【No.1-(1)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
甲土地の所有者が、甲土地に隣接する乙土地の一部を時効によって取得した場合、甲土地と乙土地の筆界が移動することになるため、甲土地及び乙土地について地積の変更の登記をすることになる。
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×誤り。
【解説】隣接する土地を時効によって取得した場合でも、筆界が移動することはない。この場合は、乙土地の一部について所有権が移動したと考えて、分筆の登記後、所有権移転登記を行う。
関連条文:-
【No.1-(2)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
国有財産法の規定に基づく境界確定協議とは、国有地と隣接地との境界があきらかでないため国有財産の管理に支障がある場合に、国と隣接地所有者の間において国有地と隣接地の所有権の範囲、すなわち、所有権界を確定する私法上の契約であると解されている。したがって、その協議が成立することによって、所有権界が定まる。
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〇正しい。
【解説】国有財産法の規定に基づく境界確定協議とは、国有地と隣接地との境界があきらかでないため国有財産の管理に支障がある場合に、国と隣接地所有者の間において国有地と隣接地の所有権の範囲、すなわち、所有権界を確定する私法上の契約であると解されている。したがって、その協議が成立することによって、所有権界が定まる。
関連条文:東京地判昭和56.3.30
【No.1-(3)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
筆界確定訴訟の確定判決によって、甲土地と乙土地の筆界は確定するが、所有権界については、筆界の位置に関わりなく合意することができる。
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〇正しい。
【解説】筆界確定訴訟の確定判決によって、筆界は確定するが、所有権界は、筆界の位置に関わりなく合意することができる。
関連条文:-
【No.1-(4)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
和解とは、紛争の当事者が互いに譲歩してその間にある争いを止めることをいうため、筆界についての争いを早期に解決するために和解することが認められている。
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×誤り。
【解説】和解とは、紛争の当事者が互いに譲歩してその間にある争いを止めることをいい、和解の対象となるものは、当事者の意思によって左右できるものに限られる。筆界は私人がその意思に基づいて自由に処分することはできない。
関連条文:-
【No.1-(5)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
不動産登記法上の筆界特定制度では、筆界特定がされた後に筆界確定訴訟の判決が確定した場合、筆界特定は、筆界確定訴訟の判決と抵触する範囲において、その効力を失う。
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〇正しい。
【解説】不動産登記法上の筆界特定制度では、筆界特定がされた後に筆界確定訴訟の判決が確定した場合、筆界特定は、筆界確定訴訟の判決と抵触する範囲において、その効力を失う。
関連条文:法148条
【No.2-(1)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
相隣接する土地の所有者間で境界について和解や調停をした場合、その和解や調停は、所有権の境界に関する合意と解されるときであっても、無効である。
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×誤り。
【解説】筆界は、私人の合意で自由に変更したりすることは許されない。しかし、私人の合意によって互いの所有権の及ぶ範囲を決めることはできる。相隣接する土地について、所有者間で和解や調停によって双方の土地の所有権について合意したものと解されるときは有効とされる。
関連条文:-
【No.2-(2)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
相隣接する土地の所有者間での筆界の確定を求める訴えの係属中に、訴訟上の和解により筆界についての合意に達した場合には、これにより筆界を定めることができる。
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×誤り。
【解説】和解とは、紛争の当事者が互いに譲歩してその間にある争いを止めることをいい、和解の対象となるものは、当事者の意思によって左右できるものに限られる。筆界は私人がその意思に基づいて自由に処分することはできない。
関連条文:-
【No.2-(3)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
境界標を設置する費用及びそれを保存する費用は、相隣者が平等に負担する。
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〇正しい。
【解説】境界標を設置する費用及びそれを保存する費用は、相隣者が平等に負担する。
関連条文:民法224条本文
【No.2-(4)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
不動産登記法14条第1項に規定する地図に表示される筆界は、常に所有権の境界と一致している。
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×誤り。
【解説】筆界と所有権の境界は通常は一致しているが、分筆登記前に隣接地の一部の所有権を取得したような場合には、所有権の境界は移動するが筆界は移動しないため、常に一致しているとはいえない。
関連条文:第135条2項
【No.2-(5)】
不動産の表示に関する登記 の 登記能力のある土地 に関する問題
土地の所有者は、筆界の確定を求める訴えの確定判決を得ても、隣接地の所有者との間で所有権の帰属について争いのある土地部分について、当該判決に基づき所有権を主張することができない。
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〇正しい。
【解説】筆界確定訴訟の判決は、所有権に関する既判力を生じない。所有権を主張するためには、所有権確定訴訟も提起しなければならない。なお、筆界確定訴訟と所有権確定訴訟を併合して提起することが認められている。
関連条文:None
【No.3-(1)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
海底から柱脚によって支えられた永久的な構造物である桟橋の上に建築された店舗は、土地に付着していないので、建物として登記をすることができない。
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×誤り。
【解説】建物の土地への定着の方法は、必ずしも土地に直接付着している必要はなく、海底からの柱脚によって支えられた永久的な構造物である桟橋の上に建築された店舗や事務所等は、建物として登記することができる。なお、ロープ等で係留されている海上ハウス等は登記することができない。
関連条文:建物認定準則88条4項
【No.3-(2)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
ガード下を利用して築造した店舗は、他の工作物の構造を利用して屋根を設けているので、建物として登記することができない。
