハンマーでたたいても、脱落しなかったため、鉄筋腐食は促進されにくいと判断した。
(2)鉄筋コンクリート壁に長さ10cm程度のひび割れが複数発生していたが、ひび割れは鉄筋に到達していなかったため、中性化は促進されにくいと判断した。
(3)鉄筋コンクリート壁に砂すじが発生していたが耐荷力の低下は生じにくいと判断した。
(4)鉄筋コンクリート壁にコールドジョイントが発生したため耐荷力の低下が生じやすいと判断した。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。ジャンカにより鉄筋のかぶりあつさが減少するため、中性化等により、鉄筋腐食は促進されやすくなります。
(2)×:誤りです。砂すじは表面のセメントペーストが洗い流された状態です。耐荷力の低下は生じにくいです。
(3)×:誤りです。分極抵抗法は、コンクリート表面と鉄筋との間に低周波の交流電流を印加した時に測定される、溶液抵抗と分極抵抗の和を測定します。
(4)×:誤りです。コールドジョイントは耐荷力の低下は生じにくいです。

【問455_道路橋の調査】

 道路橋の、PC中空床版の変状に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)竣工後10年の定期点検において、橋軸方向と一致しているボイド管に沿ったひび割れの補修跡があったため、このひび割れは活荷重の作用による疲労が原因であると判断した。
(2)竣工後10年の定期点検において、橋軸方向と一致しているボイド管に沿ったひび割れの補修跡があったため、このひび割れは中性化による鉄筋腐食が原因であると判断した。
(3)竣工後10年の定期点検において、橋軸方向と一致しているボイド管に沿ったひび割れの補修跡があったため、このひび割れはボイド管の腐食が原因であると判断した。
(4)竣工後10年の定期点検において、橋軸方向と一致しているボイド管に沿ったひび割れの補修跡があったため、このひび割れはセメントの水和熱による温度応力が原因であると判断した。
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正解(4)

(1)×:誤りです。活荷重の作用による疲労が原因のひび割れは橋軸と橋軸の直交方向の2方向に発生する可能性が高いです。
(2)×:誤りです。中性化による鉄筋腐食は、ボイド管よりも細かなピッチで発生する可能性が高いです。また、鉄筋腐食によるひび割れは竣工後10年以内に発生する確立が低いと判断します。
(3)×:誤りです。ボイド管の腐食によるひび割れは竣工後10年以内に発生する確立が低いと判断します。
(4)〇:問題のとおりです。竣工後早い段階で補修されており、セメントの水和熱による温度応力が原因のひび割れは部材の拘束部に発生しやすいため、脱型後の早い段階で、ボイド管の拘束により発生したひび割れであると判断します。
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