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×誤り。
【解説】ガード下を利用して築造した店舗など、他の工作物の構造を利用して屋根を設けたものは建物として登記することができる。
関連条文:建物認定準則77条1号ウ
【No.3-(3)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
観音像の形態をした建造物であって、内部に祭壇が設けられ、また、参拝者が着席することができる施設もあり、寺院の本堂として利用されているものについては、建物として登記をすることができる。
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〇正しい。
【解説】観音像の形態をした建造物であって、内部に祭壇が設けられ、また、参拝者が着席することができる施設もあり、寺院の本堂として利用されているものについては、用途性が認められるので、建物として登記をすることができる。
関連条文:建物認定昭和30.4.9民甲694号回答
【No.3-(4)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
鉄道の駅(停車場)の乗降場は、上屋の有無にかかわらず、建物として登記をすることができる。
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×誤り。
【解説】鉄道の駅(停車場)の乗降場は、上屋を有する部分に限り、建物として登記をすることができる。
関連条文:建物認定準則77条1号ア
【No.4-(1)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
ビニールハウスと称され、屋根及び周壁がビニール張りで仕上げられている建造物については、建物として登記をすることができる。
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×誤り。
【解説】屋根及び周壁がビニール張りで仕上げられている構造物については、外気を分断する周壁の耐久性に乏しいため、建物として登記することができない。
関連条文:建物認定昭和36.11.16民甲2868号回答
【No.4-(2)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
屋根及び周壁の部分にガラス質の板がはめられている温室は、建物として登記をすることができない。
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×誤り。
【解説】屋根及び周壁の部分にガラス質の板がはめられている温室は、外気を分断する周壁としての耐久性の要件を満たすことから、建物として登記をすることができる。
関連条文:建物認定
【No.4-(3)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
永久的な構造物である桟橋の上に構築された店舗は、建物として登記をすることができる。
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〇正しい。
【解説】建物の定着性における土地への付着は、必ずしも土地に付着している必要はなく、影木裕的な構造物である桟橋の上に構築された店舗等は、土地に定着しているものと解されているので、建物として登記をすることができる。
関連条文:建物認定準則79条5号
【No.4-(4)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
上屋を有する駅のホーム内にある売店は、停車場とは別個独立の建物として登記をすることができる。
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×誤り。
【解説】上屋を有する駅のホーム内にある売店は、停車場の一部とみなされるため、独立の建物として登記をすることができない。なお、売店の停車場に占める面積が大きい時は、種類を併記することができる。
関連条文:建物認定昭和36.3.24民三826号回答
【No.4-(5)】
不動産の表示に関する登記 の 登記の対象となる建物 に関する問題
廃車となった電車をレストラン(店舗)として利用しているものについては、基礎工事を施したものについては、建物として登記をすることができる。
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〇正しい。
【解説】廃車となった電車をレストラン(店舗)として利用しているものについては、単にコンクリート台に置いたものや、直接地上に置いただけのものは、手土地への定着性の面から、多と物として登記することはできない。しかし、基礎工事を施したものについては、建物として登記をすることができる。
関連条文:建物認定
【No.5-(1)】
不動産の表示に関する登記 の 管轄登記所の指定及び変更 に関する問題
A登記所とB登記所の管轄区域にまたがって建築された建物の表題登記の申請は、当該建物の床面積の多い部分の存する土地を管轄する方の登記所にしなければならない。
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×誤り。
【解説】不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。その指定されるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。
関連条文:法6条2項
【No.5-(2)】
不動産の表示に関する登記 の 管轄登記所の指定及び変更 に関する問題
主である建物が存在する土地を管轄する登記所と付属建物が所在する土地を管轄する登記所が異なる場合には、当該建物の表題登記の申請は、床面積が大きい方の建物が所在する土地を管轄する登記所にしなければならない。
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×誤り。
【解説】主である建物が所在する土地を管轄する登記所に、表題登記を申請する。
関連条文:登記研究432号
【No.5-(3)】
不動産の表示に関する登記 の 管轄登記所の指定及び変更 に関する問題
A登記所に登記されている建物が、えい行移転によりB登記所の管轄区域に移動したときは、当該建物の所在の変更による表題部の変更の登記は、B登記所に申請しなければならない。
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×誤り。
【解説】A登記所に登記されている建物が、えい行移転によりB登記所の管轄区域に移動したときは、建物の不動産所在事項に関する変更の登記は、B登記所が管轄登記所としてこれを取り扱うものとされているが、登記の申請は、A登記所にすることもできる。
関連条文:準則4条1項、2項
【No.5-(4)】
不動産の表示に関する登記 の 管轄登記所の指定及び変更 に関する問題
A登記所に登記されている建物のうち、主である建物が取り壊されたため、B登記所の管轄区域に存する付属建物を主である建物とする建物の表題部の変更の登記の申請は、B登記所にしなければならない。
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×誤り。
【解説】A登記所に登記されている建物は、A登記所において登記されているため、当該建物の表題部の変更の登記は、A登記所に申請しなければならない。
関連条文:法25条1号
【No.5-(5)】
不動産の表示に関する登記 の 管轄登記所の指定及び変更 に関する問題
A登記所に登記されている甲建物をB登記所に登記されている乙建物の付属建物とする合併の登記の申請は、B登記所にしなければならない。
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〇正しい。
【解説】合併による建物の登記は、合併後に主である建物となる建物を管轄する登記所に対して申請する。
関連条文:準則5条